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COP29の歩き方(9)〜パビリオンを実況中継(その3)
COPの歩き方(7)からお届けしているパビリオン紹介も、3回目。
前回はこちら。
アフリカ、欧州、中央アジアと亘ってきましたが、今回は、中東から始まり、東・東南アジアを経て、島嶼国、さらに南・中央・北アメリカ(Americas)へと続きます。
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昨年の開催地ドバイを含む、アラビア半島の4カ国が出展。
産油国ということで批判を浴びることも多いですが、だからこそ、いかに脱化石燃料を果たし、次のフェーズへと移行していくかに腐心しています。
とりわけ変化が著しいのは、サウジアラビア。
先日、14年ぶりに再訪しましたが、あまりの変貌ぶりに目を見張りました。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)が、経済と社会を現代化すると共に、石油依存から脱却し、持続可能で多様性に富んだ国家を目指すとした壮大な計画「ビジョン2030」を発表して以降、別の国家になりました。
未来型スマート都市を建設する壮大なプロジェクト「NEOM」など、中東アルアルの施策もありますが、ブースでは、技術立国を果たすロードマップが描かれていました。他の産油国と比較し、これから人口増加が見込まれることから、雇用創出が喫緊の課題ですので納得です。
他方、他の3カ国は、王国流のもてなしに終始している感がありましたね。
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イスラエルは、超一流の技術大国ですから、「環境」のテーマの元に、様々な先端技術の見本市と化していました。日本も同じようなものでしたが(^^ゞ
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アジアに目を移すと、やはり中国は群を抜いていました。
ここでは1枚しかご紹介しませんが、国力を見せつけるような、数コマぶち抜きのブースを構えていました。
また、COPオリジナルのノベルティーと思えるようなストラップを用意。群がる来場者に「セッション後、アンケートに答えてくれたらお渡しします」と参加を強要。欲しいがために、参加した人も多いようでした。(小さく「China」とロゴが入っていたので、私はスルーしました)
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ASEAN諸国は、自国の生物多様性をPRする内容が多かったのですが、金融に加えカーボンクレジットでもハブ化を目指すシンガポールは、ビジネスライクなテーマとなっていました。
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さて、プレナリーや専門会合において、自分たちの要求を淡々と主張する敏腕の交渉官を抱える(と個人的に感じている)AOSIS(Alliance of Small Island States:小島嶼国連合)。
ブースの方も洗練されており、好感が持てました。(写真は朝の早い時間帯でしたので閑散としていますが、通りすがりでない、明確に目的を持った来場者が訪れていたように思います)
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来年のCOP30の開催地であるブラジルは、気合いが入っていましたね。
この写真の奥側がイベントスペースになっており、期間中タイムテーブルはぎっしり。それでいて、しっかりと集客もできているのはさすが。着席すると、すっとヘッドセットを手渡ししてくれるなど、スタッフのオペレーションもスムーズでした。
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最後は、北アメリカでフィニッシュ。
直前に「もしトラ」が「ほんトラ」になり、設営で入っていたスタッフは、開票時にはメディアに釘付けになっていたそうです。それが、出展内容に影響を与えたかは定かではありません(^^ゞ
次回ご案内しますが、「連邦はパリ協定を脱退しても、私たちは留まるぞ」という企業、機関投資家、自治体、NGOなどが結集した「America is all in.」のブースは、逆に盛り上がりを見せていました。
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ということで、各国のパビリオンについてご案内してきました。
続いては、国際機関や国連機関をご案内したいと思います。
よろしくお願いします。
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