『エディプスを失った街で』最終話
真司が中学を卒業した。受験は見事な勝利を収めた。
「食いたいものを食わせてやる」
との言葉に
「お父さんの一番の自身料理で」
と言われた俺は、真司を連れて買い物に出ていた。
本来であれば営業日であったが、店は休みにしてある。そのくらいの休息と、真司へのご褒美は神様だって許してくれるだろう。
母親がいない真司にとって、俺の料理は「お袋の味」になることができているのだろうか。
母親がいないことは、俺の人生に多くの影響を与えてきた。
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