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『定食屋「雑」』原田ひ香

主要登場人物の最初の印象が悪かったのに、
読み進めていくうちに、
どんどん好きになっていく。
最後には大声で大好きだと伝えたいくらい、
頬が緩んだまま読み終えた。

夫の浮気を疑って、
夫がよく行く定食屋に偵察に行く沙也加、
定食屋で無愛想に甘ったるい料理を作る、
ぞうさんこと、みさえ。
主にこのふたりの視点から書かれた物語。
時々、常連客の目線もあって、
その不定期な感じが飽きがこなくて良い。
なんでもすき焼きのタレで味をつける、
雑な料理ばかり作ってるかと思いきや、
キメの細かい配慮の料理を出したりする、
何だか気取らない食堂で、
近くにあったら私も通ったかもなぁ、
なんて思ったりしました。
後半は、コロナ禍に放り込まれた、
不安定な店主の心が不憫でいたたまれなかった。
そう、あの頃は東京都民ってだけで、
罪人のような目で見られる世の中だったね。
「雑」や「ぞうさん」の由来もクスッと笑いました。

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#本好き

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