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香しい匂いは太古の匂い
どこからともなく、けむりの匂いがします。煙が漂っているというより、言われれば気が付くぐらいのわずかな匂いです。おそらくどこかで何か燃やしているのしょう。それは、プラスチックなどの化学物質ではないことは匂いから明らかです。葉や草でもなく、おそらく木ではないかと思います。煙の匂いが、かすかにでも空間に漂うと、自然あふれる、懐かしい感覚に満たされます。
さて、この匂いを懐かしく思うのは何故でしょう?よく言われるのは、「DNA」の仕業です。人間が他の動物と違うのは火をある程度操れたことだと言われます。火を扱うことで、外敵から身を守り、寒さに耐え、食料を調理することで、食べることができるものを増やました。まさに生き延びるために大きく役立ったものが火なのですね。その遠い記憶が、火の匂い=煙=生き延びることができる安堵という図式で、「いい匂い」と感じるわけです。
焚き火は良いですね。パチパチとはぜる音、火から感じる熱、そして匂い。そこで調子したものを頬張りながら、たき火を囲んで談笑するひと時は、何物にも代えがたい喜びがあります。煙の匂いや火を好むのは、先天的な刷り込みがあるとはいえ、後天的な、そのような喜びのひとときの経験もそうさせているのでしょうね。
ところで、火に触れる機会の少ない、最近の子どもたちはどう感じるのでしょう。後天的な経験は少ないはずです。一時期は、「マッチが擦れない子ども」という言い方をしていましたが、最近は、ライターの扱いもわからない子どもがいます。致し方ありません。しかし、焚き火を使ったイベントをやると、いつの間にか、子どもたちが火の周りに集まっていることは多いものです。火へのあこがれに似た感覚は、子どもたちにもあるのでしょうね。よく見ると、集まっているのは、男の子ばかりだったりしますが・・・。
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