DC2022Aug備忘録 Top100入賞勇者プランキッズのプレイング等メモとDCのすゝめ
このnoteについて
マスターデュエル初の大会系イベント、第1回デュエリストカップで【勇者プランキッズ】を使ってギリギリTOP100入賞を達成しました。やったぜ。
せっかくなので、忘れないうちにデッキ選択の理由とかやってたプレイングとか諸々を言語化して後で思い出を振り返れるように記録を残します。
デッキ解説出来るほど練度がある自信も構築にオリジナリティもないですし、もっと上手くてデッキ煮詰めた人が上にたくさんいると思うのであくまでこういう感じでやってた人がいましたよってくらいのメモです。
もしプランキッズ有識者がいたら、学部生のレポートを読む大学教授くらいのおおらかな気持ちで読んでいただけると幸いです。そしてそこはこうした方がいいですよってのがあれば教えてください。
デッキ選択の経緯
自分は一応サービス初日からマスターデュエルはやっていましたが大会等に出たことはなく、ほとんどガチ対戦の経験値がありません。
ただ、同じ遊戯王のゲームであるデュエルリンクスにおいて、デュエリストカップの形式に近いKCカップというイベントを走った経験から、このイベントは絶対に楽しいからやれるだけやってみようと思いました。(DCのような形式には賛否両論あると思いますし合う合わないがあるのも分かりますが個人的には大好きです)
そんなわけで、机上論で環境を考察して半ばぶっつけ本番で2ndに突っ込んだ形になります。間違いや的外れな記述があってもご容赦ください。
もっとも、今回が初めての大会系イベントの開催ということもありMDのカードプールとリミットレギュレーションを突き詰めた場合どんな環境になるのかということ自体への研究がまだ進んでいなかった印象なので、どうあれ机上論での考察にならざるを得なかった気はします。
まず環境を考えた時、まず間違いなく勇者系統のデッキを中心とした圧倒的な先行有利環境であり、先行を取れた際にしっかり勝ちにいけることを大前提とした上でどこまで後攻で抗えるかを競うゲームになると考えました。
当初はその中でも先行展開の最大値が高く多少の妨害は踏み越える展開力があり一滴での捲りすら許さない【天威勇者】が頭一つ抜けてるかなーという印象でした。実際にDC開催の告知があったタイミングでは環境トップとの声も大きかったと思います。
しかし、注目されるとメタの対象になるのがカードゲームの常。
これに対するメタデッキとしてラー球やラヴァゴを積んだ【エルドリッチ】が話題になり、先行展開通せばほぼ勝ちなのが強みだと思っていた【天威勇者】への信頼度はだいぶ落ちます。
そこで自分も【エルドリッチ】で天威勇者等をメタる側に回ることも考えたのですが、そのプランを通すには【エルドリッチ】が注目されすぎており、メタるはずのデッキが数を減らして逆に【エルドリッチ】がメタ対象として意識されるのではないかと思ってやめました。
とはいえ【エルドリッチ】へ有効な魔法罠破壊カードは他のデッキに刺さりづらいという難点があるため、【エルドリッチ】に弱いデッキがメタ札を取り入れ始めるというよりはメインギミックで【エルドリッチ】にある程度有利を取りつつ他のデッキにそう簡単に捲られない盤面を作れるデッキが強くなると考えました。
その一つが継続的に永続罠を割れる電脳堺門-朱雀を擁し、先行で最強制圧モンスターVFDを立てられる【電脳堺】で、今回のDCの最適解の一つだったと思っています。
ただ、自分で【電脳堺】の展開ルートをマスターするには練習の時間が足りないと感じたのと、後攻の際に抗うことを考えるならある程度誘発を積んだデッキを使いたいと考えたので使用は見送りました。
ここまでで、
①先行でほぼ勝ちにいける強い盤面が作れる
②【エルドリッチ】に強いギミックを持つ
③ある程度誘発を積むスペースがある
という条件を考えたわけですが、これを全て満たす夢のようなデッキは存在しません。もしかしたらどこかにあったのかもしれませんが、自分は思いつきませんでした。
そこでどの条件を妥協できるかを考えた時、大体のデッキが先行で勝つことに注力して後攻の捲りへのウェイトを落とすのであれば、多少先行盤面のパワーが落ちても大丈夫な場合が多いのでは?と考えました。
そこで最終的に選んだのが【勇者プランキッズ】です。
このデッキのギミックで先行で作れる妨害は基本的にハウスバトラーによる相手モンスターの全破壊×2回になります。
【天威勇者】や【電脳堺】に比べると貧弱な盤面ではありますが、決して弱くはありません。それに、展開途中で手札の入れ替えとドローを挟むため、誘発や勇者ギミックで追加の妨害を加えやすく見た目以上に強固です。
さらに、妨害を立てながら盤面に下級を残すことができるので、捲られてもライフとリソースは残せることが多いのも強みです。
【エルドリッチ】に対しては、スキルドレインの影響をあまり受けないこと、魔法罠を全て破壊するロアゴンの存在、泥沼化した時にプランクによってリソースを伸ばしながら羽根帚を探しにいけることなどから有利に出られます。後述しますが御前試合と群雄割拠をケアできる動きがあることも強みです。
デッキのスロットも多少空きがあるため、環境の動きを見て誘発などの採用札を入れ替えることも可能です。今回は最終的に誘発9枚のものを使っていました。
加えてもう1点、このデッキにはDC形式ならではの強みがあります。
それはプランキッズ下級全てが1枚初動であり、どれを引いても同じ展開ルートに乗れるということです。
持ち時間が普段より少ない300秒かつ、ひたすら対戦を繰り返していくDCにおいて展開ルートを考える手間が少なく思考時間が減らせるというのは決して小さくないメリットだと考えています。
例えば【天威勇者】の場合、手札に来たモンスターの組み合わせから展開ルートや最終盤面をその都度考えることになると思いますが、プランキッズは下級の種類を気にする必要がほとんどなく、せいぜい手札のプランキッズの枚数が1~2枚の場合と3枚以上の場合くらいでしか基本的に先行展開のルートが変わりません(あくまで自分の場合ですが)。
また、素引きした場合にルートが潰れるというケースもないので簡単です。
どんな手札でも淀みなく回せる練度があれば難しいデッキでも問題ないのでしょうが、DCは疲労と緊張が普段以上なのでいつもなら有り得ないプレミをする可能性が否定できません。少なくとも僕のようにあまり練度に自信がない場合は動きが複雑ではないというのはDCにおけるデッキ選択において無視できない要素だと思います。実際DC中タイムアウト負けは一回もなく、持ち時間が30秒切って危なかった試合が一回あったのみでした。
使っていた構築と戦績
構築
これが実際に使っていた構築です。
特筆することのない普通の勇者プランキッズかと思います。途中で多少入れ替えたりはしましたが、ほとんどの試合はこの構築でした。
誘発枠はGとうらら3枚は鉄板として、他は飛んでくる事が多かった誘発を抹殺用に1枚づつ入れる形に落ち着きました。
エクストラの餅カエルの枠はリンクスパイダーの2枚目にしている人もいて、確かに原始生命態トークンや勇者トークン、プランキッズトークン2枚からアナコンダを立てたいケースもあったので難しいですがエルドなど相手に結構活躍してくれたので自分は餅派です。
たまにデスフェニ出張を採用している方も見受けられ、実際動きが止められた時にリンク2から最低限の妨害を作れるのは魅力的ではあります。
ですが、プランキッズの場合アナコンダをハウスバトラーを出すのに使いたい点や手札に来たDをロックで飛ばすとギミックがまるごと腐る点などから採用するデメリットの方が大きいと思ったので不採用です。
戦績
戦績は以下の通りです。
記録には配信者の方が配布していたGoogleスプレッドシートのファイルを使わせてもらいました。気になる方は「マスターデュエル 戦績入力シート」とかでYoutube検索すると多分出てきます。
データを取るとデッキの相性や自分のコイン運が顕著に見えてきたりして面白いのでおススメです。
ここで気づかれてしまったかと思いますが、一番の勝因はコインが表に上振れたことです。運だけのカスです。まあ自分から後手取ってくる相手に当たった試合を考慮するとコイン勝率は51%くらいだと思いますが、コイン勝てる側の人間で本当に助かりました。
とはいえエルド相手に勝率稼げたり割と後手でも5割近く勝てたりしたので事前の計画は概ね達成できた気がします。
電脳相手の勝率が低いのは後攻を多く引かされたせいで、極端に不利相性というほどではなかった気はします。先行なら勝って後攻なら負けって感じでした。多分もっと回数重ねると微不利くらいに落ち着く気がします。
相性不利を感じたのは数は少なかったですがシャドールとか十二獣で、特に十二獣に一度アーゼウスを成立させられたらもだえ苦しんでました。主にリソースが残るのが盤面かつ下級召喚に妨害を食らうのが致命的なこのデッキはアーゼウスが本当に辛かったです。
一方で幻影勇者や天威勇者には後攻からでも割と勝てました。運良く相手が事故ってくれたのもありますが誘発刺さって止まってくれたり一滴で捲れたりしたケースも少なくなかったです。天威はともかく幻影に関しては霧剣が効きづらいことなどから相性有利だった印象です。
なんかミラーは死ぬほど事故って負け越したので同業者にだいぶDP献上してます。歴戦のプランキッズ使いは相手の手札にプランキッズが来ないようにする能力でもあるんでしょうか?
DP推移はこんな感じでした。
伸び悩む時間はあったものの大溶かしすることはなく、概ね順調にDPを伸ばせました。連勝で一気に2万帯から3万帯へ抜けられたのはかなり大きかったです。
途中2万前後を彷徨っていた時に凄まじい数のふわんだりぃずの群れとエルドリッチの軍勢に襲われ精神に異常をきたし、幻影勇者が有利取れるんじゃないか?と血迷ってパックを剥きに行くも引きが悪すぎて冷静に返るということがありましたが本当に正気に戻れて良かったです。(経験上思いつきで練度の低いデッキに手を出すKC形式は必ず悲惨な結果に終わります)
実際にやってた展開ルート
先行の基本展開
主に下級1枚からバウワウ+大暴走+下級+プランクを構えるテンプレ展開をしていました。こんな感じのやつです。
他にもアナコンダからハウスバトラーを出すルートなどもあるのですが、単純に通った時のリターンが一番大きいのと、アナコンダは返しのターンで使いたい場合が多いと思ったので基本的にこれをやっていました。
ただしこの展開の致命的な弱点が、バウワウの効果に墓穴を撃たれると何もできないという点です。なので、それ一手で詰んでしまう場合はアナコンダハウスバトラーで構えていました。
具体的には、抹殺の指名者やグリフォンライダーなど墓穴を無効に出来るカードがなく、かつ増殖するGなど他の墓穴を食らいたくないカードも持っていない場合です。後者に関してはバウワウ通らなくても代わりにG通れば止まってくれるだろうしセーフという理論です。
加えて、手札に下級を1枚握っている場合も、バウワウが通らなくても最悪ウェザーが出せるからセーフくらいの気持ちでこっちの展開に行ってたので大体こっちのルートでした。
例外がニビルを初手に握っている場合で、大暴走を撃つとプランキッズしか出せなくなりニビルが撃てなくなるのでアナコンダハウスバトラーに行っていました。この制約を忘れて手札のニビルを眺めながらほくそ笑んでいると相手が5回目の特殊召喚をしたのにニビルが光らず激しく狼狽する羽目になります(一敗)。
この展開をする際に心がけていたのが、最終的にバウワウと一緒に場に残す下級はランプorパルスで、ドロップが手札に1枚デッキに2枚残るようにすることです。そして相手ターンに大暴走を撃った時に場に出す下級をドロップ2枚+何かにします。こうすると、下級が処理されずに場に残った時にドロップ2枚から餅カエルを作れるので相手の妨害を1枚対処できます。このルートに限らず、餅を採用している場合下級の価値が若干ドロップ>その他になるのでちょっぴり大事にした方がいいと思います。
勇者ギミックに関しては、このデッキだと展開に絡まないので単純に引けたらラッキーで置いとく枠です。一応たまーに勇者からアナコンダ作ってハウスバトラー出したりすることはありました。
旅路で下級効果へのうららケアしながら5回目にグリフォン出してニビルケアできる噛み合い方は偉い。
ロアゴン展開
上記のバウワウ+下級+大暴走に追加でロアゴンを立てるルートです。
魔法罠の全破壊が追加されるのでエルド等の伏せてくるデッキに強く、勇者ギミックにも旅路を破壊して妨害ができます。
これが可能になる条件は手札に下級が2枚or下級+大暴走の場合なのですが、実際にこれに行くのは下級3枚以上or下級2枚+大暴走の場合だけでした(理由は後述)。
具体的な手順は以下のような流れです。(下級3枚の場合)
大暴走を引いている場合はドゥードゥルで大暴走の代わりにハウスサーチして下級持ってくるだけで後は一緒です。
ドゥードゥルで回収するのをプランクの代わりに下級1枚にすればこのルートは下級2枚で成立するのですが、相手によっては大した妨害にならないロアゴンを無理して立てるより、プランクでリソースの回収とドローを行う方が優先度が高いと思います。あくまで手札でプランキッズが固まった時に妨害に変換するくらいの感覚です。それもプランキッズは展開の途中でロックによる手札交換が入るため、下級2枚なら1枚を交換用に充てた方がいいと思います。
とはいえロアゴンは刺さる相手には滅法強く、墓地効果もなんでも回収と非常に優秀なため余力があるならこの展開ルートに行く価値は十分あるかなあと。
後攻でキル取りに行く動き
後攻で相手が事故ったり誘発で止まった場合に狙いにいく動きです。
・下級1枚から4000ダメージ作るルート
これで500(アナコンダ)+3000(ハウスバトラー)+500(ランプのバーン)で4000ダメージになるため、勇者と合わせるなどするとワンキルが成立します。最初の下級がロックの場合は1回余分にドゥードゥルかバウワウを経由します。ドゥードゥルのサーチをハウスにすると打点が上がるので5000まで削れます。
・下級1枚から6500ダメージ作るルート
これで2000(バウワウ)+4000(打点上昇ロアゴン)+500(ランプのバーン)で6500ダメージです。多分下級1枚から出せるダメージの中では一番高いのかな?アナコンダ等でLPを払った相手を削りきれます。
・下級2枚から実質ワンキル
これで2000(ドゥードゥル)+2000(バウワウ)+3000(打点上昇ロケット)+500(ランプのバーン)で7500ダメージです。さらに、殴った後ドゥードゥル効果でランプと大暴走を回収すると、相手ターンに大暴走を撃つことでランプ効果の500バーンで8000削りきれます。
・下級+大暴走でワンキル
上記ルートのドゥードゥルのサーチをハウス経由の下級に変えるだけです。こちらの場合ハウスで打点が上がるのでそのターンで8000削り切れます。
実際には相手の妨害を踏みながらの動きなので綺麗に後手ワンキルすることはそう多くなく、ワンキル通せそうな場合でも相手が途中でサレすることが多かったのですがライフ削る動きを覚えておく価値はありました。
対エルドの御前割拠ケア
基本展開の相手ターン大暴走を構えた際、相手が魔法罠だけ大量に伏せてメイン終了宣言した場合はハウスバトラーではなくパルスとランプを素材にウェザーを出してドロップ2枚特殊召喚してました。
これをやると手札にドロップ1枚場に2枚になるので、御前と割拠の影響を受けないまま次ターンに餅カエルを作れます。そうすると相手のエルドリクシルを餅やうららで止めながらビートしてるだけで勝てたり、羽根帚への勅命をケア出来たりします。
今思うとメイン入る前にエルドリクシル撃たれると突破出来なくてキツいんですけど一回も撃たれませんでした。多分その場合はドロップ召喚してむりやりロアゴン立てに行くとかします。
そもそも特に嫌な永続が開かれなかったらリソースが有り余ってるので大体どうにでもなります。
DC楽しいから皆走ろうぜって話
この先はDCを走った感想になります。
先述したようにDCにかなり近い形式のデュエルリンクスにおけるKCカップというイベントが好きなのでデュエリストカップも絶対に楽しいはずだと思って参加しましたが、実際めっちゃ楽しかったです。
普段のランクマと何が違うの?って思う方もいるかもしれませんが、実際走ってみると全然違うことが分かるかと思います。
まず大前提として、参加者の本気度が段違いです。
デッキが強いことはもちろん、勝ち進んで上のDP帯に行けば行くほど相手のプレイングが格段に上手くなるのが感じられます。
ランクマッチだと先行で少し長めの展開をしたり環境デッキの初動を見せた瞬間相手がサレンダーすることも少なくないかと思いますが、DCだと向こうも必死で勝ちたいという思いで戦っているのでそう簡単に諦めてきません。
そんな中だからこそ自分自身の本気度も違います。負けが込んでも精々降格するくらいのランクマッチと違って、目指すラインがある時に負けてDPを失うことは死活問題なので、一戦一戦に熱が入ります。
普段のランクマッチだとガチガチの環境デッキを使ったり長い展開をすることになんとなく引け目を感じるような人もいるかと思います(僕がそうです)が、このイベントだとそんな事を考えている場合ではないので一切引け目なく全力をぶつけられます。
ランクマで即サレされると勝てた嬉しさというよりなんだかなあという気分になりがちなのですが、DCで即サレされたら雄叫びをあげて神に感謝します。そのくらい普段とテンションが変わるのです。
また、そうして本気で戦う中で自分自身が成長していくのが実感できます。この対面だと○○するのが強いはずだ、このカードを使われた時今までは△△をやっていたけど実は××をした方がいいんじゃないか?というような気づきが幾度となくあります。相手の動きを見て、ここはこういうプレイが強いのか!という学びを得ることもあれば、じゃあそれに対してはこんなプレイをすると効果的なんじゃないか?というものを思いつくこともあり、それを互いに繰り返していくのでどんどんプレイングが最適化されていきます。
どんなゲームでも続けて上達していく自分を感じるのは楽しみ方の一つだと思いますが、短い期間内で対戦数を重ねていくこの形式は、それを濃く味わえるイベントだと言えるでしょう。
さらに、カードゲームにはメタが回って環境が変化するという現象がありますが、それが他に類を見ないほど高速で行われるのがこの形式特有の面白い点です。
今回で言うと【天威勇者】が事前に話題になりすぎたせいで【エルドリッチ】をはじめとしたデッキに強くマークされ、その【エルドリッチ】に強く出れる【電脳堺】が多く入賞する結果となります。
さらに、その【電脳堺】に強かったらしい【エンディミオン】や【勇者十二鉄獣】が上位に食い込む(この辺のデッキには僕の理解度が追い付いていないので実際どの程度電脳に強かったのかは分かっていませんが)など、メタゲームがしっかり回っていたと言っていいでしょう。
また、話題性によって流行するデッキが出てくるのも面白い点で、下馬評はそう高くはなかったものの途中まで1位だった人が使っていた【ふわんだりぃず】、有名配信者が使ってDPを稼いでいたらしい【シャルル型勇者GS】などが急に数を増やす時間もありました。
こういう流行の変遷は紙の環境だとCSの結果などを参考にして徐々に変わっていくものだと思いますが、この形式の場合72時間中にそれをリアルタイムで感じることが出来て面白いです。
他に個人的に面白いと思っているのが、単純なデュエルの上手さ以外に、イベントの走り方が割と重要な要素になってくる点です。
単純に一定以上DPを稼げばいいというものではなく、自分の目標とする順位のDPが今現在どのくらいで、最終的にどのあたりに着地するかということを見極めながら走る必要があります。
加えて、先ほど述べたように時間帯により流行りのデッキが変わったりするので、今現在の環境をしっかり把握することも大切になってきたりします。
そんなわけで当然ある程度時間を取る必要はあるのですが、勘違いして欲しくないのが単に時間をかければいいというものではないという点です。
暇人決定戦などと言っている方もいましたが、暇なだけで勝てるほど楽なゲームではないですし、逆に必ずしも時間いっぱい走る必要があるわけでもありません。自分の場合も今回金曜と土曜の午前中はほとんどやれてないですし、期間中は0時前に寝て8時前に起きる普段通り(むしろいつもより多少健康的)の生活をして、なんなら友人に誘われてAPEXしたり喰うか喰われるかのDCの空気に充てられて突如仮面ライダーアマゾンズを見返したりしていました。
期間中ずっと勤務日の人なんかは上位を狙うのは難しいかもしれませんが、2日休みあれば銀は全然狙えると思います。
大事なのはむしろメンタルと体調の管理で、負けがこんで来た時に思い付きで構築やデッキに手を加えだす、明らかに集中力が落ちてきているのに無理してデュエルを続けるといった行為に走りDPを溶かす光景をKCカップで自他共に何度も見てきました。
そういった諸々を含めた単純なデュエルの上手い下手とは別の「KC形式を走る技術」というものはリンクス勢の中に確かに存在し、DCにも流用できるものでした。
もしかするとこの要素が純粋なゲームの腕を競う上でノイズになってしまうという意見もあるかもしれません。
ですが、これがあるからこのイベントは自分で走っても配信などで人の走る様を眺めていても面白い独自の空気感があると思っています。
ここまで主にKCの経験を元にDC形式の面白さを語ってきましたが、KCとDCでは若干の食い違いを感じる点もありました。
システム面の細かい違いやクロスプレイ問題など色々ありましたが、特に大きかったのが「なんかこれ参加者少なくない?」という点です。
マスターデュエルがリリースされてはや半年以上、現役で遊戯王をやっている人、元々遊戯王を遊んでいた人、これを機に遊戯王に興味を持った人など多くの人がこのゲームに触れたことと思います。
もちろんゲーム性の複雑さ、特殊さから肌に合わずに引退した人も少なくないでしょうが、それでも今なお話題性と一定数のプレイヤーがいて盛り上がっているゲームのはずです。
そんなマスターデュエルで、サービス開始以来初の競技イベント。
これはさそがし盛り上がって上位争いは白熱するに違いない、自分じゃ銅アイコン取るのも厳しいかもしれないぞ…と思って臨んだ2ndステージ、実際に始まってみたらランキングを見ても思ったほどDP伸びてないしあんまりDCの話題も盛り上がっていませんでした。
もちろん本気で上位を狙ったプレイヤーがいて熾烈な争いを繰り広げたのは間違いないのですが、そういったプレイヤーの絶対数は少なく、いいとこジェムが貰える1st突破に行ければいいやそれ以上やってられるか、くらいの熱量のプレイヤーが対多数だった印象です。
デュエルリンクスにおけるKCカップというイベントは、プレイヤー間の中で自分の実力を示すイベントとして定着しており、他のイベントとは一線を画した存在です。KCカップで銀アイコンや金アイコンを取ることが憧れであり目標でありゲームを続けている理由というプレイヤーは決して少なくないはずです。
思うに、デュエリストカップに対しては、そのような意識がマスターデュエルのプレイヤー間に共有されていないのだと思います。
別にそれ自体は良いことでも悪いことでもないと思うのですが、どうしてももの足りなさと寂しさは感じてしまいます。
だからと言ってみんな死ぬ気でDC2nd走ろうと言いたいわけではありません、プレイヤーによってプレイスタイルは異なるでしょうし、異なっていて然るべきだと思います。
ただ、もしこのイベントに対して「なんかよく分からないけど大変そう」「結局暇人が勝つんでしょ」「ちょっと興味あるけど自信ない」みたいに思って参加しなかった人、もしくはちょっとだけやったけど途中でやめちゃったような人がいたら、是非一度自分で目標順位を決めて本気で参加してみてください。
全員この形式が気に入るに違いないとは言いませんが、走ってる最中は苦しくてたまらないのに数日後には気づいたら次回DCの開催を心待ちにしているタイプの人間が一定数潜んでいるはずです。
最後に
改めて、第1回デュエリストカップお疲れ様でした。
こういうイベントは走っている最中も楽しいですが、後になって思い出話に花を咲かせるのも楽しいものです。
しばらく経った後、あの時はこんな環境であんなことがあったなあと思い返せるようにこの文章を書きました。
つまるところ自己満足の記録に過ぎないものですが、何かの参考になったという方やDCに興味を持ってくれた方がいらっしゃったら幸いです。
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