サンドウィッチ伯爵
by エムケイコンサルティング 秋月
英国人、四代目サンドウィッチ伯爵ことジョンモンタギューは三度の飯より賭け事が好き。賭け事をしながら食べるためにサンドウィッチを作らせたという逸話は有名です。
賭け事遊びの最中ではなく執務の最中だろうともいわれますが、どっちにしろ、食事の時間を惜しんで物事に没頭する人物だったようです。
海軍卿や国務大臣を務めていたサンドウィッチ伯爵は、ジェームズクックの太平洋探検の支持者で、海軍予算から多額のお金をクックの探検費用に支出しました。キャプテンクックが、発見した島に伯爵の爵位名をつけたのは、まさに忖度だったのでしょう。
ハワイのサンドウィッチ諸島や南大西洋のサウスサンドウィッチ諸島は、海軍卿だったモンタギューの爵位名に由来します。
日本にも、似たような食べ物があります。赤身マグロを酢飯と一緒に海苔で巻いた鉄火巻。
鉄火場と呼ばれていた賭場で、博打に興じながら片手で食べるように考案されたのがマグロと酢飯の海苔巻きだったので鉄火巻と呼ぶようになったという説があります。
現存する資料から、現在の鉄火巻が登場したのは明治時代だとされています。江戸時代には、マグロではなく海老を使った鉄火寿司という食品があったようです。
『鉄火』という言葉を使った食品には、江戸時代に登場する鉄火味噌や鉄火ずし。その後の鉄火巻き、鉄火丼、鉄火焼きなどがありますが、総じて、赤身マグロを使った見た目が赤い料理、または唐辛子を使ったぴりぴり辛い料理の二つに大別されるようです。
『鉄火』は鉄が赤く焼けている様を表現する言葉でもありますから、赤身マグロを使う料理に鉄火を使うようになったのだと思います。
もう一つ、『鉄火』は鍛冶師が真っ赤に焼けた鉄を鍛えるときに飛び出す火花を表現する言葉でもありますから、唐辛子が入って食べると舌がピリピリする味覚を飛び散る火花に例えて鉄火味噌と名付けたのではないでしょうか。
人間であればこそ、なんとも愉しい食事の時間を惜しんで興じる賭博の世界。なんともせわしない殺伐とした世界ですが、近年、日本にカジノを作る計画が検討されているようです。
ゆとりのない国にゆとりのない賭博施設をつくるという思考が理解不能。
この国の指導者を全員集めて炉に放り込んで真っ赤に焼いて鍛え直す必要があるようです。
エムケイコンサルティング 秋月