女性とケアワーク
先日Chooselifeprojectのオンラインイベント「"クソどうでも良い仕事" は誰のため? 〜ブルシットジョブとエッセンシャルワーク〜」を視聴しました。
ブルシットジョブとはイギリスの文化人類学者デヴィッド・グレーバーにより提唱された概念で、日本語では「クソどうでもいい仕事」と訳されています。
「これ必要なのかな?」という長い打合せ、もっと効率化したいのに「伝統的」に受け継がれている無駄な作業、クライアントを誘導するために敢えて作る「捨て企画」などなど…自分の仕事に当てはまることだらけで、「ああ、わたしはブルシットジョブをしているんだな…」ということをまざまざと実感しました(無駄な業務が多いことは気づいてはいたのですが、「ブルシットジョブ」と明確に名前がつくとなかなか悲しいものです)。
さらにイベントではブルシットジョブと対比するものとしてケアワークについてのお話がありました。
コロナ禍でにわかに注目を浴びるようになった「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる職種の方もケアワークに該当します。特徴としては無くてはならない仕事だけれども対価が少ないこと。そしてその労働の担い手の多くが女性であるということです。
わたしが勤める会社の男性は、結婚していてパートナーが専業主婦という方が多くいます。夫婦共働きの人も、男性はフルタイムで働き、女性は時短勤務で子育てや家事労働を主担当としている方ばかりです。
そのような男性たちがどうしてフルタイムで仕事に打ち込めているかと言えば、女性が家事労働を引き受け、男性をケアしているから。なのに、このケア労働が軽んじられている。
わたし自身も会社員の父と専業主婦の母という家庭で育ちました。
母が身の回りの世話をしてくれ、母のサポートがあったから部活や学業に打ち込めたにも関わらず、学生時代は「お金を稼げる方が優れている」という価値観のもと、「お母さんみたいな専業主婦にはなりたくない。働いて自分でお金を稼ぎたい」なんて不遜な考えを持っていました。
遅まきながらケアの有難みに気づいたのは本当に最近で、結婚して自分で家庭を運用するようになってからでした(しかし我が家の家事労働は夫と半々なので、母の苦労を実感しているとは到底言えません)。
ありきたりな感想しか言えないのですが、番組を通じて「ケア」の見直しがこれからの社会に急務であることを感じました。一方で、恐らく母自身も「ケア」を低く見ていただろうと思うと、一朝一夕には覆らないであろう根深さも感じます。
エッセイストの犬山紙子さんは、妻である犬山さんがお金を稼ぎ、夫の劔樹人さんが専業主夫として家事労働を担う、という役割分担をしています。
劔さんはご自身が稼いでいないことに負い目を感じることもあるそうなのですが、そんな時に犬山さんは「わたしが外で稼げるのはつるちゃん(劔さん)が家のことをやってくれるから。だからわたしが稼いだ半分はつるちゃんが稼いでいると思ってほしい」と話すそうです。
このような考え方が広まり、「ケア」の現実的な底上げがされるよう望んでいます。
ケアを軽んじる空気はわたしの世代で最後にしたい。ケアがきちんと尊重される社会はジェンダーの格差も是正されているだろうと思います。
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