マスター1達成した【氷水】の話① 氷水というテーマの方向性について
今日は前シーズンのランクマで使った【氷水】の話をする。
自分は基本的に毎月のランクマ登頂は適当に目をつけたデッキ一本でやることにしており、先月選んだのが【氷水】だった。
先月はDCがありガチ環境でバチバチのデュエルは堪能したので、
「ランクマはちょっとカジュアルめのデッキ使いたいなーいい感じの好みに合いそうなミッドレンジ系ないかなー…おっそういや最近【氷水】新規来たらしいじゃん、いっちょ使ってみっか!」
くらいのノリで選んだのだが、この【氷水】というデッキが思ったより重症だった。
具体的にどう重症なのかを説明するために、まず【氷水】がどんなテーマかを説明したいのだが……
……………
………
…
わからん。どんなテーマなんだこれ。
テーマカードのテキスト全部読んで実際あれこれ構築試して250戦以上回したものの、【氷水】が何をしたいテーマなのかが全然分からない。
正確に言えば、テーマ内のいくつかのカードの間には一応「このテーマはこういうことを目指しますよ!」という主張は感じる。
だが、なぜかテーマ全体でその目的意識が共有されていないのだ。複数の方向性が取っ散らかっている。
枚数自体は普通のテーマくらいはあるものの、同じ方向を向いていないカードが多すぎて絶妙に噛み合わない。
例えるならうどんの汁の中にスパゲッティを入れてラーメンの具を乗せたようなチグハグ感である。
おまけに別に個々のカードのスペックが取り立てて高いわけではなく、何もかも中途半端。
これが【氷水】というテーマに関する率直な感想だ。
具体的に言うと、【氷水】には大きく分けて3つの方向性があるように思う。
「水属性のサポート」「ロック」「シンクロ召喚」がそれである。
1つずつ所感を書き出していく。
まず最初が「水属性のサポート」。
氷水というテーマが最初に登場した時のコンセプトがこれであり、初期に登場した氷水モンスターは全員水属性モンスターをサポートする効果を持っている。
だが弱い。シンプルにテキストが弱い。
まずアドが取れない。ガンガン手札が減っていく。
その割に大したことが出来るわけではない。明らかに手札の消費量と釣り合ってない。
共通の墓地効果もあったらたまに役立つ、くらいのもので当てに出来るものでは全くない。
個々のカードの具体的な説明は割愛するが、テキストを軽く読んだだけでそのパッとしなさは伝わるはず。
水属性サポートを活かそうとするなら【氷水】単体でデッキを組むというよりは他のテーマと合わせて組むことになると思うが、大抵のデッキはわざわざこいつらを採用するよりもっといい候補があると思う。
次が「ロック」。
後発で追加された【氷水】カードの何枚かが持つ方向性がこれ。
この戦術の軸となるカードが「氷水底イニオン・クレイドル」「氷水帝コスモクロア」「氷水呪縛」の3枚。
特定のカードを場に揃えることで相手フィールドのモンスターの効果の発動を封じることが出来る。
単純に効果が弱い水属性サポートと違って、決まれば強いだけこちらの方針の方がデッキとしてまとまりそうではある。
ただし、このロック戦術は要求値が高すぎる。
単純に特定のカードを3枚ないし2枚揃えなくてはならないというのはハードルが高い。
氷水カードのサーチを行えるモンスターは存在しているものの、特定のカードを2枚揃えなくてはならないので片方は素引きが要求される。
さらにこのロックパーツは3積みするには微妙な単体スペックである。
都合良く特定の組み合わせで引いてないと弱いカードを素引きしないと成功しないというのは、想像以上に構築を考える上で響いてくる。
そして仮にロックが成立したとしても当然穴はある。
魔法罠による除去、モンスターの戦闘破壊、フィールド以外で発動するモンスター効果などロック解除の手段は決して少なくない。
そもそも魔法罠を中心に戦うようなデッキ相手ではロクに意味をなさないこともある。
そして要求値が高いというのは、ロック成立に全力を注がなくてはならないということでもある。
相手のロックを突破しようとしてくる動きに対して妨害を用意するなどという余裕が生まれることは滅多にない。
構築もプレイもロック成立のみに全力を費やすことになるので、ロックが突破されたらそこまでという盤面になることがほとんどである。
ついでにテーマの統一感のなさについてツッコむが、この方向性にしようとすると初期組の水属性サポートと全く噛み合わないの何考えてデザインしたのか理解に苦しむ。
ロックに必要なのは基本的に【氷水】魔法なので特に水属性の展開サポートがあったところで役に立たない。
「コスモクロア」はモンスターなので出番が来るか?と思いきやこいつは「イニオンクレイドル」があると勝手に手札から出てくるので別に不要である。初期組使わせる気ないだろ。
本当に君たち同じテーマなの?ってくらいの噛み合わなさは逆に芸術的。
総じて、ロック戦術を軸に据えようとするとデッキとしては成立するものの環境レベルでの実戦では色々無理が生じることになるというのが自分の結論。
方向性として纏まってはいるので【氷水】としての個性が活きている構築ではあると思う。
カジュアル対戦とかで使おうとするなら悪くない選択肢かも。そういう場でロックデッキとか嫌がられそうだけど
最後が「シンクロ召喚」。
水属性サポートはパッとしないしロックは要求値高すぎて厳しい、そんな【氷水】に到来した新たな追加カードによって打ち出されたのはまさかのシンクロ召喚という新方針であった。なんで?
追加されたテーマエースの「エジル・ギュミル」は単純にレベル10シンクロとして中々強い。「エジル・ラーン」も簡単にレベル10シンクロを出せる便利なカード。
…なのだが、水属性サポートもロックも関係ない。
単体のカードとしては割と優秀なのだが、これまでの氷水との噛み合いが微妙。
ロック成立のハードルは依然として高いままだし、「エジル・ラーン」は自身の効果でSSしないとあまり意味がないので初期氷水による水属性サポートは特に必要としていない。
なんで【氷水】の新カードを作ろうと思ってこのカードが生まれたのかよく分からん。教えてくれ開発者。
とはいえ氷水の中ではかなりハイスペックなカードなので、勝つために【氷水】を組もうとすればこのシンクロ召喚を軸にしたデッキになると思う。
自分もそう考えてシンクロ召喚軸でデッキを考えることにしたものの、やはり全体的なパワーの低さは否めなかった。
やはりテーマカードの大半が別軸なので単純にシンクロ召喚を軸にする上で強いカードが少ないという点が響いている。
さらに言うならシンクロ組の「エジル・ギュミル」は確かに強いものの1枚で何とかしてくれる絶対的エースと言うほどではなく、あくまで10シンクロの選択肢として優秀と言った程度。
「エジル・ラーン」も氷水の中だから強く見えるだけで、冷静にテキストを読んでみるとちょっと弱い「相剣軍師-龍淵」くらいのものでしかないことに気づく。
「斬機サーキュラー」や「エクソシスター・マルファ」のような1枚でテーマに革命を起こしたようなパワーカードとは単体のスペックでも比べられるものではない。
そんな感じなので結局はシンクロ召喚軸にしてもあくまで【氷水】の中では1番マシという程度。
環境デッキはおろか中堅レベルのデッキに比べても1つ2つ劣るパワー感だった。
ぶっちゃけて言えばほぼ劣化相剣。
総じて、ピントのズレた強化の連続によって近年では珍しいほど方向性のとっ散らかった異常増築テーマ。それが【氷水】である。
これで同期が【相剣】とか【ふわんだりぃず】なんだから恐れ入る。
なんでそのカードパワーをほんの少しだけでいいから氷水に分けてやれなかったんだ…!!
氷水というテーマの現状はこんな感じ。
では実際デッキ組むとしたらどんな感じにするのがいいのか、という点について考えたい。
めちゃくちゃ苦労したもののマスター1に到達出来るくらいにはなったので、自分なりに整理して後日文章化したいと思います。
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