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香りのととのい

近ごろ、香りの世界が気になる。

気になるといっても、世はあまりにも様々な香りに溢れているのでなかなか探求ジャンルを絞り込むのは難しい。

例えばアロマテラピーや香水。
アロマテラピーが自然由来の成分によって心身の調整や美容などに用いられる香り療法とすると、
香水はそこに化学を加えファッションや自己表現をブラッシュアップする香り化粧品という位置づけだろうか。

人の好きな香りというのはそれこそ食べものの好みぐらい千差万別であり、同じ香りでも良いと感じる人もいれば逆に苦手と感じる人もいる。
けれど何となく、仲良くなる人々とは同じ系統の香りが好きな場合が多い気がするのも不思議である。

最近、アロマテラピストの友人と商品づくりをする機会があり、よりその世界の奥深さに興味が湧いた。
様々な精油をブレンドして自然由来なのに自然界にはない新たな香りが生まれていく。そのパターンは無限だ。

音や味覚と同様、香りをテキストにすることの難しさにも直面した。
香りを文面で表現しようとするとどうしてもポエティックにならざるを得ない。
おそらく人はこれまでに嗅いだことのない香りを想像できないので、それに似たイメージを記憶から呼び起こすためだ。

実は嗅覚というのは五感で唯一、脳で記憶をつかさどるとされる"海馬"にほぼ直接的に信号を送ることができる感覚らしい。
確かに、香りを嗅いだ瞬間にそれまで忘れていたような昔の記憶がフラッシュバックすることはよくある。

ということは逆に、ポエティックな文面から記憶の引き出しにアプローチすることによって、人はその香りのニュアンスを直感的に想像することができうるのかもしれない。
"甘酸っぱい初恋のような香り"とか"夢の中にいるような幻想的な香り"といったように。
あくまでイメージに過ぎないけれど。

さらに香りが脳にもたらす作用として、
海馬を含む大脳辺縁系(記憶や感情) と 大脳新皮質(理性や知性)の活動のバランスを整えるそうだ。

つまり、精神が超安定する。

自分にとって心地よいと感じる香りを嗅ぐことによって、実は脳のモヤモヤが整えられている説。

そんなことを考えるようになってからますます、
自身が最高と思える香りとの出会いを探求して脳を癒したい今日この頃である。

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