地方のスモールビジネス備忘録。自分はどっち?スタートアップとの違い。
自分の事業が「スモールビジネス」なのか「スタートアップ」なのか、考えたことはあるでしょうか。
商品やサービスについて考える前に、この部分をちゃんと考えて認識しておくのは重要だと思います。
何故わざわざ認識するのが重要かというと、自分の事業がスモールビジネスだと認識しているかスタートアップだと認識しているかで、同じ言葉に対する認識が全く違うものになってしまうことがあるからです。その結果として事業に関する意思決定と行動のベクトルが大きく変わってしまいます。
そのため、自分の事業がどっちなのか意識的に認識しておくことが、情報を受け取る時、その情報をもとに意思決定を行う時、それを誰かに伝える時など、それぞれの段階で起こり得るトラブルを予防することに繋がります。
この場での定義について
スモールビジネスやスタートアップという言葉は、定義があいまいな状態で使われることがあるので、今回は次のように定義したいと思います。
スモールビジネスは、事業で生計を立てることが目的。
スタートアップは、革新的な技術やビジネスモデルで市場開拓して大規模な事業を作り、株式公開や企業買収を通じて創業者や出資者が大きな利益を得ることが目的。
認識の違いが意思決定に与える影響
同じ言葉に対する認識の違いが、意思決定と行動にどんな影響を与えることがあるのか、「資金調達」という言葉を例に見てみたいと思います。
まず、自分がスモールビジネスだと認識している場合の資金調達に対する考え方は、次のようになるかと思います。
- スモールビジネスの資金調達
「この事業を行うのに設備資金が500万円必要で、運転資金は300万円必要。事業計画と返済計画を作って銀行融資を受けて、事業スタート。事業拡大の際は改めて新規借入を検討する。」
一方、自分がスタートアップだと認識している場合は次のようになります。
- スタートアップの資金調達
「まずは投資会社から資金調達を行ってPMFを達成、その後は1年半後のIPOを念頭にスケールに必要な資金調達を行ってイグジット達成する。」
このように、自分の事業をどのように認識しているかの違いで、同じ「資金調達」という言葉に対する考え方と行動に、これだけの差が生まれることになります。
自分の事業の立ち位置を意識的に認識しておかないと、本来はスモールビジネスという文脈で理解すべき言葉をスタートアップ視点で認識させられてしまったり、漠然と認識したつもりになってしまったり。ということが起こってしまう恐れがあります。
具体的なミスの例として、さきほどの「資金調達」で言うと、スモールビジネスにも関わらず事業計画をスタートアップのような成長曲線で描いてしまい、銀行ではなくVC(ベンチャーキャピタル)から資金調達を行う意思決定をしてしまう、といったことが起こり得ます。
スモールビジネスの場合、VCからの資金調達の方が金額的に高くつくケースが多いため、数年後にVCへの配当や株式買取のために、結局銀行から融資を受けることもあります。(※VCのメリットは資金以外にもあるため、全てのスモールビジネスで銀行融資が良くてVCが悪いという話では全くありません!)
起業前の方も。
資金調達の例が長くなってしまいましたが、起業を目指して準備中の方にとっても、自分がどちらを目指しているのかを認識することは意味があるかと思います。
起業に関する情報が氾濫する中で、自分の軸を持っていないと、多くの情報に流されてしまいます。
もしかすると、起業=スタートアップという刷り込みで、革新的なビジネスモデルが作れないと焦ったり、スモールビジネスはダサいと感じている方もあるかもしれません。
そんな時は、いちどフラットな感覚で、自分の想いを実現するのに適した事業の形はどっちなのか、ゆっくりと考えてみるのも良いかもしれません。
以上、地方のスモールビジネス備忘録でした。
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