
マルチレート系の状態推定器の設計に関する論文とそのアクセス推移
以下の論文が掲載されてから半年が経過しました。オープンアクセス誌ですので是非読んでみてください。
Hiroshi Okajima, Yohei Hosoe and Tomomichi Hagiwara, State Observer under Multi-rate Sensing Environment and Its Design using l2 -Induced Norm, IEEE ACCESS (2022) (Open Access)
論文では、複数のセンサを用いて状態する手法について述べており、特に、センサの観測周期がそれぞれ異なる系について状態推定器(オブザーバ)の設計問題を扱っています。
基本的なアイディアは、周期時変リアプノフ行列を使ってl2誘導ノルム評価に基づいたゲインを設計するというものであり、また、マルチレート系を周期時変系として捉えていることが、複雑な設計を回避するキーになっています。
LMIによって周期内のオブザーバゲインを適切に設定します。このLMIコードは、論文ページにリンクを貼っているcodeoceanから入手することが可能です。
論文のMetricsは次のように推移しています。

累計933であり、あと少しで1000を超えます。過去に、IEEE Trans. on Automatic Controlに掲載された次の2本の論文よりも現時点でのView数は多くなっています。オープンアクセス誌の効果は絶大です。
他方、わかったことがあります。IEEE ACCESSの論文の掲載のタイミング後に、上記の2本の論文のアクセス数が少し増えています。これは、IEEE Xploreで、著者を経由した検索もされていることを意味しそうです。