浄法寺漆を知っているか。
漆に興味を持ち始めた人は、まずするべき事があります。そうです、「明日への扉」を見ることです。YouTubeで色んな職人のことを特集してます。
これを見れば、漆芸がどんなものなのかを知ることが出来るぞ。
浄法寺漆
浄法寺漆(ジョウボウジ)は岩手県の浄法寺町のウルシの木から採れた漆です。ただ、浄法寺町で採れたものだけではないので注意が必要です。
岩手の二戸浄法寺町だけではなく、岩手や秋田、青森の一部で採れた漆が浄法寺漆と名乗ることが出来ます。こんな感じで広い地域で採れるので、国内生産の7割を占めていますが、現実は悲惨です。
漆の産地
国内で使用されている漆の97%は輸入によるものです。安く仕入れられるなら、そりゃ外国産が売れますよね。
一方で国産漆は品質が良く丈夫です。その理由の一つに、採れた気候と同じ場所で使うことで、漆が長持ちする性質があるそうです。また、漆掻き職人の技術も漆の質に関係しているのです。
漆はウルシの木の樹液ですが、採取するタイミングを見極めるのが大切とのこと。採れた漆の質は、漆掻き職人によって変わるらしく、まさにこれは職人技です。
外国産漆を使った五寸皿の表面がパリパリに劣化し、例えるならテラスに塗られたペンキが剥がれたようになった事例を聞いたことがあります。
浄法寺漆 復活!滴生舎の誕生
天台寺
奈良時代に創建されたとされる天台寺は、浄法寺漆発祥地として継承されています。天台寺の僧侶は、日用品や寺の什器を漆を使って作り、二戸浄法寺町へと漆が広まったとされています。
小説家の瀬戸内寂聴さんが尼僧となり、天台寺の住職になった事もまた有名な話です。
滴生舎
そんな天台寺の麓にあるのが漆の制作・販売をしている滴生舎です。滴生舎で働くスタッフが漆器を制作しています。販売所から工房を見ることができ、運が良ければ職人が作業をしている様子を見ることが出来ます。
製品は100%浄法寺漆使用のものと、上塗りだけ浄法寺漆を使っているものがあります。当然、100%浄法寺漆を使っていると価格は高くなります。(2~3倍高いです)
浄法寺の製品は、人の手の温もりを感じられて好きです。
地域おこし協力隊 二戸市
二戸市の浄法寺漆に対する熱量は高く、漆に興味ある人を全国から募集してます。私は職人志望ではないのですが、日本の伝統工芸品を学び広めるのは価値があることだと思います。
漆芸を学びながら報酬が出る、魅力的ですね。笑
浄法寺漆を買ってみたよ
器紹介
滴生舎に行って器を買ってきました。今回は朱色と黒色の五寸皿を1枚ずつ。気に入った器は黒漆を使わない職人らしく、相談したら黒漆で作ってくれることになりました。
一枚6500円でしたが、これは上塗りだけ浄法寺漆の製品。100%浄法寺漆はもっと高いよ。
岩舘隆さん岩舘巧さん
今回購入した五寸皿は岩舘さん親子の工房で作られたものです。岩舘隆さんの父、岩舘正二さんは漆掻き職人で、40年以上かけて浄法寺漆を復興させた第一人者です。隆さんは漆掻きだけではなく塗師もしており、浄法寺塗唯一の伝統工芸士に認定されているそうです。
以前紹介した暮らしのうつわ花田にもありました。びっくり。
まとめ
二戸浄法寺町に伝わる伝統工芸品、浄法寺漆を紹介しました。1度手に取ると分かる、柔らかさを体験して欲しいです。
樹脂でできた安価な漆製品が広まっていますが、職人が作った生地を使った漆器は温かみがあります。そして、とても軽いです。漆から始まる優雅な生活。
浄法寺漆のお皿で、三時のおやつに和菓子を食べましょう。
今日も最後までありがとう。
また読んでね〜