見出し画像

マスター1達成した【氷水】の話② 構築について

先日氷水というテーマ自体について語ったので今度は実際色々構築を試した感想を語りたい。

こちらがランクマで使った構築。
色々変えながらやっていたが最終版のもの。 

前回語ったように、勝ちを目指して【氷水】を組むならシンクロ召喚を軸に組んだ方がいいと考えているのでその方向性で組んだ。

基本的な展開パターンとそれに使用するカード


まずは動きの説明。
シンクロ軸の【氷水】は何をするデッキかというと、
基本的に召喚権からの動き+エジル・ラーンでの展開の2手で盤面を作るデッキである。

「エジル・ラーン」の効果がほぼ「相剣軍師-龍淵」なので相剣をイメージしてもらえると分かりやすく、莫耶や泰阿を召喚してシンクロを出して1妨害、龍淵を使ってもう1体シンクロを出してもう1妨害というお決まりの流れをそのまま「エジル」などや「エジル・ラーン」に置き換えた感じだと思ってもらえればいい。

エジル+水属性or氷水カード展開

具体的に氷水カードだけの展開は以下のような感じ。

初手:エジル+水属性or氷水カード
エジル召喚、効果で揺籃サーチ
→揺籃発動、ラーンサーチ
→手札の水属性or氷水カードを捨てラーン効果発動、自身とトークンSS
→ラーン+トークンでギュミルS召喚
最終盤面:エジル+ギュミル

以上。最終盤面はギュミル+エジルでおしまい。

エジル+コスト展開例

一応エジルには攻撃や効果の対象にされた時の効果があるので単なる下級の棒立ちではないのだが、緩めとはいえ2枚初動からの動きとしてはあまりに頼りない。
相剣が莫耶初動から2体シンクロ出来るのに対してこの慎ましさである。


ディーヴァ+水属性or氷水カード展開

氷水にはテーマ外に強初動となるカードがあり、それが「深海のディーヴァ」である。
ディーヴァ展開は以下のような感じ。

初手:ディーヴァ+水属性or氷水カード
ディーヴァ召喚、効果でデュオニギスSS
→デュオニギス①で相手のデッキトップ除外
→デュオニギス②でディーヴァのレベルを4に
→ディーヴァとデュオニギスでプリマドーナS召喚
→プリマドーナ効果で除外した相手のカードを手札に戻しエジルSS、効果で揺籃サーチ
→エジル+プリマドーナでレベル10S召喚
→以下エジル展開と同様
最終盤面:ギュミル+10シンクロ

以上。こちらは最終盤面にギュミル+10シンクロが並ぶ。

ディーヴァ+コスト展開例

さらにプリマドーナの効果により10シンクロにモンスター効果への対象耐性がつき、デッキによっては突破が難しくなる。特に承影には破壊耐性があるため、クシャトリラなどはこれだけでかなり越えるのが面倒なはず。

ただし、この展開にも難点がある。
プリマドーナの効果を使うことで相手の手札が増えることである。
一応デュオニギスの効果で除外したカードの中から選ぶのであまり有効ではない札を選ぶことは出来るものの、単純に手札が+1されるのはかなり嫌。
再び相剣を比較対象にするが、盤面は向こうと同じシンクロ2体なのに相剣は莫耶で1ドローして手札が増えるのに氷水はなぜか相手の手札が増えている。あまりにも格差社会。

また、デッキ内にデュオニギスという明確に素引きの弱いカードを採用しなくてはならないこともデメリット。
ディーヴァの効果で特殊召喚できるのはデッキ内のカードのみであるため、1枚採用では素引きした時にディーヴァが腐ること、2回目以降のディーヴァから非チューナーを出したい場面があることから2枚採用にした(せざるを得なかった)が、ただでさえパワーの低いこのデッキに引きたくないカードを増やすのは厳しいものがある。

とはいえ氷水の展開の中では強力なのでディーヴァを初動として採用することにした。

ラーン+龍騎隊展開

ディーヴァを初動として採用する場合に強く使えるカードがある。
それが、「海皇の龍騎隊」。

このカードは水属性モンスターの効果発動のコストとして捨てられた場合にデッキから海竜族モンスター、即ちディーヴァをサーチすることが出来る。
そしてエジルラーンはコストとして水属性モンスターを捨てて効果を発動するので竜騎隊の効果のトリガーになれる。
つまり、ディーヴァを初動にしてラーンを後で発動する以外に、ラーン+竜騎隊を初動にしてディーヴァを後に使うパターンが生まれるという訳。

具体的な展開ルートは以下。

初手:ラーン+竜騎隊
龍騎隊を捨てラーン効果発動、自身とトークンSS&龍騎隊の効果でディーヴァサーチ
→ディーヴァ召喚、効果でデュオニギスSS
→ディーヴァ+デュオニギスで前述のルートを使いコレペティ経由でエジル出しながらレベル10S召喚orデュオニギス効果を自身対象にしてレベル8S召喚
最終盤面:ギュミル+レベル10シンクロ+氷水カード 
   or ギュミル+レベル8シンクロ

最終盤面をディーヴァ展開と同様にギュミル+10シンクロにすればエジルからサーチするカードが余り、8シンクロにすればコレペティを経由しないので相手の手札が増えない。2枚初動の動きとしては最強。

ラーン+龍騎隊展開例①
ラーン+龍騎隊展開例②

ただし先にバロネスを立たせることが出来ないのでニビルケアが出来ない点には注意。

アネモネジーランティス展開(後攻時)

ここに加えて後攻時に多用する展開があるので紹介する。

任意の方法で水属性モンスター2体を含むモンスター3体を揃える
→水属性モンスター2体でアネモネL召喚
→アネモネ効果で水属性モンスター蘇生
→モンスター4体でジーランティスL召喚

有名なコンボなので知っている人も多いと思うが、アネモネの効果を使うと特殊召喚に水属性縛りが発生することを逆利用してジーランティスの除外後即特殊召喚する効果で除外した相手モンスターを場に戻って来なくさせることができる。
後手捲りの選択肢として使う機会が多い展開パターン。
とにかくアネモネ経由でリンク値が4になればいいだけなので前述した初手全てからこのパターンへ向かうことが可能。

その他展開に使用するカード

ともあれ【氷水】では、基本的にこの『エジル+水属性or氷水』『ディーヴァ+水属性or氷水』『ラーン+龍騎隊』という3種類の組み合わせからの展開を狙っていくことになる。
氷水には専用サーチカードの「氷水揺籃」が存在することもあり、2枚初動とはいえ比較的要求値は低い。

さらにもう一つ、使える状況が限定されるものの展開の手数になるカードがある。
それがこの「氷水大剣現」というカード。

自分の場に水属性モンスター、相手の場か墓地にモンスターが存在するという発動条件がやや厄介ではあるが、デッキから直接エジル等を特殊召喚できる。
このカードで積極的に展開を狙っていくというよりは、相手の妨害で減った手数を補填するための札というイメージ。
墓地効果も地味に強く、特にギュミルで対応できないバウンスを牽制出来るのが便利。

主に展開に絡むカードは以上となる。

基本展開に絡むもの以外のギミックカード

基本展開に絡むもの以外の氷水カードは、エジルや揺籃のサーチ先が余った際に状況次第で持ってくるためのものである。

氷水モンスター

まず「氷水のトレモラ」。

手札で揺籃が余っている場合にラーンのコストで捨てて墓地効果を構えるための採用。
ギュミルに疑似的な戦闘破壊耐性を付与したり墓地のエジルを蘇生して次のターンへ備えたりという使い方ができる。
墓地効果持ちの初期氷水の中では一番➀の効果がマシで稀に使うことがあるのでトレモラを採用している。

次に「氷水艇エーギロカシス」。

これもトレモラ同様手札で揺籃が余っている場合にラーンのコストで捨てて墓地効果を構える。
こちらは打点上昇効果持ちで、状況次第ではかなりの攻撃力になる。
レベル7チューナーなので既にエジルが場にいる時には大剣現から出すことも多い。

氷水魔法罠

フィールド魔法の「氷水底イニオン・クレイドル」を1枚採用している。

今回イニオンクレイドルの名称を指定するカードは採用していないので、単純に効果目当て。
サーチカードの揺籃が「フィールドか墓地に同名カードが存在しない」モンスターしか呼んでこれないので、エジルからラーンを持ってきたいが既に墓地にラーンが存在する場合に使う。
②の効果も若干使いづらいがワンキルの抑止や相手の盤面突破にたまに役立つ。

さらに罠カード「氷水浸蝕」。

前述の『ラーン+龍騎隊』展開からエジルを出した場合に持ってくることが多い。
貴重な万能無効を行えるカードで、②の効果も地味に優秀。
ただし盤面に余計に氷水モンスターが残ることは少ないので発動にはギュミルを破壊する必要がある場合が多い。
このカードは状況次第では増G受けにもなり、サーチ先に欲しい場面が多かった。

その他

竜騎隊のサーチが余った時用に「氷霊神ムーラングレイス」を採用した。

ランダムで墓地送りといえど2枚ハンデスは強力。
アネモネ等で墓地の水属性の枚数を調整しやすいこともあってかなり出しやすかった。
ラーン+竜騎隊からムーラングレイスをサーチし、素引きしたディーヴァから基本展開を行いつつムーラングレイスでハンデスを行うのがこのデッキの先攻最強ムーブ。

その他汎用カード

今回はギミックに絡むカードの枚数を抑え、残りを手札誘発などの汎用カードで埋めた。
具体的にはお決まりの増Gうらら墓穴抹殺無限にクシャトリラ3枚。
増Gうららは言わずもがなで、誘発が重い場面も少なくないので墓穴抹殺も採用。抹殺はフリーチェーンで龍淵のトリガーになれる点も便利だった。

汎用カードの選定

汎用枠の選定は環境次第で変えていくべきだと思うが、今回は雑多なランクマ環境でいつどの対面に引いてもそれなりに仕事のある無限泡影に。
このデッキは先攻盤面が今一つ頼りないので、汎用カードとして採用するのは可能な限り先攻時にも追加の妨害として強く使えるカードの方が良いように思う。
例えばニビルなどは相手の先攻1ターン目で決まればリターンが大きいものの、相手の後攻1ターン目でこちらの盤面が突破された後に使ってもこのデッキではそこからの立て直しが難しいため嚙み合いが今一つな印象。
また、先攻盤面の補強を強く意識して神宣を採用してみたら後手の勝率が悲惨なことになったのでやはり先後両方で強いカードを入れるべきだと思う。

クシャトリラギミック

残り3枠は氷水関連のギミック増やしたり誘発など色々試したものの1番感触が良かったのがクシャトリラ。
オーガが水属性なのでラーンの手札コストになるという微妙なシナジーもあるが、単純にフェンリルの単体性能が高いのが強い。
氷水の先攻盤面の弱さ、後攻の手数の両方を補ってくれた。
氷水の展開のみだと攻撃力の合計が8000に届かないことも多く、出しやすい高打点がいることの意義も大きかったと思う。

新リミ適応前なのにフェンリルが1枚なのはリミットが発表されて以降に旧リミデッキを使いたくないという単なる個人的なこだわり。
フェンリルからフェンリルを持ってこれなくなったのは痛手だが、他のクシャトリラモンスターに構築上の採用意義があるのならまだ出張として一定の強さはあるように感じた。

採用しなかった/採用してみたが解雇したカード・ギミック

氷水ロックギミック

氷水というデッキの個性を活かしたデッキを作ろうと思ったら「氷水呪縛」や「氷水帝コスモクロア」を入れてロックを狙いたくなるかもしれない。

実際自分も最初はこの2枚を入れた上でイニオンクレイドルを増やしてシンクロを主軸にしつつロックも視野に入れた構築を試してみた。

だが、実際回してみるととてもじゃないがそんな余裕はない。
先攻でロックを成立させるにはイニオンクレイドルor呪縛を素引きした上でエジルのサーチが余る必要があるのだが、まあ無理。
一応成功することもあったとはいえ、デッキの枠を大きく割くリスクにはまるで見合っていない。
氷水ロックの難点は前回語ったが、特化しても厳しいギミックを片手間で搭載できるわけがなかった。

別に特定のデッキに限った話ではないが、何でもかんでも出来るようにしようとしてギミックを過積載すると大抵上手くいかない。
特に氷水のようなテーマの時点で方向性がとっ散らかっているテーマであれもこれもやろうとしたところでデッキの方向性までとっ散らかるだけだからやめた方がいいな、という感想。

海皇ギミック

展開の強度を上げるために「海皇子 ネプトアビス」等を採用する案もあったが見送った。
先攻展開がいまいち頼りないこのデッキでは展開が伸びるのは魅力的だが、デッキに入る不純物の量が多すぎるのがネック。
この方向性を目指すなら氷水ギミック側のカードを減らして、海皇を主軸に氷水が出張するような形になっていくと思う。

おろかな副葬+氷結界

ラーン等をサーチできるギミック。
一応副葬は大剣現などを落とす択もあるのでそれなりに使用感は良かったものの、やはり氷結界の素引きが弱いのと初動のパターン自体はそれなりにあるのであまりサーチカードの恩恵を感じなかったので抜いた。

瀑征竜-タイダル

龍騎隊の効果のトリガーになりつつ状況次第で手数にもなる。
…と思ったのだがシンプルにカードパワーが高くない。
個々の効果はまあまあ強いんだけどいずれかターン1なのがね…
征竜最強時代をチラッと紙をプレイして印象に残っているだけに微妙に切なかった。

シンクロ・オーバーテイク

ディーヴァをサーチできるカード。
初動率の底上げ目的に採用してみたが、既にディーヴァを持っている時に弱すぎるのと後攻で前述のアネモネジーランティスのルートに行けなくなるのが苦しくて解雇。
デッキを厚くするなら初動のかさ増しとしていいと思うが、40枚構築でオーバーテイクまで搭載する必要は必ずしもないように思った。

豪雨の結界像

自分が結界像全般のアンチなので非採用。
というか水族のサーチやリクルートが行えるわけでもないこのデッキで結界像を使えるシチュエーションは主に普通に召喚するか手札に来たのを捨ててアネモネで吊り上げるかくらいのはず。
そうなると通常の展開を1手捨てて『結界像+ギュミル』みたいな盤面で返すことなるのだがわざわざデッキの枠割いてそれをすることが果たして強いのか…?試してないので分からんけど。
イニオンクレイドルとの相性はいいと思うので結界像入れるならそれ前提に構築寄せるべきかもしれない。


デッキとしての評価

最後に簡単にデッキとしての強みと弱みについて触れる。

まず大前提として、氷水は強いデッキではない。

動きのイメージは相剣に近いと言ったが、デッキとしての性質も相剣に近く、その上でやはり個々のカードのスペックが足りない。
相剣が莫邪+コストからシンクロ2体+1ドロー+1200バーンなのに対して、こちらはエジル+コストからシンクロ1体と下級、ディーヴァ+コストからシンクロ2体+相手の手札1枚増加(デメリット)である。
白エクレシアや天威ギミックを擁する向こうに比べて手数も安定感も劣る。
さらに氷水の方がデッキに入る不純物の量も多く、汎用カードを積める空きスロットの量でも負けている。

一応相剣との差別化点を挙げると、まずギュミルとレベル10シンクロが並ぶ点。
除去手段を破壊と除外に頼るデッキに対しては強く出ることが出来るし、神碑のような除外を多用するデッキに対してはギュミルが何度でも墓地から湧いてきて戦線を維持できる。
また、アネモネからのジーランティスルートの存在も差別化点。
不意打ち気味に全体除去を行えるのは強いし、たまにラビュから飛んでくる次元障壁への耐性があるのは偉い。
あとは細かいことを言うと御前試合や豪雨の結界像に強い点も利点ではある。

ただ、やっぱりどうしてもデッキとしての評価は劣化相剣になってしまうというのが自分の結論だった。体感0.65相剣くらいのパワー。

そもそも相剣だって別に環境デッキというわけではなく、インフレに飲まれている側のデッキである。
それより弱いんだから当然ランクマで戦い抜くのは辛い。というか辛かった。ダイヤ5からマスター1に昇るまで272戦かかったし、マスター2に昇格したと思ったら2時間半でマスター5まで叩き落されて心が折れそうになったりもした。

悪夢

しかし、それでもランク戦でどうしても【氷水】が使いたい!と言うなら使えないことはないくらいのスペックはあるはず。
実際弱いとは言っても頑張ればマスター1になれるくらいのパワーはあったわけだし、テーマカードに使えるシチュエーションが受け身で限定的な「隠された効果」が多く、初見殺し的な要素もあって回してて割と楽しいデッキだった。
ただしテーマ性の迷子っぷりやマイナーデッキ故の参考となる構築の少なさから全く知識のない人が0から組むにはだいぶ苦戦するかもしれない。

そんな人にとってこの文章が何かの参考になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?