コンバージョン率の課題を解決! エントリーフォーム改善のヒント
Webサイトのコンバージョン率を改善したいという課題はあるものの、どこから手を付ければいいか分からないという方も多いと思います。
サイトの中でも、エントリーフォームを改修することでコンバージョン率を改善させることができます。しかし、改修の影響度が高く、場合によってはマイナスに働くリスクもあるため注意が必要です。
この記事では、エントリーフォームの改修でコンバージョン率改善を進めるためのヒントについてご紹介いたします。
エントリーフォームとは
エントリーフォームとは、「Webサイト上でユーザーの入力する情報を受け付ける仕組み」のことを指し、入力ページ~完了ページに至るまで複数の導線があります。多くの場合、図で示した通りコンバージョンの直前にあることから、そのサイトの成果を測る上で非常に重要な役割を担っており、改善することで、売上・成果に大きく影響する重要な導線といえます。
「コンバージョン率を速やかに改善するためには、エントリーフォームの改修が最適」などと、耳にしたことはありませんか? 実際にその通りではありますが、売上・成果に大きく影響する重要な導線のため、マイナスに働くリスクもあることを心得ておくことが必要です。
エントリーフォーム最適化(EFO)とは
EFOとは、Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)の略で、エントリーフォームの利便性を最適化することで売上・成果改善につなげる施策を指します。
エントリーフォームは、コンバージョン見込みの高いユーザーが集まる場所といえます。しかし、入力項目が多かったり、入力しづらかったりすると、ユーザーは大きなストレスを感じます。
本来、エントリーフォームは、ユーザーが企業を選ぶ際のコミュニケーションになるはずです。しかし上記のようなストレスをユーザーへ与え続けると、ユーザーは不安になり、最後には不審を感じ、最終的にフォームから離脱してしまいます。
エントリーフォームが使いにくいだけでも、ユーザーの信頼度はマイナスになり、一度でも不安・不審に思ったユーザーは二度と帰ってきません。そのくらい需要なページとなるため、改善施策を行う場合は、しっかりとした論拠と仮説をもって実行することが重要になってきます。
エントリーフォームをデータで分析する
論拠と仮説をもってエントリーフォームを改善するためには、以下3点に沿ってデータ・ファクトを確認していくことで、課題を発見することができます。
1. Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで現状を確認し、課題となる箇所を特定
2. 対象ページからの遷移行動を確認
3. 課題の要因を仮説立てる
1.Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで現状を確認し、課題となる箇所を特定
まずはエントリーフォームの中でどのページに問題がありそうなのか、データで確認します。
入力ページ・確認ページ・完了ページのような遷移フローになっている場合、どのページからの遷移率が最も低いのかを確認することで、改善すべきページが分かります。
アクセス解析ツールがGoogleアナリティクスの場合、入力ページ・確認ページ・完了ページのURLごとにページ別訪問数を確認することで、疑似的にフォーム遷移率を割り出すことができます。
もっと簡易的に確認する方法としては、「目標達成プロセス」が有効です。「目標達成プロセス」とは、Googleアナリティクス上で設定した目標(コンバージョン)に到達したユーザーが、どのようなページ内行動をしているのかを可視化するツールです。
あらかじめ管理画面で「目標達成プロセス」を設定しておくことで、行動傾向や離脱の多いページが直感的に確認できるようになります。
目標達成プロセスの確認方法:「コンバージョン」から「目標」をクリックいただき、「目標達成プロセス」を選択すると確認できます。
参考:https://gaiq.jp/ga/cv-process(株式会社アイクラウド Googleアナリティクスを学ぼう メニュー解説)
2.対象ページからの遷移行動を確認
対象ページからどのページへ遷移しているのかを確認することで、ページ行動の状況を把握することができます。そうすることにより主観ではなく、データから課題箇所を特定できるので、より的確な仮説を導くことにつながります。
3.課題の要因を仮説立てる
上記を確認することで、課題となっているページや、要因は突き止めることができたのではないかと思います。次はそのデータをもとに、どうすれば課題を改善できるかを仮説立てていきます。洗い出した仮説はリスト化しておくと、その後の検証が楽になります。
エントリーフォームでよくある課題
エントリーフォームでのよくある課題をご紹介します。記載したものがすべてではありませんが、まずはこの辺りを確認してみるだけでも改善に効果的かもしれません。
入力ページから確認ページへの遷移率が低い場合の課題
・入力項目が多くユーザーがストレスを感じている
・ユーザーフレンドリーな情報設計、コンポーネントになっていない
・入力内容が正しくなく何度もエラーとなり、モチベーションを低下させている
確認ページからサンクスページの遷移率が低い場合の課題
・「送信」だけに集中できる設計になっていない
・誤って「戻る」を押してしまう構造になっている
仮説をもっと補強するためには
より確実にコンバージョン率を改善するためには、以下の方法で分析精度を向上させ、仮説を補強することをおすすめいたします。
1.ヒートマップ等のページ内行動観察ツールを利用する
ヒートマップを活用すればユーザーのページ内行動が可視化できます。コンバージョンに至ったユーザーの行動と非コンバージョンユーザー行動の差分から、どこでユーザーの行動が終わっているのかを確認することができます。それにより、ユーザーの興味関心などを定性的な観点から読み解くことができるので、課題・仮説の精度が上がるでしょう。
2.補助機能ツールなどを利用する
入力項目の補助や、離脱を防止できる機能を活用するのもひとつの手です。しかし、業種業態、サービスによって最適な補助機能はさまざまですので、まずはツールなどでどのような補助が必要なのかを検証・確認していくとよいでしょう。
また、エントリーフォーム補助ツールを導入すれば、各入力項目単位の離脱数、エラー状況などをより詳細に特定することができ、さらに深い分析ができるため、仮説の精度が上がるでしょう。
最後に
エントリーフォームの改修は、コンバージョン率を改善させるために重要な導線です。課題となる対象が分かっても、慎重に改善を行うことをおすすめします。
大事なことは、施策をたくさん回すことや成功事例をまねて施策から進めることではなく、現状のアクセス状況(ユーザーの声)にしっかりと向き合い、仮説(ユーザーを理解しようとする)を立てることです。これらの行動が、コンバージョン率を改善させるためにもっとも効果的な方法であると考えています。
また、今回お伝えしたヒントをぜひ試してみてくださいね!
よければ試してみた結果や、分からなかった部分を、コメント欄に打ち込んでみてください! 頂いたご意見が、今後の記事になるかもしれません。
エントリーフォームに課題や不安がある場合は、コメント欄や電通デジタル公式サイトへお問い合わせください。
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■この記事を書いた人
好村俊一(よしむら・しゅんいち)
電通デジタル CROシニアコンサルタント・マネージャー。
保険代理店の広報/WEB事業責任者、WEBコンサルティング会社のCRO事業責任者を経て2017年より参画。デザインをコアスキルに、ペルソナ分析から課題抽出、施策運用まで幅広い領域を得意とする。
WEB担当者の重要ミッションとなるオウンドメディアの収益増加。そんなWEB担当者の苦労を一つでも解決に導くためのnoteづくりを心がけていきます。
※本記事掲載の内容は、2020年10月時点の情報です。
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