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『SASUKE公式BOOK』発売記念スペシャル企画:イントロダクション「聖地・緑山から世界へ」全文公開!!

1997年からTBS系列で放送され今年で41回大会を迎える『SASUKE』初の公式ブックが2023年12月14日(木)に発売!!

2028年ロサンゼルスオリンピックにおいて『SASUKE』がベースとなった障害物レースが近代五種の種目として正式採用!!

スポーツ・エンターテインメントの金字塔『SASUKE』の第41回大会がさらに楽しみになる初の公式ブックン発売を記念して、本の冒頭に掲載の「エモいイントロダクション」を全文公開!!

文:林 和弘(『SASUKE公式BOOK』編集部)

2023年10月25日、そのニュースは驚きとともに日本中を駆け巡った──。

「『SASUKE』を基に考案された障害物レースを新たに加えた近代五種が2028年ロサンゼルス五輪実施競技に決定」(TBS Topicsより)

この知らせを『SASUKE』の総合演出を担当している乾雅人は、同番組に多大なる愛情を持つ「Snow Man」岩本照からのLINEで知った、と語っている(『SASUKE公式BOOK』86ぺージより/以下同)。

記念すべき『SASUKE』第1回大会が放送されたのは、いまを遡ること26年前の1997年9月27日。1995年から放送されていた人気番組『筋肉番付』内のコーナーとしてスタート、撮影は緑山ではなく千葉県浦安の旧・東京ベイNKホールにセットを組んで行われた。

この第1回大会について、乾は「忍者というキーワードを渡されて考え始めた」(86ぺージ)と語っている。全4ステージという基本フォーマットこそ変わらないが、スタート当初の『SASUKE』が現在のような一種異様な熱気を放ち、出場者の人生すらをも変えてしまうモンスターコンテンツになることを想像した者は当時、乾をはじめとするスタッフ、出場者を含めて誰ひとりいなかっただろう。

そんな中、北海道の元毛ガニ漁師・秋山和彦が『SASUKE』史上初の完全制覇者となったのは1999年の第4回大会。そして明かされた、秋山の目の障がい。秋山は誰にも告げることなく過酷なステージに挑戦、完全制覇者となり、さらに自身の目のことについて「テレビで言うのは嫌だ」(79ぺージ)と番組内での公表を一度は拒否している。

この秋山による完全制覇こそ、『SASUKE』が単なるスポーツエンターテインメントではなく、参加者が自らの人生をもさらけ出すヒューマンドキュメンタリーとしての変貌を遂げていく大きなきっかけとなった。

「ミスターSASUKE」こと、山田勝己──。

常軌を逸したハイスピードで繰り出される腕立て伏せの回数を競う「クイックマッスル全日本選手権」で秋山と激闘を繰り広げていた山田は、『SASUKE』第1回大会では2ndステージ「5連ハンマー」でリタイア。さらに13キロという過酷な減量を経て挑戦した第3回大会でも完全制覇を成し遂げることはできなかった。

「俺にはSASUKEしかないんですよ」

山田を代表する名セリフだ。『SASUKE』を「人生」とも言い切る山田の生き様は、『SASUKE』に挑む名もなきアスリートたちの歴史そのもの。現在「黒虎」を率い、自ら58歳にして本戦に挑戦する情熱は、永遠に失われることはないだろう。

そんな山田とともに第1回大会に出場したのがケイン・コスギ。ハリウッドスターであるショー・コスギを父に持ち、芸能界ナンバーワンの運動神経を誇るケインが豪雨の中で挑んだ伝説の第8回大会FINALステージ。その失意のタイムアップから21年、第40回大会で復活を果たしたケインは見事に1stステージ最年長クリアを果たした。

さらに第1回大会から現在に至るまで、『SASUKE』唯一の皆勤賞を続けている山本進悟。「『SASUKE』のために家庭や仕事を壊すことはありえない」(45ぺージ)と語る山本だが、幾多のライバルたちが一線を退く中、現在も現役。「無事是名馬」の言葉通り、ひとり最長不倒を続ける不死鳥である。

2001年、第7回大会からは史上最強の漁師・長野誠が登場──。

漁船のマストに逆立ちするという凄まじいパフォーマンスで番組スタッフの度肝を抜き、オリンピック選手をも凌ぐと言われる身体能力を持つ長野の登場によって、2000年代前半の『SASUKE』は「いかにして長野を止めるのか?」が最大のテーマとなっていく。そんな長野は「いままでにないくらい準備してきた」と言い放った第17回大会において史上二人目となる完全制覇を達成。FINALステージ頂上から「ここには何もない」「ただオールスターズのみんなと『SASUKE』をやるのが楽しい」という名言を残したのだった。

「SASUKE新世代」と呼ばれる漆原裕治、又地諒、川口朋広、日置将士。彼らが出会ったのは「お台場マッスルパーク」。そこで切磋琢磨する中で「仲間」となった彼らは、ともに鍛え、高みを目指していくことで『SASUKE』に新風を巻き起こすこととなる。

ケインが「(又地とトレーニングをして)部活動みたいに楽しかった」(73ぺージ)と語っているように、彼ら新世代の台頭によって『SASUKE』は「個々の選手たちによる孤独な戦い」から「みんなで競い合い、楽しみながら一緒にクリアを目指していく」ものとなった。そして「SASUKE新世代」の筆頭である漆原裕治は二度の完全制覇を果たすこととなる。

そんな仲間たちとともにトレーニングし、『SASUKE』に魅せられた男が大人気ヴィジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」のドラム担当、樽美酒研二。2012年の第28回大会に初出場、ローリングエスカルゴで吹っ飛ばされた彼は、「このままだったら逃げる人生になる」(51ぺージ)という決意で再挑戦。いまや「ゴールデンボンバーと、あと半分が『SASUKE』」(49ぺージ)とまで言い切るSASUKE愛の持ち主となっている。

超人・長野誠に憧れ、15歳で『SASUKE』にデビューした少年が森本裕介だった──。

森本は高校・大学・社会人と日々の生活を重ねながら『SASUKE』を研究。ついには2015年、完全制覇を果たすこととなる。『SASUKE』を「青春」と言う森本は山本桂太朗、荒木直之、多田竜也、佐藤惇など「森本世代」と呼ばれる同世代の仲間たちとストイックかつクレバーに『SASUKE』を“攻略”、2020年には二度目の完全制覇を果たした。昨年2022年、第40回大会では史上初となる三度目の完全制覇を逃すも「完全制覇のサスケくん」と呼ばれる絶対王者として緑山に君臨している。

乾は今年2023年、第41回大会について「出場選手の夢を打ち砕くように新エリアを入れた」「それを乗り越えられるかどうかが勝負」(88ぺージ)と語っている。これは絶対王者・森本だけに向けた言葉ではないだろう。

山田・長野・山本たちSASUKEオールスターズ、SASUKE新世代の仲間たち、森本世代、そして長野誠の息子である長野塊王や「黒虎」の天才中学生・中島結太など1stステージ最年少クリアを夢見る少年たち。

2028年ロサンゼルスオリンピックにおいて『SASUKE』がベースとなった障害物レースが近代五種の種目として正式採用された2023年、これら4世代にわたる出場選手がしのぎを削る新時代が到来したのだ。

聖地・緑山から世界へ。

注目の『SASUKE』第41回大会が、ここにスタートする――。

初の公式ブック『SASUKE公式BOOK』絶賛発売中!!

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