Humdrum 『Every Heaven』 (2024)
6/10
★★★★★★☆☆☆☆
まず思い出したのはThe Pains Of Being At Heartのデビュー作(2009年)と2nd(2011)。全体的な淡い雰囲気——夏休みの市民プール帰りに17アイスを食べてるような——がよく似ている。そしてやたらとアルペジオを弾くところはスピッツのデビュー作(1991年)も思い出した。
他にはRideの『Fall EP』(1990)、Sulkのデビュー作(2013)、そして一曲目”Every Heaven”はThe Cureの”Justと Like Heaven”も近い。一方で、よく比較されているSlowdiveには似ていない。Slowdiveがこんな無邪気でジャングリーだったこと無いからね。
本作だけでは評価しようのないところがある。完成度(というより再現度)は非常に高いし聴いていて心地良いが、いかんせんこの手のジャンルの音を表面的に再現しただけという趣味的な感じが出すぎているし、曲の粒もまだまだ小さい。
ただ別の見方をすると、ギタポ/ネオアコというジャンルの歴史は、余計な個性を持たない純潔なバンド達によって細々と保たれてきた側面もあるので、このアルバムもまたその歴史の火を繋ぐ最新の一枚というように位置付けることもできると思う。
いずれにしても良い雰囲気を持っているバンドなのは間違いないので、次作も早く聴いてみたい。
全曲同じくらい良い。"Eternal Blue"が好き。