最近聴いているアルバム2021.09
R.E.M. - Automatic For The People (1992)
ど名盤。これほどシンプルで飾り気が無い音なのにこれほどエモーショナルで感動的で絶望的なのはどうしてだろう。何度聴いても全く謎が解き明かせない。曲はどれも地味だが、実はとてつもないポップアピール性を持っていることも付け加えたい。"New Orleans Instrumental No. 1"やSweetness Follows"といった特に地味な曲でも、映画で使われたシーンでは強烈な印象を残す。なんでなんだろう。一生聴き続けるし、一生リイシューを買わされるアルバム。
The Smashing Pupmkins - Mellon Collie And The Infinite Sadness (1995)
とあるバンドがロックという音楽ジャンルの頂点に立った瞬間。あらゆる感情がこのアルバムには強烈に封じ込められている。怒り、郷愁、憂い、希望。それらに触れるたびに、自分の中に眠っていた感情が呼び起され、音楽と一体化する。聴くたびに本来の自分にリセットしてくれる。あまり大げさな言葉は使いたくないが、本作は音楽業界に起きた奇跡だと思う。
Prefab Sprout - Andromeda Heights (1997)
このバンド、日本では「青春の80'sニューウェイヴ/ネオアコ」というノスタルジーばかりが先行している。悔しい。勿論『Steve McQueen』も良いアルバムだよ。でもいつまで言ってるんだよ、もうそれは一旦いいよ。たまにはこっちも聴こうよ。だって贔屓目抜きにして、絶対こっちの方が良いもん。Roxy Music, Tears For Fears, The Blue Nileといった本物達を手掛けてきたCalum Malcolmによる洗練された音風景。"Mystery Of Love", "Steal Your Thunder", "Swans"のメロディは特に素晴らしい。一生聴ける名盤。
Title Fight - Hyperview (2015)
2010年代の特に中盤はエモが面白かった時代で、MineralやAmerican Footballなどで育った世代が、シューゲイザー・クラウトロック・ニューウェイヴなどの影響を受けて独自のエモアルバムをリリースしていた。本作はその代表例。1982年~1986年頃のKilling Jokeみたいなコーラスのかかった軽いギターがシューゲイザーのように軋み疾走していく様は圧巻だ。そしてどれだけシャウトしても隠し切れない憂い。"Your Pain Is Mine Now"なんて、世界が止まるほど美しい。
Into It Over It - Figure (2020)
Pinegroveがレイドバックした新作でやや失速を見せた2020年、同じようなキャリアを歩んできたInto It Over Itはキャリア屈指の名作である本作をリリースした。リヴァーヴ・ディストーション・クリーントーンの使い分けが見事な、実に風通しが良く爽やかな音。このシーンの特徴である「かっちりしたプレイと張り裂けそうな感傷の両立」を損なうことなく進化させている。2021年現在、Title Fight, Pity Sex, You Blew It !, Cymbals Eat Guitars, Brand Newは解散してしまい、The Hotelier, Pinegrove, The World Is A Beautiful....は停滞状態にある。その中でこのバンド、このアルバムの存在感はひときわ輝いている。
Mansur Brown - The Benji B Sessions
新作『Heiwa』からの曲を中心としたセッション。正直なところまだ『Heiwa』の良さを理解できていないが、このセッションは”見てすぐわかるすごいやつ”だ。かっこよすぎる。
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