
【確率分布・正規分布】 〈4〉 標準偏差
【統計】分野について解説します。
新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。
では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。
次は、序盤最後になる〈標準偏差〉です。
〈確率分布〉→〈平均値〉→〈分散〉→〈標準偏差〉 =σ(x)
・例えば、文章題で事象によっては、本、cmとか、単位が付くことがあるよね。「分散」には単位が付けませんが、「標準偏差」には単位を付けて答えます。
・標準偏差 σ(x) = √V(x) で求められます。つまり、散らばり具合を表す数値であることは、「分散」V(x) と同じだけど、分散と違って意味のある数値ということです。
[解法]
①例えば、下記の「確率分布」(表)では、
② まず、(値を2乗した数)の平均値を準備します。
E(x^2) ={X[1]^2+X[2]^2+X[3]^2+X[4]^2+X[5]^2}/5 =(2乗の平均値)
次に、普通の平均値
E(x) ={X[1]+X[2]+X[3]+X[4]+X[5]}/5
も確認します。
③ 分散は、(2乗の平均値)から(平均値の2乗)を引いて
V(x) = E(x^2) - {E(x)}^2
文字で書く方が、ややこしいので、ぜひ、式で覚えましょう。
④ 標準偏差は、 σ(x) = √V(x) で求められます。
[Method]
・標準偏差は、 σ(x) には、(散らばりの幅=領域)を表すことができるという最大の利点があります。
・例えば、みんなで受けたテストの結果、平均点が60点、標準偏差が10点であたったとしましょう。(十分たくさんの生徒がが受けたとします)
「標準偏差」の特徴として、
・60-10点(m-σ)と、60+10点(m+σ)の間に、68%の人が入っていると言われています。これを式で表すと、(m-σ)と(m+σ)の間に入る確率という意味で、以下のように表します。
P(m-σ<X<m+σ)=0.68
・60-20点(m-2σ)と、60+20点(m+2σ)の間に、95%の人が入っていると言われています。
P(m-2σ<X<m+2σ)=0.95
・60-30点(m-3σ)と、60+30点(m+3σ)の間に、99.7%の人が入っていると言われています。
P(m-3σ<X<m+3σ)=0.997
・このような性質があることからも、「平均」「標準偏差」に単位が付き、「分散」に付かないことが理解できそうだね。化学や物理と同様に、単位が解法のヒントになります。
「確率分布」(表)=「値と確率の表」
X | X[1]| X[2]| X[3]| X[4]| X[5]|計
P | P[1]| P[2]| P[3]| P[4]| P[5]| 1