国際ニュース TOP3 (6月1日)
1位:トランプ氏、有罪評決
トランプ前米大統領が昨年3月に起訴されていた不正会計事件。ニューヨーク州地裁の陪審員は30日、業務記録改ざんの罪で有罪評決を出した。
2016年の大統領選の前に、不倫相手へ「口止め料」13万ドル(約2000万円)を支払うため、当時顧問弁護士だったコーエン氏に支払ってもらい、その返済を「弁護士費用」として会計処理したことが事件の内容。
量刑は7月11日に決まる。業務記録改ざんの最高刑は禁固4年だが、初犯で実刑のケースは少なく、罰金や保護観察が一般的。
トランプ氏は今年11月には米大統領選挙への出馬を予定している。有罪でも出馬は可能。しかし無党派層の支持離れの可能性がある。
トランプ氏は報道陣に対し無罪を主張し、不正裁判だと非難した。氏の選挙陣営によると、今回の評決後に資金集めオンラインシステムへのアクセスが殺到し、支持者から3480万ドル(約54億円)の献金が集まり、29.8%は新規の献金者だった。
トランプ氏の支持派サイトでは、陪審員への攻撃、ニューヨーク州地裁判事の殺害、武装蜂起を求める投稿もあった。
2位:バイデン政権、ロシア領攻撃を一部容認
ブリンケン米国務長官は31日、バイデン米大統領が米国製兵器によるロシア領攻撃を承認したと発表した。
ロシアによるウクライナの国境都市ハリコフ州への越境攻撃に対する反撃が目的。国境沿いのロシア部隊や軍施設への攻撃が想定されている。早ければ数日以内に攻撃が開始できる。
ロシアは核保有国のため、今まで米国製兵器によるロシア領内への攻撃を認めてこなかったので、大きな方針転換となる。
攻撃範囲はハリコフ州のみに限定しており、長距離地対地ミサイル「ATACMS」の使用や民間施設への攻撃は認めていない。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は今月26日と30日に、NATO加盟国の武器使用制限の一部解除を検討すべきだと表明し、フランスのマクロン大統領も28日、ドイツのショルツ首相との共同記者会見で、ロシア領の攻撃を認めるべきとの発言をしていた。
3位:米中国防相、アジア安保会議で会談
アジア安全保障会議が5月31日から6月2日まで開催。
31日、米国のオースティン国防長官と中国の董軍国防相が75分間の会談を行った。
オースティン氏は、台湾の頼清徳(ライチントー)新総統就任後の23、24日に、中国が台湾を包囲して実施した軍事演習について、台湾の政権移行を軍事的威圧の口実にすべきではないと主張。これに対し董氏は、米国が中国の内政に干渉するべきではないと反論。
オースティン氏は、中国船による南シナ海でのフィリピン船への妨害行為については「航行の自由」を強調。また、ウクライナ侵攻を続けるロシアの防衛産業を中国が支えていることも指摘。
董氏は、4月に米軍がフィリピン軍と行った合同軍事演習での中距離ミサイル配備について、地域の安全保障を脅かしていると非難。
その上でオースティン氏は、米中間の軍事的な意思疎通を維持することを強調。双方は数カ月以内に両軍の司令官レベルの電話協議を再開することを確認した。また年内に、国防当局間で危機時の意思疎通に関する作業部会を開くことで一致した。
アジア安全保障会議には、ウクライナのゼレンスキー大統領も6月1日に現地入りし、2日に講演する。オースティン氏とも会談する予定。