古民家に住んでいる話 9
今回は部屋の床の間の話をしよう。
さて、現状俺の部屋の床の間はこのようになっている。配置についてはまだあまり試行錯誤を重ねたりはしていない暫定的なもの。
大変賑やかなのはいいが、中々難しい。ガラスケース入りの人形は以前の記事に書いた久月の人形だが、厄介な事にガラスケースに固定されてしまっている為かなりスペースを食う。故に今はガラスケースの上に別の人形を置いてしまっている。
さて、そうする内に実家から中々立派な五月人形が届いた。
加工して隠してはいるが、俺の姓名や生年月日、家紋まで入った完全に俺の為だけの物である。それはいい。しかし、最早このまま床の間に置く事はできない。試しに床の間の前に置いてみるとこうなる。
いやデカいわ。どうすんだこれ。
ここで参考になるのはタガマヤ村の奥座敷の床の間である。
五月人形は当然季節性の強い飾りの為単体で年中置くのは流石にどうかと思うが、他の雑多な物と一緒に置く事でその個性が薄れ、数ある飾りの一つと化す。床の間の真ん中に兜と台だけ置くというのはかなり良い案だ。そうなると屏風の類は分けて別の個所に配置してしまい、兜と台だけを床の間の真ん中に置くのがベストだろう。
しかし、それにしてもスペースが足りない。違い棚があるわけでもないので何とかこの床の間に集約させたいのだが、このままでは流石に無理がある上、今後更に増えていくとなるとまるで話にならない。
兜を抜きにして考えると、雛壇のような壇を1、2段作る事で見栄えをよくするという案は採用しようと思っていたのだが、別に物を置ける面積が増えるわけではない。こうなると平面上の同座標に2つ以上の物を置く事を考えねばならない。案としては以下のものが思い浮かぶ。
1、違い棚を設け、小物は棚の上に配置する。
2、ガラスケース入りの人形を更に増やし、床の間の奥側に並べこれを壇としてその上に兜や別の人形を配する。
3、ガラスケース入りの人形は床の間から除け、別の場所に配する。
4、開き直って床の間の前の畳の上も人形配置スペースとする。
さて、1についてはかなり大きな棚にしなければあまり多くの物を置けないのだが、大きければ大きい程難易度又は値段が高くなる。背景になってもらう事にした掛軸も、流石に眼前で区切られてはよろしくない。2についてはガラスケース内の人形がその手前に置いた人形に隠されるが、上手くやればそれなりに面白い景色となるだろう。3はあまりやりたくないし、2のようにガラスケースそのものを上手く使わない限り場所を食う事には変わらない。いっそこの部屋以外の場所に持っていくという案も無いではないが、日本人形は全て俺の部屋に集積させたい為それは選ばない。4についてはこの部屋の現時点での充填率の高さからやや厳しいのだが、少し別の観点から一考の余地がある。
床の間を疑似的に拡張するという案がある。まず、現状配線が気に食わない。
これは分離させる事で床の間の前を横切らせないようにする事も可能だが、床の間の前に中空の台を設けその下を這わせるという方法を採る手もある。その場合人形の配置スペースも台の分だけ増やし得るという点で一石二鳥であり、丁度良い台が入手できそうならば試してみる価値はありそうだ。4を4のままに行うのは節操無い感があるが、この方法であれば。
即ち現時点で有力な対策案としては、
・ガラスケースを並べその上に兜や人形を配置
・床の間の前に小さい壇を作りその上に配置しつつ壇の内側に配線を通す
の2つとなろう。前者の為にはガラスケース入りの人形を買う必要があり、後者の為には壇となり得る物を買う必要がある。急ぐ必要はないが、良いのがあれば買ってくるとしよう。
ところで、五月人形の兜と台を取り除いた後、刀や弓の類も一緒に移すとして、台と屏風は別の場所にゆく事となる。置くべき場所は隣室の八畳間であろうが、物が物であるだけにここに飾り得るものはかなり限られる。少し悩んだが、和風ドールがよかろうという結論に達した。八畳間の障子側のスペースはドールコーナーとしよう。
球体関節人形が欲しいが伝統的な日本人形には無い。洋風のアンティークドールであってもよいのだがドールはドールで欲しい。昔2chのドールスレで見かけたスーパードルフィーの水銀燈に惚れて以来、ドールを欲しつつも金銭的・空間的に手を出せずにいたのだが、今なら手を出せる。出せてしまう。幸か不幸か沼に飛び込む余裕が、ある。洋風ドールの理想像は漠然とだが頭の中にあり、それはサイズも大きい為にすぐに手を出せる代物でない事は明白である。となれば俺の趣味を詰め込んだ和風ドールを迎え、この屏風を舞台とする、これが最も好ましい。
よし。市松人形はそれなりに集まったし、次の大物購入目標は和風ドールとしよう。スーパードルフィーがいい・・・・・・高そうだなぁ。
はて。意見を募ろうと思って書いたのだが自分で結論を出せてしまった。やはりアウトプットは思考の整理に良い。床の間の話といっても床の間の楷行草であるとか、余白を云々といった茶道に見られるような真っ当な嗜好の持ち主からの助言は参考にならない。この部屋のコンセプトを理解せる有識者という希少種を求めていたのだが、今のところは何とかなりそうだ。
然らば。