情報教育

10697字の長文です。あしからず。

https://toyokeizai.net/articles/-/849426

このままでは「日本は失われた40年」へ突入する

確かに!と思ってしまった。

1980年代、ソニー(現ソニーグループ)は何でもできた。しかし、成功に酔い、ソニー礼賛の風潮が世界を席巻した。ソニーが次の手を打てば、誰もがそれについてきて、世界はソニーシステムに支配された可能性もあったのに、ただ自由に好きなことができる状況に酔い、社員はソニーの社員であることに酔い、何もしなかったようにみえた。

https://toyokeizai.net/articles/-/849426

ソニーにはコアなファンが多かった。私が聞いた話では、ある時期ソニーの取締役会は技術系が一人だけになり、文系の方だけが取締役会を仕切った、と。
結局「技術のソニー」の技術にかつての斬新さがなくなり、平凡な会社というか、今はもう保険屋になったのではないかという気がする。ゲーム機、PlayStationは確かに成功しているかも知れないけれど、それ以外には(申し訳ないけれど)これぞソニーという商品が全く思いつかない。(大昔のソニーと比べているので、的が外れていたら申し訳ないけれど、、、。)

1990年代、新しいことを提案してもまず採用されることがない空気が流れていた気がする。誰もが保守的になり、失敗を恐れて無難な選択をする方たちばかりが出世したのではないかと思う。
Linuxは、1991年にフィンランドのLinus Torvaldsさんによって開発され、それまでのUnixをほぼ置き換えるまでに発展してきた。オープンソースの草分けで、コンピュータの動作原理を学ぶにも最適だし、アレンジして独自のOSを作るのも容易だった。
ただ、15年ほど前、大学の専任教員時代、私がLinuxに言及すると、他の情報系の教員から冷笑を浴びせられたのを覚えている。この話、この下の方で蒸し返す。

最先端半導体の開発・製造を目指すラピダスに関与することによって1980年代の栄光を取り戻そうとしている。また、バブル的ないい車は生み出したことはあるが、いい技術者・優秀な文系人間を抱えながら、組織としては、何も株主にもたらさず、自己満足の組織だった日産自動車は、1990年代に実質的に破綻したにもかかわらず、黒船的なコストカットだけで、何かチェンジしたふりをし(自分たちもそんな気になり)、黒船が去った後、1980年代のもとに戻そうとして、結局何もしてこなかったことが現状を招いている。

https://toyokeizai.net/articles/-/849426

大学の同期が日産に勤めていた。研究開発職だった彼がぼやいたのは、確か15万円だったかな?ライバルのトヨタやホンダのニュースから、すぐに開発に使いたい資材を手配しても「稟議書」(だったか、呼び名は忘れた)に30近い印鑑がないと購入できないため、ハンコが揃って戻ってくるまでに3ヶ月とか時には半年とか時間がかかって、稟議書が有効になった頃にはもう流れが変わっていた、というような話をしていた。機動力のないお役所主義の職場だったらしいけれど、何となくこういう体質というのは全く変わらないもののように見受けられる。

半導体製造はいいのだけれど、そもそもCPUを設計できるような技術者が日本にどれくらいいるんだろうか?非常に不安になったのは、情報系の大学一年生にRAMって何だか説明できる人、と質問してもたぶん10%も手が上がらなかったことだった。CPUはさすがに結構知っていたけれども、アキュムレータに至ってはTAでついてくれていた大学院生も知らなかったみたいで、情報系も細分化しすぎてしまってCPUの内部構造だとか、それを扱っている大学なども限られてしまっているんだろうか、と思えた。ってことは、「どんな半導体を作ったらいいのか、わかってんの?」ということになる。

情報教育が大事、プログラミング教育が大事とかで、今小学生からプログラミングを学習しているらしいけれども、どういう人材を育てることを想定しているのか、疑問でならない。本当に新社会人に身につけて欲しい部分が、ほとんどカバーされていないような気がする。

そもそもが、政府に情報技術がどんなものか、理解している人がどれくらいいるのか、デジタル庁のホームページとか見ていて、結構不安を感じている。

https://gendai.media/articles/-/142603

患者のメリットはゼロ!…マイナ保険証を「いますぐ考え直したほうがいい」理由と、いまこそ思い返すべき「住基カード大失敗」の悪夢

マイナカードは持ち歩きたくない。しかし、出先で病気になることを考えれば、旅行や出張にも持参しなければならない。

もちろん、従来型の健康保険証でも紛失のリスクがあった。しかし、万一紛失したとしても、そこに掲載されている情報は限られたものだ。ところがマイナカードの場合には、紛失すれば、それとは比べ物にならないほど、大量の情報が危険にさらされることになる。

https://gendai.media/articles/-/142603

なんとなく思うのは、マイナカードは「印鑑」の置き換えのような設計になっているような気がする。

マイナカードは、原理的に言えば、本人確認のための極めて強力な手段である。したがって原理的にいえば、さまざまな面で手続きが簡単になるはずだ。しかし、現状では、そうした事例はほとんどない。

印鑑証明書などを、近くのコンビニエンスストアで取得することができるのは便利だが、これは、従来の印鑑システムの維持にために必要なことだ。その意味で自己矛盾に陥っている。

マイナカードの本来の目的は、印鑑がなくても本人証明ができるシステムの構築だ。だから、そうしたサービスを拡充してほしい。

https://gendai.media/articles/-/142603

私が私であることを証明するのが「実印」であったのが、マイナカードに置き換わった。実印でも紛失のリスクはあるけれど、普通は持ち歩かない。

実印でない印鑑の場合には、「私が私であることの証明手段」を100円で買えるし、他の誰もが買える。

かつて、「仕事が早い」と評判だった総務部の方の机の引き出しに、佐藤、田中、加藤、山本などなど、社員の姓の印鑑がずらっと数十本入っているのを目撃したことがある。書類を頼めばすぐに手続きとかしてくれたので、他の社員からも信頼はされている方だったけれど、こういう状況になるのならば、最初から氏名の横に[印]を求めなければいいのに、と思った。簡単だよなぁ。よほど珍しい苗字でなければ簡単に「本人へのなりすまし」ができるシステム、なんだから。

現在、私はソースコードを gitという技術を使ったクラウド上のサーバに置いている。
ある意味で、漏れたら会社の「資産」が全部盗まれるようなことになる。認証は重要だけれど、以前はパスワード認証だった。

そのgitのレポジトリが、パスワードによる認証を受け付けなくなった。普段は公開暗号鍵を使っているけれど、ネット経由でログインする場合には、私が私であることを証明するために、今はSafeAuthという認証アプリを使っている。
無料版として使わず、有償でライセンスを購入して使っている。

https://play.google.com/store/apps/details?id=authenticator.two.factor.authentication.otp&hl=ja

認証アプリ - SafeAuth

このページを見ると、無料版へのクレームが多い。ソフトウェアがタダだと思っている方々には申し訳ないけれど、無料で提供して広告収入を得るという方法を取らざるを得ないのが昨今の風潮で、私自身の経験で言えば有償でお金を払ってくれる人などほんの数パーセントだから、無料での提供を続ける限り広告を表示するしかない。

ただ思うに、こうしたアプリこそ国の機関(情報系の研究所など)が率先して提供して欲しい。国の機関が提供してくれるなら、広告の表示もないだろうし。日本人である私が私であって、私の会社は日本に登記した会社であって、その証明を情報社会の中ですることに、政府はなんの役にも立たない。

本当に情報化社会のセキュリティを支えるために必要な技術を、国などは全く提供してくれないというか、そもそも、どんな技術がセキュリティの確保に必要なのか、理解しているんだろうか、という疑問が拭えない。

なんとなく、デジタル庁を巡っての政府の説明、方針などが、ことごとく斜め45度に見えてしまう。

というのも、情報技術のコアの部分の教育が整っていないから、ではないかと思う。
10年近く前「情報リテラシ」の大学の授業で担当したのは、WordとExcelの使い方。セキュリティの「セ」の字もプロトコルの「プ」の字も出てこない。

記事の趣旨とは違うところに反応してしまっているが、以下のような記事があった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/237a926a53089365bc8b812de3269be52559f26b

テスラが「トヨタを買収しよう」と言ったとき、イーロン・マスクとトランプを日本政府は本当に止められるのか…?

実際、テスラの乗用車では同じモデル3で、新車でも3年前に販売された車でもソフトウェアさえアップグレードすれば同じ自動運転性能の車になります。一方でトヨタをはじめとする伝統的自動車会社は、このSDVのOS開発で後手を踏んでいます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/237a926a53089365bc8b812de3269be52559f26b

現実問題として、自動車に限らず家電などでもOS開発ができないと国際的な競争力を確保できないんじゃないか、と思う。
OS開発と言っても、Linuxのようなオープンソースがあればアレンジすることで比較的短時間に実用性のあるOSが提供できる。現在学生などに学ばせることができるOSと言えば、実質的に、ソースコードを自由に読むことができるLinux以外にはないと思われる。それなのに、なぜかLinuxが大切とか言うと「オタク」扱いされて、半ば馬鹿にされてきた。あろうことか、情報系の方々に。

https://github.com/torvalds/linux

Linux kernel

AndroidもLinuxベースだし、この流れは今後まだ10年は楽に続きそうな気がする。ところが、日本の大学などできちんとOSを体系的に教えている「情報系学部」とかは、かなり限られてくるんじゃないだろうか。Linuxエンジニアの数の少なさがそれを物語っている。

加えて、AWSのような「簡単にwebアプリが構築できます」的な「サービスを使うことができる」だけの人がIT技術者としてもてはやされて、日本が海外に支払っている総額が観光による収入を上回っているというニュースがあった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA092TX0Z00C24A9000000/

7月サービス収支、2カ月連続赤字 デジタル赤字が拡大

サービスを「提供する」ことができる人を全く育ててこなかった、ということが最大の問題で、「使う人」しかいないのが日本の現状だから、この赤字の拡大はまだまだ続くと思う。今後3年とか5年とか、減少に転じることはないんじゃないだろうか。

というよりも、こうしたサービスを構築できる人材を育てる、という発想が、たぶん、国にはない。
OSの中身を理解して使いこなせる人が数えるほどしかいないくらいだから、そちらに視点が向くことがなかったのは当然かも知れない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c0fd3d8725d7d1c38288527c8fe30f8604b8bf5

「ハッカーの数はFBI捜査員の50倍」 自衛隊の機密情報も盗まれ… 中国によるサイバー攻撃の実態 「第2次世界大戦に負けたのと同じ状況」

サイバー攻撃は、Windowsなどのセキュリティホールを攻めて「まず、組織のメンバーのマシン」をウイルス感染させる、以外には、主にはLinux系のサーバの設定の不備などを攻める、その両方があると思う。おそらく「合わせ技」で来ているように考える。
いずれにせよ、Linux系のサーバ環境を熟知したSEを大量に育てなければ、こうした大規模なサイバー攻撃はできない。

推測に過ぎないけれど、中国や北朝鮮でサーバ技術を徹底的に叩き込まれたSEの数は、少なく見ても日本の10倍、もしかしたら100倍とかいるんじゃないか、という気がする。

日本が「WordやExcelが使えれば情報技術は修了!」とかやっている間に、多くの国でOSの重要さを理解して実践的な教育を展開していると思う。OSの中身が読める。OSはコンピュータを動かす要だと、偉い人たちが全く理解してくれなかったのが日本だったと、私は思う。

笑ってしまったのは、RedHatというLinuxの一つのDistributionがトレーニングサービスを提供している、そのTopページ、日本語版のサービスがない。

現在、日本語版のページは ご利用いただけません

https://www.redhat.com/ja/services/training/courses-by-curriculum

简体中文, English, Français, Deutsch, Italiano, 한국어, Português(Brasil), Españolなどは利用できるみたいだけれども、、、。
たぶん、日本では需要がないんだろうなと思った。わざわざ、そんな面倒なことしなくたって、お金を払ってAWSとか使えばいいんだから。赤字が膨らむわけだ。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-848900

日本が「4年連続1位→38位」に転落した国際的指標【再配信】 韓国は20位、アジアで日本より下位は3カ国のみ

世界競争力ランキングの順位らしい。競争するための人を育てていない訳だから、これから育て始めてもそうした人たちが社会に出ていくまでには、まだ数年以上時間がかかる。
ということは、まだ4〜5年くらいは順位が下がり続ける、ということだろうと思う。「競争力」っていうのは「微分係数」だと私は理解している。
微分係数がプラスに転じても、それがGDPなどに反映されるにはタイムラグがある。

日本のGDP世界5位に後退へ、米中はトップ2堅持-英シンクタンク

世界競争力ランキングのページと同じ著者(野口悠紀雄氏)の冒頭に引用したページから

そして、システムがうまくいかなくなってから、何かシステムがないといけないということに気づいたが、試行錯誤をサボり、懐古趣味、右上がりの時代を懐かしみ、右上がりになればなんとかなる、だから量的拡大の時代の再現を目指す、といういちばん安直なというか、もっとも悪い誤魔化し方に終始する政策を政治が求め続けたことが、バブル処理の10年で終わらずに、「失われた30年」、このままでは永遠に失われる日本経済、システムのない日本経済をもたらしたのである。

https://toyokeizai.net/articles/-/849426

日本の場合、「システム」という発想が致命的に欠けているような気がしてならない。

情報システム開発の仕事をしていて、非常に感じることは、「自分自身の業務フローを的確に説明できる人がほとんどいない」ということだろうか。

システム化するためには、いうまでもなく「業務フロー」が明確になっていなければならない。多くのIT企業でこの「業務フローの聞き取り」の部分で相当に手こずっている、と私は理解している。
断片的に「業務手順」を説明してくれる。私はそれを聞き取ってシステム化する。いざお披露目してみると、あれができない、これがおかしいと、ダメ出しされるのだけれども、最初にそんな話は一言も聞いていないというのが、ゾロゾロと出てくる。自分が普段どういう手順で仕事をしているか、それをシステム的に理解していないからだ、と私は思う。

まず第一に、日本の「情報教育」で扱って欲しいのは、「システム化の発想」の教育だろうか。改めて書くまでもなく、プログラムを書く人よりも使う人の方が圧倒的に多い。
ちょっとだけフローチャートが書けます、そんな程度では、情報教育が済んだとはとても言えないし、そこで止まった人など社員としてとても使えない、という会社さんは少なくないと思う。
それよりも、「あなたの仕事をシステム化するために、どんな業務手順で仕事をしているか、漏れなく説明してください。」という問いに的確に答えてくれる人を育成してもらった方が、はるかにありがたいし、デジタル化の役にたつと思う。

おそらくだけれども、国の役人にもこの教育が必要だと思う。
システム化することによって、従来の「業務フロー」が大きく変わる場合がある。変えないと「効率化」につながらないケースがある。それであっても、まず、紙ベース、印鑑ベースの「業務フロー」をまず明文化し、そこにデジタル的な要素が加わった時に、どこがどう効率化できるか検討して、紙ベースとは全く異なったとしても最適化された「業務フロー」がどうなるか、そこを検討すべきではないか、という気がする。なんとなくその発想が欠けている斜め45度。全自動ハンコ押しマシンが出てきそうなシステム化。

即興では、あまり適切な例が出せないけれど、例えば、「Aちゃんはハサミを使うのが得意です。Bちゃんは紙を折るのが得意です。Cちゃんは色を塗るのが得意です。Aちゃん、Bちゃん、Cちゃんが協力してXXXを作るのに、どういう順番でどんなふうに作業をしたら、一番早くXXXが仕上がるでしょうか?」みたいな学習素材は、小学生にも提供できると思う。

次に重要なのは、やはり「ハッカー教育」もとい「サーバ技術教育」だろうな、と思う。
「難しいことを考えなくても、○×社のサービスを使えばシステムを作れちゃうんですよ。」って、そういう人たちをIT技術者と呼んで欲しくない。そうではない人たちがどのくらいいるのか、そこが問題だという気がする。
これは、大学とか専門学校とかの領域だという気もするけれど。(自分で自分の首を絞めないことを祈る。)

サイボウズっていう会社、サイボーグと坊主を引っ掛けたような、人を食った名前の会社だと、20年以上前から雑誌などで広告を見かけて、気にはなっていたけれど、最近「ノーコード」を大々的に売りに出してきた。(しかも、商品名がキントーンだもんな。どう考えたって、孫悟空の觔斗雲(きんとうん)を引っ掛けてる気がする。)坊主は三蔵法師?
(私、こういう駄洒落、大好きです。)
ただ、なんとなくだけれども、この会社さんなんて、ずいぶん昔から地道に社員教育とかをきちんとやっていたんじゃないかな?という気がする。ちょっとページを見たら、設立が1997年となっていたけれど、サイボウズの名前はなんとなく30年近く前にも雑誌で見かけたような気がしてならない。
(いい意味で)どういう社員教育をして来たのかわからないけれど、たぶんだけれども、ほとんど自社技術だけで構築しているんじゃないのかな?(違っていたら無視してください。)もし、自社技術だけで構築していたなら、こういう会社さんの社員教育のやり方なんていうのは、参考になるかも知れない。

ただ、今必死でサーバ技術を追いかけて、必死で人を育てても、既に世界からは周回遅れになっている感じだから、日本がやっと「国産のサーバエンジニア」を増産できた頃には、世界はもっと次に進んでいるかも知れない。

これも、本来の記事の趣旨とは違うところに反応しているけれども。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35227678.html

炭化した巻物の解読からナスカの地上絵発見、AIで加速した科学的発見の数々

AIは科学的発見の状況を一変させた。AIツールを使用した査読付き論文の数は15年以降急増し、AI手法を使用した論文は引用数が増える可能性が高くなっている。ネイチャー誌の調査によると、1600人の科学者の半数以上がAIツールについて研究業務に「非常に重要」または「不可欠」だとしている。一方で、世界最古の科学アカデミーである英国王立協会は、多くのAIツールのブラックボックス性がAIベースの研究の再現性を制限していると警鐘を鳴らす。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35227678.html

GPUでニューラルネットを再現したその発想がすごいな、と思ったけれども。

再現性の問題は、いわゆるHidden LayerをBack Propagationで学習させる過程で、まったく「意味づけ」ができないことに由来する、と私は理解している。学習させる素材の提示の順番を変えただけで、Hidden Layerは全く異なる構造を持って、それでも最終的には「同じ結論」を出すようなネットワークが育ってしまう、ということだろうと、私は理解する。(この話、なんだか20年くらい前にも書いたような気がするけれど、、、。)
その20年くらい前にも書いた話題を蒸し返すなら、「ヒトの脳」は段階的に学習する。画像を認識する場合でも、まず「縦線」や「横線」を認識するニューラルネットが構築され、そこから発展的に「図形」の認識へと進む。
つまり、「白紙の状態のニューラルネット」にいきなり学習をさせるのではなく、単純な図形を学習させたLayerに、段階的に「意味づけ可能」な形でLayerを重ねていき、そうして、最後にターゲットとする「学習課題」を与えていけば、こうしたブラックボックス性が解消するのではないか、と私は考える。(この話を書いたのは、2010年くらいだったかなぁ、引っ張り出すというか、探すのが困難だけれど。途中からネットには書いてもローカルに控えを残さなくなったので。)
これを実現するには、「基礎的な概念」とか「基礎的な図形」や、「高度な概念」とか「複雑な図形」など、人が学ぶのと同じように段階を追ってAIを育てなければならないと思う。けれど、BlackBox性は解消する。

ブラックボックス性が解消するとどんなメリットがあるか。
AIは、現在GPUを使って処理し、膨大な電力を必要とすると言われている。

https://reinforz.co.jp/bizmedia/41682/

未来を切り拓く光チップ技術:超高速通信と省エネの革新

例えばだけれど、光の干渉、回折、などを利用して光学的に「入力パターン」に対する「出力」が変わるような素子が作れないか、と考えた。(これ、40年くらい前、最初の就職先で考えた話題だったかも知れない。)Back Propagationの部分をどう実現するか。例えばだけれど、電場や磁場を加えると屈折率が変化するような素材に、学習の過程で電圧をかけたり、磁場をかけたりして出力光の位置を少しずつ変えるとか。
あるいは、入射光のスペクトルを変えることで干渉縞のパターンを変えて出力を拾う素子のマトリクスで、反応する位置を変える、とか、光のパターンで「学習する素子」を作ることができれば、AIに応用できるのではないか、と思った。(昔を懐かしく思い出しながら、適当に書いてます。すみません。)

これで、意味づけ可能な「学習済み」のLayerを作ったなら、次のLayerへも光でつなぐ。これを繰り返すと、入射光に対する出力光がどの素子に反応するかで、GPUとは違うニューラルネットが作れるのではないか、と、なんとなく考えた。GPUより桁外れに消費電力は少ない。はず。
適当に書いているだけなので、無視してもらった方がありがたいかも知れないけれど。

いずれにせよ、今はもう、日本の情報技術/人材育成は周回遅れで、今更従来技術だけで追いつこうとしても、まず、無理じゃないかと思う。
もし、またアドバンテージを取ろうとするならば、例えばAIに従来型のノイマン型CPUを組み合わせたOSを研究し、そうしたOSを自動車や家電、あるいは医療機器などに応用できるようなエンジニアをしっかりと育てるなど、10年後、20年後にやっと花が開くような分野でも、今からコツコツとリソース(お金や組織)を投入していくしかないんじゃないか、と思った。

セキュリティ関連でも人材不足(サーバ技術そのものを理解している人が少ないから、ましてや、その弱点だとか対策だとかに対応できる人が少ない)みたいだし、車載OSって言ったって、OSのコアの部分を理解できる人をこれまでどれだけ育ててきたか、はなはだ疑問だし。それでも、少なくとも海外で人材育成しているその水準にまで、まず引き上げることが大切ではないか、と、私は考える。

そのためには、デジタル庁とか文部科学省とか、「システム的」に連携して、まず「システム」とは如何なるものかをしっかりと教育する基盤を作ってもらいたい、気がする。

なんとなく、30年以上前から馬鹿みたいに同じ話を繰り返していて、当時は、危険人物扱いされて、おそらくは公安関係に盗聴・盗撮されたその内容があたかも私が発表しているかのように流れ出ていて、当時は「有識者」から「こういうオタクが猟奇殺人の犯人に違いない」とか、クソミソの扱いだったな、と思う。(幼女の他殺体が見つかった時の、メディア有識者の発言、まだ覚えてる。どう見ても私を標的にしていた。オタクで悪かったな!というのは、もういいや。)
これも30年前から全く変わらないスタンスだけれど、今からでも、私の発した言葉が何かの役に立てばいいかな、とは思う。

あまりまとまらないまま、長くなった。

ここまでお読みくださって、ありがとうございました。

以上

いいなと思ったら応援しよう!