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17億円の資金調達を実施 - 世界最大の建設プラットフォームを創出する

株式会社フォトラクション代表の中島です。
この度、当社は17億円の資金調達を実施しました!

(プレスリリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000033069.html

(説明スライド)
https://speakerdeck.com/photoruction/platform

どんな未来を目指して投資していくのか、説明スライドも公開していますので是非ご覧ください。


はじまりはモバイルとクラウド

今回は創業から6回目の資金調達となります。

投資家の皆様に今後の事業計画やプロダクト戦略について説明するのですが、これが思考を深め事業や組織の解像度を上げる良いキッカケになります。

特に今回は「ゼロからPhotoructionを作るならどうするか」ということを意識して考えました。建設テックに求められるニーズの変化というものを感じていたため、制約条件を撤廃して業界に必要となるものを整理したかったからです。


当社を設立した2016年は、大手ゼネコンが中心となりタブレットの現場利用が強く推進されていた時代でした。

そのためソフトウェアを工事現場でも活用できるように、モバイルアプリおよびクラウドへの移行がニーズとして強かったです。

当時の建設業向けソフトウェアはこの波に乗っていたとは言えず、取り急ぎのモバイル対応や中途半端なクラウド化が殆どでした。

特に工事現場における写真管理は、現場で写真を記録し整理するため、業務のことを考えるとモバイルアプリやクラウド化のニーズが非常に高いと考えていました。

そこで2017年末にリリースしたのがモバイルとクラウドで工事写真の業務にを効率化する「Photoruction」です。建設業特化のSaaSであり、今では図面や検査、工程、書類など様々か建設データを取り扱うことのできるサービスとして成長しました。

当時から、オールインワンと言う構想があった中で、市場に多くの写真管理ソフトがあったことに加えて、モバイル・クラウドへのシフト、使いやすいUIを提供するだけでもユーザーメリットがあった工事写真の業務に着目しました。

わかりやすい課題解決の次に必要なこと

Photoructionをリリースして5年がたち、建設業界においてSaaSの活用はもはや当たり前になったように思えます。

もちろん、まだまだ活用のポテンシャルは大きく残っているものの、何にも取り組んでいない企業はもはや少数派だと思います。

昔からあるソフトウェアのクラウド対応は進み、Photoructionのような新しいサービスも数多くリリースされています。

建設業の自前主義は薄れてきており、柔軟な要件を満たす事が出来るのであれば大手でも積極的に既存サービスを活用します。

建設テックが盛り上がりを見せるのは産業にとって良いことだと思いますが、業界の課題解決はどこまで進み、DXと言われるような状態にどこまで近づいているのかと思うことも多くなりました。

DXと言い出すと、そもそもの状態定義が大変なのでやめておきますが、建設テックの目的はやはり建設業の喫緊の課題でもある「生産性向上」にあると思っています。

生産性向上の3つのアプローチ

生産性向上を実現するには3つのアプローチがあり、SaaSというのは主に「② データを標準化させて効率化する」という点で役立ちます。

しかし、業界が必要な生産性向上の大きさに比べて、これは物足りないと思うことがあります。なぜなら、建設業界はITとは違い物理的なものづくりであり、デジタルで完結させられる仕事が非常に少ないためです。

大幅な生産性向上を実現するためには「③ 標準化したプロセスで労働時間を増やす」ということを実現する必要があり、そのためにはデジタル化した後の業務プロセスをどうするか、もしくは業務プロセスから逆算してデジタル化するという事が必要になります。

建設業におけるSaaSは、アナログ情報の記録装置として存在していました。現実世界の写真や図面、書類、そしてそこで発生する情報の流れ、こういったものをデジタルにすると言った、わかりやすい課題解決こそSaaSが得意としている事なのかなと思います。

建設業界のSaaS活用が進んだ結果、このわかりやすい課題解決は実行すれば実現できるし、解決したあとも割とイメージが出来る分野になってきたと感じています。

もちろんSaaSの開発や運営には専門知識が伴いますし、誰もが簡単に出来ることではありません。

ただ、これから建設業界の「生産性向上」に対して向き合うためには、SaaSだけで解決できそうなわかりやすい課題ではなく、難しい業界課題に建設テックもチャレンジしていく必要がありますし、建設業界もそれを望んでるように思います。

新たなデジタル産業を拓く

では生産性向上に向けて何が必要なのか。

私は業務のすべてがデジタル化できる土台とプロセスを標準化する手法、それらをマネジメントできる仕組みが必要だと考えています。

デジタル化できる土台とは多機能ながら、活用自由度の高いアーキテクチャーを持ったSaaSであり、3つの要素を併せ持つ建設プラットフォームだと考えています。

(1)業務に関連したデータをデータベースとして扱う事ができる
(2)必要なデータを任意のタイミングでセキュアに出し入れできる
(3)構成する要素は互いに疎結合であり自由に取り外しができる

SaaSだけの生産性向上は限界があるものの、SaaSがないと生産性向上も見込めない、まさに土台だと理解いただけたらと思います。

そして土台の上に何を乗せるか。私たちはプロセスを標準化できるAI-BPOを乗せることで、難しい課題に取り組んでいきますが、ほかにもネットワークやFintechなど様々なことが考えられます。

Photoructionのロードマップ

そして最も大事なことは、ひとつのプラットフォームで建設業のすべてをカバーすることは難しいと言う事実を認識することです。

業界は非常に広く、それぞれの業務業態で文化や業務内容が異なります。そのため、一定規模にまでなった複数の領域違いの建設プラットフォームが協力し合うことが必要だと考えています。

建設テックが比較的ホットな分野でもあり事業的な魅力も大きいからこそ、わかりやすい課題解決を可能としたSaaSの参入が増えてきました。

それ自体は良いものの、既にSaaSが存在する領域への参入が多くなると、リプレイスのプレッシャーから「値下げ」と「過剰開発」が行われ、国内の建設テックサービスは共倒れで全員負けになる可能性もなくはありません。そうならないためには、建設テックだけで新しい産業が成り立つぐらいまで成長しなくてはいけません。

国内建設業の市場規模は70兆円を超える巨大産業であることに加えて、プロジェクトマネジメントや技術力は世界と比較して非常に長けています。そのため、それらを支援する建設テックは新しいデジタル産業へ昇華できるポテンシャルはあると思っています。


資金調達は金額の大小に関わらず、そのお金でどんな未来を作っていくのかを説明する事であり、それを表に出すという会社としては一種の決意表明とも言えます。

私たちは今後長きに渡って、自社サービスへの投資はもちろんのこと、他の建設テック企業そして建設業とのコラボレーションを積極的に行うことで、世界最大の建設プラットフォームを形成することを目指していきます。

新たな産業を牽引する1社になるべく、今後も皆様と共に精進していきたいと思いますので引き続きよろしくお願い致します。

共にチャレンジしたい仲間を積極募集中です!

生産性向上や建設プラットフォームなど、私の著書でより詳しく解説しています!

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