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韓国化する原宿、韓国コスメの展開拡大…政治と相反する国内の韓国トレンド動向


 日韓の政治は先行き困難を極めている。この影響は大きく、観光庁が発表したところによると、韓国からの訪日客は8月、前年同月比48%減少した。7月の同7.6%減からも大幅な減少だ。しかし、韓国観光公社によると訪韓日本人はというと、8月は同4.8%増となっている。7月の同19.2%に比べればかなり鈍化しているといえるが、それでも増えているのはなぜか。

 韓国への訪問のみならず、日本国内でも韓国のコンテンツが消費され続けている。これまで、ペ・ヨンジュンをはじめとする第一次韓流ブーム、そして少女時代やKARA、東方神起が活躍した第二次韓流ブームは政治関係の悪化などで姿を消していったが、今の“サードウェーブ”はまだ消えていく気配はない。単なるブームではなく一つのカテゴリーに成長したことの証でもあるだろう。最近も韓国に関する国内の動きは顕著だ。

 ルミネ新宿は近年、韓国に関する店舗を増やしている。韓国発ファッション通販「ディーホリック(DHOLIC)」はルミネエスト地下1階に、系列の韓国コスメセレクトショップ「クリマレ(CREE`MARE by DHOLIC)」は同館3階に店舗を構え、昨年9月には韓国ファッション&コスメ通販の「イムブリー(IMVELY)」が国内初店舗をルミネ2の2階、入り口前という好立地に出店した。「イムブリー」は今年7月末に閉店したものの、それでもルミネが韓国から手を引くことはなく、今年秋のリニューアルではルミネエスト4階に韓国コスメ「イニスフリー(INNISFREE)」、ルミネ1に「セレクオン ビューティ(CELECON BEAUTY)」をオープンさせた。「セレクオン ビューティ」は韓国人ユーチューバーで日本でも絶大な支持を得る会社員Aが手掛けており、ブランドラインアップはほぼ「クレマレ」と近い。こちらも駅改札からすぐの地下2階という好立地だ。

人気ビューティーYouTuber「会社員A」が手掛けるビューティーセレクトショップ「CELECON BEAUTY」 がルミネ新宿 LUMINE1にオープン! - prtimes

 ルミネのみならず、若者を取り込むために韓国を取り入れようとしている所はまだまだ多い。東急百貨店が3月から展開する同社初のセミセルフ業態のコスメ専門店「シンクス ビューティー パレット(SHINQS BEAUTY PALETTE)」の取り扱いカテゴリー6つのポイントのひとつに「話題の韓国コスメ」を挙げており、「イッツスキン(IT’S SKIN)」「グーダル(GOODAL)」「メディヒール(MEDIHEAL)」「ミルコット(MILCOTT)」などを扱う。

東急百貨店の新業態コスメストア 話題の韓国コスメなど取り扱い52ブランドが決定 – WWD JAPAN.com

 竹下通りに位置する原宿アルタ(ALTA)は8月、1階に韓国コスメとK-POPアイドルグッズを扱う「スディ(Sudii)」をオープン。竹下通りには韓国ファッション&コスメ通販「スタイルナンダ(STYLENANDA)」やコスメ「エチュードハウス(ETUDE HOUSE)」2店舗が軒を連ねる他、原宿には若者ファッション「スピンズ」が韓国のカルチャー、トレンドアイテムを扱う「Chucla by SPINNS(チュコラバイスピンズ)」など韓国関連の店が多く、「原宿の韓国化」は多くの人、メディアが指摘するところだ。

 さらにサムライワークスは8月、韓国コスメ「ラビオッテ(LABIOTTE)」の日本における販売代理店となり大阪難波に1店舗目をオープン。また前述のルミネにもオープンした「イニスフリー」は昨年の日本上陸以来、東名阪をはじめ、10月には北海道に進出。オフラインでの韓国熱は全国的なものとなっている。

 オンラインでも韓国アイテムの販売は増えている。また韓国のプチプライスコスメ「スティモン(stimmung)」が10月に日本公式オンラインサイトをオープンする予定だ。アイテムはリップ、アイシャドウなどで、パウチタイプの少量使い切り。1つ500円という手軽さと日本にはない斬新さがSNSで間で話題となった。このように独自ECを立てずとも、最近ではQoo10などのモールを介して出店するケースも多い。「ヒンス(hince)」などもそういったブランドの一つだ。また韓国ドラッグストア大手の「オリーブヤング(OLIVE YOUNG)」は5月末に楽天市場に出店。9月には韓国コスメブランド「ジョンセンムル(JUNGSAEMMOOL)」が同じく楽天市場に公式店をオープンした。

 店舗だけではない。「ナイロン ジャパン(NYLON JAPAN)」は「M・A・C」とのタイアップにK-POPアイドルのIZ*ONEを起用し、「エスカワイイ(S Cawaii)」は表紙でIZ*ONEを起用し、「韓国のかわいいのすべて」と銘打っている。「セブンティーン(SEVENTEEN)」10月号は付録に「スタイルナンダ」とのコラボグッズを添えるなど、雑誌界はまだまだ韓国熱が高い。

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 このように、供給側の事象だけを見ても韓国熱はすさまじく、訪韓日本人が増え続けている理由の一端となっていることは間違いない。政治関係は見通しが立たない状況が続くが、需要は確かにあり続けている。

(文・臼井杏奈 / AnnaUsui


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