地方のスモールビジネス備忘録。「とにかく起業したい」は有り?無し?
「まだアイデアは無いけど起業したい!」という人がいた時に、どのような声を掛けるのが良いでしょうか。
今まで、起業は単なる手段で目的にはなり得ないと批判的に捉えていたのですが、世代ごとの価値観の変遷に関する以下の記事をみたときに、そもそも良い悪いで判断する価値観が古いのではと反省させられました。
日本FP協会 小学生『将来なりたい職業』ランキング
就職企業人気ランキングの変遷に見る学生の志望企業
世代による仕事観の違い
デジタル技術の急速な発展や人口減少による成長力の逓減などによる社会経済情勢の変化に伴って、働くということに対する意識が変わり続けています。大企業を目指したり、企業規模よりもやりがいを重視したり、自分の力で稼ぐために独立起業を目指したり。。。
一方で、人生の中でも大きな選択のひとつである職業選択という場面において、「安定」が重要という価値観は変わらないようです。
安定志向とはいえ、最近では必ずしも大企業や有名企業への就職が安泰では無いという認識があり、精神的にも物理的にも起業のハードルが下がってきていることから、個人のスキルで食べていくという感覚に違和感がなくなってきているのだと思います。
子供の将来の夢ランキングの変遷を見てみると、スポーツ選手のようなヒーローの人気は世代が変わっても共通していますが、最近ではYoutuberのように自分の好きなことを仕事にしている(ように見える)職業が上位にランクインしています。
このような流れと並行して、国の方針としても地方の人口減少対策や雇用確保のために起業を重要課題として位置づけ、行政側からも様々な施策が行われています。起業については、開業率を現状の4%台から10%を目標にしており、地方において独立起業を推奨する流れの土台となっています。
ボトムアップとトップダウンの両面から、独立起業的な働き方を良しとする雰囲気が醸成されているため、同じ「安定」という切り口で考えた時でも職業の選択は多様になっています。
就職と起業が同列の時代
起業が目的化している状態は「無し」だと思い込んでいましたが、起業と就職の価値観の変遷を見てみると、どちらも本質的には同じ悩みで世代ごとの社会状況が違うだけなのかもしれないと感じました。
起業に際して想いの強さとアイデアは重要ではありますが、「起業自体が目的はダメ」と決めつけるのではなく、どのような経緯で起業したいと思ったのか、相手の価値観の背景を理解してそれに沿った対話ができないと、役に立たないどころか場合によってはその人の可能性を狭めてしまうことになりかねません。
今後は、古い価値観を前提とした一方的な話を無意識的にしてしまっていないか意識しつつ、価値観のアップデートを続けていく姿勢が求められると、自戒も込めて強く感じました。
最後に、もしも「起業が目的なのは良くない」「そもそもなぜ起業したいのか」と言われて悩んでいる方がいましたら、人の意見はあまり気にせず、自分の直感を信じて進んでみると結果は後からついてくるのかなと思いました。
以上、地方のスモールビジネス備忘録でした。
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