国際ニュース TOP3 (6月11日)
1位:欧州議会選挙、右派・極右が伸長
5年に一度の欧州議会選挙が実施。
今回は全720議席。人口比率に応じてEU各国へ議席が割り振られる。議席数はドイツ(96)、フランス(81)、イタリア(76)、スペイン(61)ポーランド(53)がトップ5。
EU市民が自国の政党に投票。各国政党は国を越えて、同じ政治思想の会派に属している。欧州議会はその会派で構成されている。
3大会派は、中道右派のEPP(欧州人民党)、中道左派のS&D(欧州社会民主進歩同盟)、中道リベラルのRE(欧州刷新)。全て親EUの会派。
今回の議会選挙で3大会派は403議席を獲得し過半数を維持したが、14議席減となった。
反EUの会派である、極右のID(アイデンティティーと民主主義)、右派のECR(欧州保守改革)が130議席を獲得し、12議席増となった。
フランスのルペン氏や、イタリアのメローニ氏などの極右・右派政党が躍進したことが理由。
選挙の主な争点は経済、移民、国際紛争だった。物価高、移民問題、ウクライナ支援の長期化などに不満を持つ有権者の票が、極右・右派政党へ流れた可能性がある。
今後の予定は、欧州理事会が委員長候補を選び、今回決まった欧州議会で採決し、過半数を得た候補が委員長となる。親EU会派議員が過半数であり、EPP所属のフォンデアライエン現委員長は再選を目指している。
<補足>
EUの主要機関は3つ。欧州理事会、欧州議会、欧州委員会。各機関のメンバー決定プロセスは以下の関係。
理事会メンバーは、EU各国の首相や大統領。
議会メンバー(議員)は、EU市民の直接選挙で決定。
議会選挙後、理事会が委員会の委員長候補を選定。
議会で過半数を得た候補が委員長に決定。
EU各国から1名、委員候補を選定。
委員長が委員候補を承認。
議会が委員候補の全体構成を承認、委員会メンバーが決定。
2位:マクロン氏、極右に敗北で下院解散
フランスのマクロン大統領は9日、自身の与党連合が欧州議会選でマリーヌ・ルペン氏の極右政党、国民連合(RN)に大敗した。
マクロン氏はこの結果を受けて、フランス下院議会の解散総選挙を決定。
1回目投票が6月30日。決選投票が7月7日。
3位:ベラルーシ、ロシア戦術核演習
ベラルーシ国防省は10日、ロシア軍の戦術核兵器の使用を想定した演習に参加していると発表。
ウクライナへ軍事支援を続けるNATOを牽制することが目的。
ロシアは昨年、ベラルーシに戦術核兵器を配備した。