DC2024Sep記録 粛声についての所感と反省点
デュエリストカップお疲れ様です。
自分は【粛声】を使って84位でした。
前に銀アイコンを取ったのが2023年の10月、ここでまた銅だと1年空いてしまうのが何となく嫌だったので無事銀を取れて嬉しいです。
せっかくなので日記がてらに構築と感想等を残しておこうと思います。
デッキ選択の理由
好みに合うデッキの中で一番強そうだったからです。
あまり先攻で大量の妨害を用意しまくって制圧する展開系のデッキが性に合わず、コンパクトな妨害を相手のマスカンを見極めて撃ち、勝てれば俺上手いなーという気になれるし負けたら相手の引きが強すぎるせいにできるミッドレンジ系のデッキが好みなので粛声はちょうど手に馴染むタイプのデッキでした。
とはいえせっかくDCを走るからには勝ちたいので勝算が見出せなければ別デッキを握ることも考えました。
特に懸念だったのが、おそらくシェア上位2つとなるであろう炎王とユベルに粛声で勝ち越せるのかという点です。
前者は除去手段が多く粛声の強みであるリソースとなる永続魔法に簡単に触れること、後者はローガーディアンの攻撃力が4050と高いことでナイトメアペインの効果で後攻でも簡単にキルを取られてしまうことから、粛声が不利を取る対面ではないかという恐れがありました。
しかし、軽く調整段階で回したり各所で行われているDCを意識した大会等の結果を見る限り、ちゃんと展開が通ればそうそう捲られることはないし、誘発の枚数と誘発受けの面も考えると明確な不利はつかないかなという印象になりました。
一方で明確に不利がつくと考えたデッキも存在しており、それがティアラメンツ系統のデッキと烙印です。
妨害の数自体は少なく相手のマスカンを見極めなくてはならない粛声にとって、ランダムな墓地送りから突然止めなくてはならないポイントが増えるティアラメンツは戦っていて非常に嫌な相手です。
烙印はマスカン自体は烙印融合というこれ以上なく分かりやすいポイントがあるのですが、アルバスの落胤やクエリティスの効果を先に使われれると盤面が崩壊するため先にローガーディアンの効果を使わされたり、ローガーディアンの妨害が効果無効ではなく発動無効なので烙印融合を止めても断罪等で回収されて2回目を撃たれたり、失烙印を貼る動きへの妨害を強要されたりと全体的に苦しいシチュエーションが多い相手でした。
ただ、この2デッキの数自体はそこまで多くないと予想され、不利を取ることが致命的にはならないと判断しました。
逆に粛声側が明確に有利が取れる対面ですが、これはパっと思い浮かばないです。強いて言えば魔法罠に触りにくいR-ACEやサウラヴィスが重いセンチュリオンやサイバース系?
ただ、粛声というデッキは誘発枠が多い、誘発受けがいい、万能無効が構えられる、対象耐性と祈りで盤面が固い、永続リソースでロングゲームに対応できる、特定のメタカード1枚で詰むことが少ない等々、そもそものパワーが高い上で目立った弱点がないため大体のTier3以降のデッキにうっすら有利という感じのデッキです。
特殊なメタカードやとっておきのプランでTier1に勝ち越そうとする雑多な対面にひたすらマジレスを仕掛けて勝ちます。
総じて、最大手であろう炎王とユベルには五分程度の戦いが出来、ティアラと烙印には不利がつくものの、他のデッキに概ね勝ち越せるのであればトータルの勝率は担保できるだろう、という考えで粛声を使うことに決めました。
構築
使用した構築がこれです。
自分より上の順位の粛声もたくさんいるし構築に大して自信もないので深く解説等はしませんが、いくつか採用が人によって分かれるポイントなどについて自分の考えを書き出します。
デッキ枚数
誘発14枚の43枚構築です。
そもそもはニビル2枚と下準備1枚が入っていなかった40枚構築だったのですが、強初動や誘発ケア展開の確率を上げてくれる下準備というカードがとにかく強かったので増やしたところ下準備やサフィラが2枚以上被るハンドがまあまあ多かったのが気になってしまい、同じカードを複数枚引く確率を下げつつ誘発を引く確率を上げるために若干膨らませることにしました。
原始生命態ニビル
膨らませる際の誘発としてニビルを選んだのはレベル7以上の光モンスターなので下準備と合わせて初動になる点が大きく、かつTier1の炎王スネークアイやその他の雑多な展開系対面に一定の効果があること、Gつっぱしてワンキルを取ろうとする動きを咎められることを評価したからです。
ただ、お手軽誘発ケアのファンユベを擁するユベル対面や早い段階で万能無効立ててくるわそもそもそんなに特殊召喚しないわの粛声ミラーだと役割が薄いカードにはなるので、そのあたりが増えてきた中盤以降のタイミングからは別のカードに代えるべきだったかもしれません。
PSYフレームギア・γ
調整当初はこれを入れて回していたのですが、確かに強く使える場面が多い反面、上手い相手だとケアされることもまあまあ多いのと、先攻で展開した後に使えなくなる点に不満を感じて抜きました。
特に後者に関しては、1枚初動からローガーディアンの1妨害しか構えられないときもままあるこのデッキにおいて先攻展開に添えられないという点が致命的に感じる場面が多かったです。
ただ、通ったときのパワーは他の誘発に比べても高いため採用する選択肢も全然ありだったとは思います。
オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン
強展開の際の選択肢は、このカードを採用して魔法無効を添えるかサウラヴィスの2枚目を採用してチェーンに乗らないSSを止めるかの2択になるかと思います。
自分はミラーや烙印などサウラヴィスが刺さらない対面も多い一方で魔法無効はどの対面にも一定の役割があること、祝福で相手ターンに儀式召喚を行って威光を構える動きをした際の墓穴ケアを考えこちらを採用しました。
ただ、ユベル対面を考えるとサウラヴィスを構える動きの方が強かったとも思うのでここは要検討です。
墓穴の指名者
粛声はこのカードに頼らずとも誘発の貫通に優れているため採用しないという理屈も分かります。
ただ、今回の環境においては単なる誘発ケア以上に追加の妨害や後手の手数、相手のリソースへの対処として墓穴が強かったので採用しました。
特に対炎王はこのカードの有無で大きく勝率が変わると思います。
リングリボー
イヴリース型のユベル対策として採用されることがあるカードですが、実際調整段階で試したところイヴリースを処理出来ても残った妨害に対応しきれず負ける試合が多かったので焼け石に水だと思って採用を取り止めました。
実際DC中リングリボーが入っていれば勝てたなあという場面はなかったのでこれで良かったと思います。
ただ、代わりに入れたダルクもほとんど使わなかったのでEX枠の選択はまだ議論の余地が大きいです。
戦績と対面相性についての所感
DC2ndでの対面別の勝率データは以下のようになりました。
これを元に各対面との相性についての考えを書き出します。
大前提として今回自分は積極的にペンデュラムグラフを立てに行くプレイをとっていました。
仮にサウラヴィスを優先するプレイや構築をしていた場合、対面相性が変化すると思います。
具体的には炎王やミラー、ティアラメンツ相手にはペンデュラムグラフ、ユベルやセンチュリオン、スプライトやサイバース系統のデッキなどにはサウラヴィスを立てに行った場合の方が勝率が上がるはずです。
実際サウラヴィス2枚採用でペンデュラムグラフ非採用の構築で銀アイコンを取得した方がX上で対面別で勝率を公開していたのですが、ユベル相手の勝率は自分のものより明らかに高く、一方で炎王やミラーの勝率は自分の方が上でした。
もちろんデータの絶対数が足りていないので一概には言えませんが、明らかに有意な差があるはずです。
自分がペンデュラムグラフを優先した理由は、サウラヴィスがあまり機能しない相手は一定数存在する(ミラーや烙印など)が、ペンデュラムグラフの魔法無効はほとんどの対面に一定の効果が見込めると思ったからです。
そもそもこのデッキの広い対面に有利が取れる点を評価していたので、相手ごとに強さが大きく分かれるサウラヴィスを出すのに抵抗がありました。
ただ今になって振り返ると、特に中盤以降想像以上にユベルが数を増やしたため、そこに狙いを絞る意味でサウラヴィスを優先する構築の方が良かったかもしれないとも思います。
対ユベル
ユベルの先攻展開がフルで通ってしまったらまず無理ですが、こちらの先攻展開は相手の手札がめちゃくちゃ強いと捲られる場合もあります。
誘発を喰らった後の妥協盤面くらいならお互いに突破出来るパワーはありますが、ペインで簡単なキルルートがある分この点でも若干ユベル側に軍配が上がるか。
ただ、誘発受け自体はこちらの方が上な分でトータル五分くらいかなーといった印象。
サウラ型だと先攻展開をまず捲られなくなるので微有利〜有利くらいまで行くのかも。
対炎王
こちらもお互いに先攻展開通っちゃったら無理の対面です。要は先攻ゲー。
サウラや墓穴が絡めば以外と炎王の盤面を返せるところまでは行けたりするのですが、その上でライフを削り切るのは難しく返しのターンで残った墓地原罪宝等のリソースを捌き切れなくて負けるパターンが多かったです。
今回自分の構築は墓穴やニビルなどある程度炎王を意識したものになっている分で勝ち越せていると思います。
対粛声
これも当たり前に先攻ゲーです。現代遊戯王がある程度そういうもんだから仕方ないけど。
ただ、先攻展開が突破出来なくて負けというよりは後攻側もある程度の盤面は作れるけど先攻側の永続リソースに圧殺されて結局負けという試合が多かった印象です。
対ティアラメンツ
前述したように不利対面…のはずなのですがなんか勝ち越してます。
ただの上振れかとも思ったのですが、有志がある程度の数を集計したデータを見てもなぜか勝ち越していたりするのでよく分かりません。
仮説を挙げるなら、無効系の誘発をフル投入している分でティアラ側の手数が追いつけない場合が多いということなのかもしれないです。
対烙印
これも前述したように不利対面で、こちらはしっかり(?)負け越してます。
不利な理由も先ほど述べた通りですが、他にもミラジェイドの処理が面倒、威光もサウラも刺さりが悪いなど苦手な理由を挙げればキリがありません。
サウラ型だとさらに無理だと思います。
対R-ACE
妨害がほぼ対象を取るので先攻展開が通って結界の対象耐性が生きていればほぼ捲られません。後攻でもウーサがいないならサウラを絡めれば割となんとかなります。
多少グダったゲーム展開になってもR-ACEは魔法罠に触り辛いため永続がリソースとして機能し、概ね有利に立ち回れます。
総じて有利対面と言って良いのではないでしょうか。
DCを走った感想
なんとかとりあえずの目標だった銀アイコンの獲得には成功したものの、またしても終了時間ギリギリでなんとか銀ボーダーに引っかかるパターンで一向に進歩がないのは反省点です。
一度は取れる取れないに関わらず金アタックをしてみたい気持ちはあるのですが先は長そう。
今回は走っていてDPを大溶かしすることはなかったものの一気に盛れるタイミングもなく、じわじわと上げ続けて銀に到達、という感じのDP推移でした。
粛声というデッキの性質上、極端な上振れが起こりにくい点、どうしてもロングゲームになりがちで試合数をこなしづらい点、相手のマスカンをちゃんと見極めなくてはならないので疲労が大きい点などが若干ネックになっていたようにも思います。
ある程度の勝率を出す、銀を狙うという目的の上で粛声というデッキ選択はそう間違ってはいなかったとは思っていますが、さらに上を狙うなら回転率や走りやすさ等も考えたデッキ選択が必要なのかもしれないと考えさせられたDCでした。
それでも粛声というデッキは使っていて楽しく、かなり気に入ったデッキなのでこのデッキで銀が取れて嬉しいです。
未来に控えているであろう天盃龍やデモンスミスの実装によってこのデッキがどういう立ち位置になるかは分かりませんが、機会があればまた活躍させたいと思います。