国葬賛否|私とボスとの出会い
written by Jemie E. Spencer
私が最初にボスと出会ったのはサンフランシスコのチャイナタウンです。行く手に人集りがありました。一人の男が五人を相手に喧嘩して路上に二人倒れていました。男は残りの三人を次々倒しました。聞くと白人女性が男たちに囲まれて困っていたのを止めに入って乱闘になったようでした。
背広姿の男性は終わると側にいた二人の白人女性と言葉を交わしてお辞儀して去って行きました。所作で日本人だと分かった私はその男性に魅入られて後を追って声を掛けて話すことができました。その男性がボスでした。不思議なことに色々ご縁があって、それ以来ボスの仕事を時々手伝うようになりました。
日本には、「弱きを助け強きを挫く」という言葉があります。この言葉は、弱い者を救い横暴な者を懲らしめる任侠 の気風をさすそうです。「任侠」とは、仁義を重んじ弱きを助け強きを挫くために体を張る自己犠牲的精神や人の性質をさす言葉だと説明されてます。
私は、この任侠という言葉が大好きです。ボスやボスのまわりの人たち、秋月先生、魚住先生、山根先生、神代先生、竜人さん、晃さん、玄司さん、みんな任侠です。だから、みなさんと一緒にいる時が最高に嬉しいのです。
先日、アメリカの友人に安部元総理大臣の国葬について聞かれました。私は日本人ではありませんから日本人の決めたことを尊重すると答えましたが、ニュースでは、2万人以上の国民が献花に訪れたと聞く一方で、その何十倍もの反対する国民がいるのも聞いています。これほどハッキリ賛否が分かれるには理由があり、安倍晋三という政治家の功罪があるのだと思います。
私が、安倍晋三という政治家を一言で表せば、
強きを助け弱きを挫く人
つまり、私の好きな任侠と反対の気風の人だと思います。
安部がどのように強きを助け弱きを挫いたかは、第二次安倍政権時(2012年12月~2020年9月)に行われた一連の経済政策(アベノミクス)の結果で説明できます。
第二次安倍政権が始まった2012年12月から終わる2020年9月の間の日経平均株価は10,395円~23,185円。
株式相場を上げるだけの目的で行われた大規模な金融緩和によって株価は倍以上になりましたが、国民を馬鹿にした話で、実質賃金を上げるどころか下げるという詐欺的政策が平然と行われました。
アベノミクスの重大な罪は、株式市場を喜ばせるために金融政策を行ったこと即ち恣意的に株価を上げるために我々の財政主権、金融主権を侵害したことです。
アベノミクスは、金融緩和の恩恵を受けることができる「富裕者」(経済的強者)を一層豊かにし、恩恵を受けることができない「蓄財する余裕の無い者」(経済的弱者)を一層貧しくしました。
当然、アベノミクスの正論を逸脱した一連の経済政策(法人税減税・消費税増税・社会保障費減額・非正規社員増産・賃金留置き)は、経済的強者にとっては濡れ手に粟で笑いが止まらない政策であり、経済的弱者にとっては地獄のような人生が確定する政策でした。
本来、総理大臣の第一の使命は、憲法が定める国の主権者であるすべての国民の幸福な生活を保障することですが、彼が第一の使命を果たそうとしたことは一度もありません。
賛否が分かれた国葬ですが理由は推して知るべきです。
日本人が愛した任侠は 弱きを助け強きを挫く と伝承されてきました。
しかし、強きを助け弱きを挫く 日本人が増えているのではないでしょうか?
私はアメリカ人ですが日本男児が大好きです。任侠が大好きです。
CONSULTANCY M&K INC. USA
ジェミー・スペンサー