「ときめきレストラン☆☆☆(ときレス)」との5年を語るだけ
「ときめきレストラン☆☆☆(以下、ときレス)」について書こうと思ったのは「ドリフェス!」のサービス終了を聞いた時だった。
女性向けに限ったことじゃないけど、アプリの終了は突然やってくる。それでも気が付けば「ときレス」が最古参に近い存在になってて、すごいなと思っていた。思えば色々あったし、それまでの思い出をつらつら書き連ねようか……なんて思っていた矢先、このツイートが投稿された。
正直なところ「ついに、この日が」という感じで、あまり驚きはなかった。それまでにも色々とあったし、繰り返すけど「アプリは突然終わるもの」と頭の中で嫌というほど理解していたから。
でも、すごく寂しかった。私は決してモチベーションの高いユーザーではなかったと思うけど、それでも何だかんだずっと遊んでた。微々たるものだけどちょこちょこ課金もしていた。それがもう、8月ですべて終わってしまうんだと思うと、ひどく寂しかった。だから、きっと思い出補正とか記憶違いも多いだろうけど、今までの思い出を残しておきたくなったんだ。
リリース前の感情
「ときめきレストラン☆☆☆(ときレス)」を始めたきっかけは、至極単純に「ときめきメモリアルGirl's Side(ときメモGS)」を遊んでいたからっていうものだった。2013年当時はフィーチャーフォンからiPhone/スマートフォンへの移行が進みだしたころ、2012年にPSP向けの「ときメモGS3」が出てからさほど経っておらず、まだ色々と期待に胸を膨らませていた頃だったと思う。
私はちょうど、このぐらいのころに携帯をスマートフォンへ買い替えた。ゲームオタクはまだハードへの買い替えハードルが低いほうだと思うが、世の(オタクも含めた)女性はまだ、それこそ2015年に女性向けタイトルがわーっと出てくるくらいまではそこまでスマートフォンではなかったと思う。そんな時期にアプリで出したって、今思うと結構冒険だったような気がする。でも、この手のものを先陣切ってやってくれるといったらコーエーテクモゲームス(ネオロマンス)かコナミって思ってた。たぶん。
この頃はまだ、アイドルコンテンツといえば「うたの☆プリンスさまっ♪」一強って感じだったし「ときメモGS3」のPSP版で入ったLive2Dもメジャーな技術でなく、キャラクターがぬるぬる動くのはまだまだインパクトのあった時代だったと思う。確かリリース前だったと思うけど、こういうインタビュー映像みたいなのも新鮮だった。
いわゆる2.5次元、舞台とかライブとかも盛んになりつつあった頃だったけど、その頃はまだキャラクターと声優さん・舞台俳優とかの生身の人間も込みというのがセオリーで、バーチャルなキャラクターといえば「初音ミク」とか、ぱっと思い浮かぶのはそういうのだったかな。たぶん。
「ときレス」ではイベントに声優が一切出ない。というか、まあ、コナミ時代はそういうイベントがそもそもなかったのだけど。とにかく“キャラクターが現実に存在する”という体を徹底的にやっていて、この辺りは「ときメモGS」とか「ラブプラス」のイベントとかやってきた方向性を思えば、なるほどなーという。話がそれるからあまり多くは語らないけど「AR performers」とかも、そういうことなんだなって。
「センター争奪戦」について
前置きが長くなってしまったけど、リリース直後はそれなりに盛り上がっていた。もちろん私のように「ときメモGS」を遊んでた人も、しばらくシリーズを離れていたような人も、とりあえずスマートフォンがあるなら遊んでみたという感じ。私はこの頃まだアプリで遊ぶのが好きじゃなくて、PSPとか、以降もやっぱりPS Vitaで他のゲームとか乙女ゲーを遊ぶ方が楽しかったのだけど、それなりにのめり込んだと思う。
今更説明するべきなのか悩ましいけど、いちおう書いておくと「ときレス」はプレイヤーがレストランを経営する恋愛シミュレーションゲーム。レストランのレイアウトを楽しんだり、料理のレシピを集めたり強化したりしながら、来店するアイドルとの恋愛イベントを楽しむって感じ。詳しくは公式サイトとか動画を見てくれ。
「ときレス」には、王子様キャラをコンセプトにした「3 Majesty」と、ワイルドとかセクシー系とウリにした「X.I.P.」っていう真逆のグループがいる。メンバーはそれぞれ3人で、リーダーはいるけど「センター」はアプリ内の投票で決める。この「センター争奪戦」と、それぞれのグループで競う「VSライブ」がゲームのキモで、まあ課金要素でもある。
余談だけど「ツキノ芸能プロダクション」みたいな感じで、事務所のサイトもある。できたのわりと最近(2017年くらい)だけど。
そこそこ色んなアイドルコンテンツに触れてきたけど、個人的に「センター争奪戦」は発明だと思ってる。センターって何かっていうと、一番大きいのは曲のサビが割り振られること。曲がちゃんと「<アイドル名>センターバージョン」ってなるくらい。
アイドルのユニットって、多いと1つのグループが5~7人くらいになるかな。「ときレス」みたいに3人とか、4人くらいがメジャーで、これくらいだとそれほど差はないっちゃないんだけど、人数が多ければ多いほど曲のソロ部分が奪い合いになる。人数差がなくてもやっぱり歌が上手いって設定のある子とか明るくて目立ちやすい子とかバンドならボーカルの子とか、そういうキャラクターほどサビで目立って、仕方がないことだけど差が生まれる。これ、推しが大人しめとか静かとかで割を食うほうだと地味にキツイんだよね(経験済み)。
でも「ときレス」だと定期的にセンターが変わる。メインで歌う場が増えるし、ライブでも目立つ。あと曲だけじゃなくて、外部とのコラボとか何か仕事があるとセンターキャラが優先される。まあ結局のところほぼ順番に回ってたんだけど、それぞれの曲で違うアイドルが目立つのは良かったし、たまにアルバムとかでセンター違いバージョンもあって、曲の印象が結構変わるのも面白い。なので、このシステムはとても気に入っている。
倦怠期からの運営移管
リリースされたばかりの頃は、やっぱりLive2Dそのものがまだ物珍しかったのでそのぬるぬるした動きと、未だによく分からないんだけどタッチしていくとアイドルがやたら喘いで画面が白濁していく「スキンシップモード」が一体何事かとザワザワしたような記憶がある。
アイドルとの季節イベントとか、レシピとか家具の入手イベント(課金要素もあるけど)は、ほぼ無課金でいけた。アイドルをモチーフにした家具とかグッズなんかは課金だったけど。まあ、私はレイアウトを楽しむタイプのゲームがすこぶる苦手だったんで、あまり興味がわかなかったんだよね。
私個人の感情もだけど、しばらくしてからは単調さが目立ってきたと思う。最初こそレシピの入手なんかに躍起になったけど、家具やイベントのクエストがすべて一週間きっかりで、ものすごく淡々としていた。ある日、連続ログインが途切れてからは週末にまとめてクエストをこなすって感じになってた。この頃はまだフルボイスが当たり前じゃなかったのもあって、ボイスの新録とかもほぼなかったなあ。
まあ、VSライブやらで曲は少しずつ増えて、jubeatやらpop'n musicなんかとコラボもやってたんだよね。CDは、良くも悪くもシングルカットされずアルバムが出るまで1年かかったけど。最近ペースが早かったから、発売日チェックしたら5年前こんなんだったのかよと戦慄したわ。最初は結構売れたんだよね、CD。
それでもまだ、2014年3月15日・16日に舞浜アンフィシアターで開催された「ときめきメモリアル Girl's Side DAYS 2014 ~ホワイトデート~」までは、そこそこアクティブもいたような気がするけど、どうだったっけ。コラボ家具とかもあったしね、まだ「ときメモGS」の系譜っぽい空気はあったと思う。
イベント自体はめちゃくちゃ楽しかったし、例によって葉月王子で号泣したんだけど、その後の「ときメモGS」についてこれといって何もなく、少し気持ちがヒリついた時期だったかなというぼんやりとした記憶。「ときメモGS」に熱心だった人たちが辞めていくのを眺めていたのもこの頃だったかなあ……あまり細かく覚えてないです、すみません。
そこから3カ月後、ついに来ましたよ運営移管のお知らせが。正直「ああ、もう終わったな」って思った。相手がコーエーテクモゲームスっていうのは良かったって記憶にあるけど。アプリ自体全然やってなかったから、運営移管というのが何なのか全然分からなかったし、もうサービス終わったも同然くらいの気持ちでいたよ。
最初の頃はお問い合わせから意見とか要望とかも送ってて、コナミの人ちゃんと定型文でない手打ちっぽいメール返してくれて、ああ頑張ってくれてたんだなとか、なんかそういうこと色々考えた。ありがとうコナミ、さようならコナミ。
コーエーちゃん怒涛の巻き返し
と、まあ気持ちの上ではほぼ終わったと思った2014年の夏。ここから、コーエーちゃんがとにかくめちゃくちゃ手を入れ始めた。まずはとにかくゲームの改修。レシピのタブを増やしたり(なかったんだよ)、レシピの強化システムとかもこの辺じゃなかったっけ?レイアウトのセーブ・ロードもなかったから入ったし、家具のソートとかも入った。イベントのタブ分けとか、久しくなかったノーマルレシピの追加とか、ログインボーナスの改善とか。
イベントの期間もキッチリ一週間じゃなく、少しずつずらして定期メンテもしっかりやって、とにかくゲームへテコ入れまくって、遊びやすさが段違いになった覚えがある。人のレストランに移動した時、主人公の歩くスピードが倍速になった時とかめっちゃ感動したぜ。
そこから、少し面白かった……といったら双方のファンに失礼かもしれないけど、ネオロマンスのイベントにも「ときレス」がちらほら顔を出すようになった。記憶にある限り、一回だけ「ネオロマンス 20th アニバーサリー」(2014年9月)のゲストで、イベントの合間だかどっかに映像が流れたんだけど、あの何とも言えない空気感はほんと言葉にしようがない。「ときメモGS」と両方通った人も少なくないだろうけど、どう反応していいのか分からない感。
グッズだけは毎回ネオロマイベントで売ってたけど、ネオロマと絡ませるって感じの方向性は途中で絶えた気がする。あ、ちなみに最初は「ときレス」のグッズはただのピンクの袋に入れてくれて、ネオロマのアレ(あの白地のピンクのアレ)とは変えるっていうささやかな気遣いを見たのよく覚えてる。今はどうだか知らないけど。
2014年の年末くらいにはやたらと本が出たり、年明けに出たセカンドアルバムからコーエちゃんお得意の特典商法が始まって(褒めてます)。ゲームでも使いきれずに腐ってた回復薬を鬼のように消費させる「イイネ!」のシステムが入ったり、生きてるなって感じがしてた。
もちろん、ただ良いことばかりではなかった。先崎真琴さんがTwitterでコメント出したり(たしか、今後のことは分かりませんみたいな内容だった気がするけど)、2015年3月には内田明理プロデューサーがコナミを退社して。これはもう本当に筆舌に尽くしがたい色々な思いが去来した。でも、それでもまた先崎さんが雑誌の仕事とか、いろんな場所で「ときレス」に関わってくれることが決まって、それは本当に嬉しかったなあ。
あとゲームでは、個人的に「ときめきif」がすごくいいなと思った。これまでの「付き合って…付き合っては…ないな…」っていう状態から、完全に恋人っていう平たく言えば夢オチというか妄想なんだけどさ。そういうイベント見れてよかった。
これがまた1人見るだけならそんな難しくないんだけど、6人分回収ってなるとなかなか壮絶。そんなに無茶ではないけど、これにはそこそこ課金しました。でも毎回、全員分集めて後悔なし。
2016年2月21日、運命が変わったライブ
私の中で大きな転機になったのは、2016年2月21日に行われた「3 Majesty × X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- in Yokohama」だった。声優さんも出てこないジャンルでライブって言われても全くピンとこなくて、どういうことなんだよってものすごくドキドキしました。
どうでもいいけどこの時、初めてネオロマ御用達の「事前に予約注文してお金を払って、当日にブツだけ受ける」っていう画期的システムを利用してすげえ便利だなって思った。第3公演、最後の最後で到着もギリギリだったけどグッズ買えて本当に助かりました。
で、前評判なんか見ることもなく始まったわけですよ。最初はステージ中央のスクリーンの意味も分からなくて、上に設置された小さめのモニターにVSライブとかのPVが流れて、ああこんな感じでライブのPVをファンで一緒に眺める的な?イベントなのかな?って油断してた。
そしたらね。
そしたらね。
真っ黒だったスクリーンの下からね、3 Majestyの3人がね、びよんって出てきたの。ジャニーズのライブとかでステージに穴あいて下からびょんって出てくるみたいなのあるじゃん?
あれだよ。
あれで、目の前に、アイドルが、出てきたんだよ。
いやもうマジで何が起きたのか全然分からなかったよ。目の前でアイドルが歌って踊ってて。
いやもうほんと、すごかったんだって。
ライブについてはその後も定期的に行われて、今(2018年8月)もツアーしてるけど、この時はまだフリートークとかなくて、影ナレって感じだったんだよね。それがちゃんと歩いて袖にはけたり(すごい進化を感じた瞬間)、ステージ上でフリートークしたり、公演の担当回(時期)によって内容変わったり、なんかもう“生きてた”。
うちのアイドル、生きてる。
そう思った。
もちろん、本当のリアルじゃないよ。でもね、でもね、確か「3 Majesty × X.I.P. LIVE in ARIAKE」でね、アイドルの名前を呼ぶ挨拶タイムがあってね、慎くんがね、出て来てね、私らが「シンくーん!」って叫んだら「はーい、シンくんです♪」って言った時の感動はマジですごかった。
結局、その後は2016年2月にジョイポリスとのコラボとかポムポムプリンカフェでのコラボがあったりして、8月には今となっては恒例のDMMツアーがあって、11月に有明ライブで、2017年2月にまたジョイポリスがあって、3月にDMMでツアーやって、8月に6人曲を歌ったんだっけ?の夏フェスやって、8月にオケコンやって、劇場アニメとかVitaとか発表して、11月にピューロでライブして、2018年2月に劇場アニメ公開してVitaのゲーム出てオケコン再演して、2018年3月で5周年。
それから5カ月、もうすぐアプリが終わる。でもなんか、悲しいけど楽しかったなーって思う。レストラン要素どこいくのとか、主人公ちゃんはどうなるのとか、不安も不満もないわけじゃないけど、でもまだコンテンツが終わるわけじゃないから。
ありがとう「ときレス」、これからもよろしくね。
思い出あれこれ
コーエーちゃんがものすごい勢いで予定詰め込んでくれて、身動き取れなくて死ぬかと思った時期もありました。
ライブに関しては「2×3! ~DUST CROSS THREE!~ II」の「Good to be bad(霧島司&不破剣人)」で、皆が一段階トチ狂った感あったのすごい好き。この時期のこの回だけチケットがやべえくらい取りにくかったのも良い思い出。今のとこアレを超えるペアの振り付けないよね…恐ろしい。
あとライブで、ネオロマグッズを身に付けた人を見かけるたびに、なんとなく嬉しくなった。私もどっちも好きだから、どっちにもファンいるんだなーって思うとほんと嬉しくてなあ。
ピューロランドはキティパイセンがすごかった。きりみちゃん推しだけどやっぱキティパイセンすごいよ。プリンとシナモンとか、今のサンリオを牛耳る存在ばかりとコラボしたのもなかなかすごいな。
ジョイポリスには2回とも行ったなー。楽しかった。結婚式にも取材で伺ったよ。アイドルと結婚できるジャンル、それが「ときレス」。
カラ鉄にも行きました。
コエテクカフェの飯もすごかったよね。
劇場アニメは正直、Production I.Gって聞いた時は目玉飛び出るかと思ったていうか不安のがでかかった。すごいとこだけど、相当積まないとヤベエよね?って。結果、これまでのバーチャルライブで得た知見とアニメの良いとこどりで、すごい良い劇場アニメだった。ありがとう。
「夢色キャスト」で各グループの推しと推しが同じ画面にいるっていう奇跡を噛みしめたり。
まだ実感わかないけど、やっぱり楽しかったんだと思う。ありがとうとしか言えないけど、ありがとう。