FLAG向けガイドラインのリリース(5)
ガイダンスの説明も5回目まで引っ張ってしまいました。すみませんm(__)m
ローンチウェビナーで、FLAG目標の設定例が紹介されていましたので、このシリーズも、これで締めくくりたいと思います。
4回までは、こちらからどうぞ。
想定されているC社は、食料品や雑貨を専門に扱う米国の大手小売企業。
SBT目標を設定し、排出量の削減に初めて取り組もうとしている設定です。
同社はFLAG指定セクター(食料品・日用品小売業)に属しているため、FLAG目標も設定しなければなりません。
FLAG目標と全体目標は、同じ基準年と目標年を使用することが推奨され、かつ、目標年次は、提出後5-10年以内。そこで、C社は、基準年を2019年、目標年を2027年に設定しているとのこと。
この場合、コミットメントは、このような形になりますね。
それでは、算定結果を見てみましょう。
インプットしたデータは、こちらです。
目標設定アプローチは、総量削減軌道アプローチ。
シナリオは、1.5℃シナリオ。
これまでに説明してきたように、FLAG排出量とエネルギー/産業排出量は別々に算定する必要がありますが、ちゃんと区別されてますね。
小売業であり生産はしていないので、このように、スコープ1・2のFLAG排出量は存在しません。「仕入れ」のみですから、スコープ3のカテゴリー1のみとなっています。
2027年までに24%削減を目標としているので、サマリーはこうなります。
FLAG目標が「Commodities」と「Rest of Sector」に分かれていて、「Rest of Sector」にしか数字が入っていない理由は、こちら。
FLAG目標は、「FLAG Sector Pathway」と「Commodity Intensity Pathway」という2つの経路から選ぶことができます。C社は小売業なので、前者を選んでいるということですね。(名称は「Rest of Sector」になってますが)
目標設定については、SBTi謹製ツールをご活用下さい。(3回目で紹介済)
このツール以外にも、SBTiは目標設定にお役立ちのツール、資料を用意しています。十二分に活用しましょう。
ということで、ホントに大ざっぱではありましたが、リリースされたばかりのガイダンスの概要をご紹介してきました。後は、年末に予定されているGHGプロトコルの「Land Sector & Removals」のファイナライズを待って、自社のFLAGセクターの算定及び目標を完成させましょう。