高校の卒業式当日におけるヘアサロンあるある
高校の卒業式があった日、
午後からヘアサロンは「ついさっきまで女子高生だった女の子たち」にジャックされる。
待ちに待ったヘアカラーデビューをするためだ。
校則でヘアカラーを禁止されているので、
夏休みや冬休みに期間限定でコッソリ染めて、
新学期までにまた黒く染め直すのくり返し。
涙ぐましい努力を経て、
彼女らは溜まりに溜まったうっぷんを解き放つ。
就職組や専門学校への進学組は、
またまた規則があって
あまり思い切ったヘアチェンジはしないが、
大学へ進む組は、
ここぞとばかりにド派手に髪色を変える。
なんてったって18年生きて来て初めてのことだもんね。
一気にあか抜けた鏡の中の自分を見て、
“周りから後れを取らない姿”かどうかをチェックする。
「これなら女子大生に見えるかな。」
今から進む道に期待を膨らませて、
“今まで見たことない自分”を思う存分堪能する。
これから服を買って、
メイクを覚えて、
「キレイなお姉さんになる支度」を整えるのだろう。
そんな一部を担えて、
なんだか心が温かくなる。