【企業課題解決プログラム】成果報告会/和田興産株式会社×関西国際大学・山本研究室
新築分譲マンションブランド「ワコーレ」で知られる和田興産株式会社が手がけた一棟貸切・古民家宿泊施設『ラドーレ神河』。
今回の企業課題解決プログラムでは、この『ラドーレ神河』の活性化をテーマに、関西国際大学社会学部・山本研究室の皆さんが、解決策提案に挑みました。
『ラドーレ神河』は、神河町の中心にあった町内最古の自転車店をリノベーションして作られた施設で、カフェやBBQハウス、サウナ、コワーキングスペースを備え、ゆったりとした時間を過ごせる空間となっています。
春夏の週末は宿泊予約の枠がすぐに埋まるものの、予約が埋まりにくい時期もあるため、ウイークデーを中心に施設の稼働率をあげ、また施設の有効利用のみならず、最終的には神河町の町おこしにもつなげたいという企業としての想いがありました。
これに対し、山本研究室では基礎データ収集から始まり、複数回の現地調査の中で、現地の方へのヒアリングした結果や自身の体験から魅力や価値、問題点を探り、その結果をもとに提案を行いました。
まず、『ラドーレ神河』単体で取り組めるものとして、宿泊者にとって負荷的要素となりがちなものを「付加」価値に変えるという提案がありました。例えば「20時以降は近隣のご迷惑になるのでお静かに」という注意書きを「地域一体型のお宿です。20時以降は落ち着いた時間をお過ごしください」と書き換えてみる、布団を自分たちで敷くことに対しては「お好きなタイミングで宿泊者様に合わせて寝具をご利用ください」という張り紙にしてみる、といったものです。
これには発表を聞かれていた和田興産の方も「禁止事項が書かれていることは知っていたが、少し文言書き換えるだけで特別感のある印象に変わった」と驚かれていました。
他にも宿泊者が気軽に乗れる電動自転車を備え付け「自転車をこいで満天の星空観察へ」といったように「ここでしかできない体験」をストーリー仕立てで提供してみては、といったアイディアも提示されました。
また、神河町全体を巻き込んでの長期的な取り組み提案は「あえて神河に来る」ためのコンテンツづくりを行う、というもので、1つ1つのクオリティは高いはずの観光資源があちこちに点在していることでうまく活用されていない現状がある神河町において、『ラドーレ神河』主体で、これらの資源を掘り起こし、価値化してはどうか、という内容でした。
実際、現地調査中に地元の方からの(企業としての)注目度も高い、と感じる場面も多かったようで、町全体を巻き込んでの活性化案となったとのことです。
これらの提案に対し、和田興産の方からは「時間をかけながらも物件以上の価値を町の若い人と連携して作りこんできたい」「注意書きについては、今月中に張り替えを実施する」といった意見をいただきました。
今後は、山本研究室と連携しつつ、神河町を楽しむことができるマップ作りを行い、地域を巻き込んだ『ラドーレ神河』および神河町の活性化に向け活動を行う予定とのことです。
最後になりましたが、今回の課題をご提供いただいた和田興産株式会社様、素晴らしい機会をいただきありがとうございました。
また、山本先生を始めとし、今回の課題解決に関わってくださった研究室の皆さま、ご尽力いただき本当にありがとうございました