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COP29の歩き方(4)〜COPはエコプロになるのか?!

COP参戦記、第4回目。
3回目でアナウンスしたように、勝手問題提起、第2弾をお届けします
勝手問題提起の第1弾は、こちらです。

一言で言うと「狩猟型か農耕型か」というもの。

今回は、その役割について私見を述べたいと思います。
まぁ、初参加(で恐らく2度目は無い?)ということもあり、何もかもが新鮮で目新しかったため、常連の方々にして見れば「当たり前」を「当たり前」と思えなかっただけかもしれませんが。

COPはエコプロになるのか

さて、皆さんも良くご存知の、エコプロ。毎年年末の風物詩のようになっている感がありますよね。エコプロは、日本最大級の環境展示会として、かつては企業の環境担当者にとって欠かせない情報収集とネットワーキングの場でした。

しかし、近年はその姿が少しずつ変わりつつあります。学校教育の一環として利用されるケースが増え、一般向けの展示会としての側面が強調されるようになってきたからと認識しています。

自身、新たな技術の発見や新しいコネクションなど、ビジネスに寄与するメリットが見出せなくなったこともあり、数年前から足を運ばなくなりました。来場者がリーチしたい層とは異なるとして、出展しなくなった企業もあると聞きます。(あくまでも、伝聞です)

今回初めて参加して、「10年後のCOPは今のエコプロだろうか」と思わずにはいられませんでした。

COP公式の発表によると、昨年ドバイで開催された、COP28の約65,000人と比較し減少したとは言え、約32,000人の参加者が登録されていたそうです。

今年は、主要な金融機関の幹部が参加を見送ったフランスやアルゼンチンの主要交渉担当者が会議から撤退する等、特殊要因があったようですが、昨年のエコプロ来場者数(66,826人)程度は毎年、開催地へ集まる訳です。

エコプロは、出展企業以外は1回しか会場を訪れないでしょうが、COPは期間中、参加者は通い続けます。ホスト国のロジスティックス負荷は相当なものです。今回、通い詰めて実感しました。

事務局や締約国が国連の規則に基づき負担するとは言え、ホスト国がほとんどの開催費用を負担します。会場だけでなく、空港や地下鉄の駅など、来場者の動線上の代表的なポイントで、ボランティアの方々が案内を行っていました。(私も、何度も助けられました)

このような、人的負担は、如何ほどのものでしょうか。

これだけの負担をホスト国に強いていながら、参加できるのは、環境問題に取り組む各国交渉団や政府関係者、国際機関、環境問題に取り組む企業やNGO/NPOなど、そしてメディアです。

そもそも、環境問題を議論するときには「仲良し会」になりがちだと考えています。

課題を共有しようとする際は、環境に対する「感度」が高い人ばかりが集まります。そこでは、結論、着地点は決まっています。COPについても同様です。もちろん、環境NGO/NPOなどは、議論の方向性をウォッチし、批判を繰り返しますが、目的は各国の交渉団と同じです。

プレナリーの様子

皆さん、今の地球を、未来に引き継いでいきたい気持ちは変わらないでしょう。単純に、それに至るパスにの考え方の違いだと認識しています。(例えば、ドラスティックに変えるのか、ステップを踏んで、フェードイン・フェードアウトしていくのか)

ですが、世界では「感度」が高くない人がマジョリティー。議論の行く末に関心を示すことはあまりありなく、激甚災害の増加は感じているものの、支出増に繋がる施策が具現化した際に、初めて気付くことになります。

このような「二極化」の存在に、ほとんど気づいていない「感度の高い人」が多いのではないでしょうか。

だからこそ、「COPはエコプロになるのか」という疑問が湧いたのです。

実は自己解決しているのですが、そもそも、エコプロになることはできません。先に述べたように、COPに参加するには「アクレディ」が必要で、特定の人にしか発行してくれないからです。(取得の困難さは身をもって痛感しました)

誰もが無料で登録できるエコプロであれば、現在のように、広く呼び掛けて来場してもらい、それぞれが学び、見識を深めていけばよいのですが、COPはそれができない。

それでいて、相当のコストをかけて毎年実施するのであれば、参加が叶った「感度の高い人たち」が「二極化」を認識し、それぞれのネットワークで、COPで得た知見を広めていくことが、来場者に与えられた責務ではないでしょうか。

COP参加者がエコプロの機能を果たす

メディアは、先進国と途上国の対立や化石賞の発表、資金拠出を迫る環境NGOのパフォーマンスなど、視聴者が求める情報ばかりを報道します。しかし、ほとんどの会合やプレナリーは、ベテランの交渉官が、議長・副議長のファシリテーションの下、淡々と進められます。

COPは劇場ではないのです。

環境NGOのパフォーマンス

ということで、率直な私の感想を含めた問題意識をご案内しました。
お気を悪くなされた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。
何かを、誰かを悪く言うつもりは全くありません。
対比として、エコプロを持ち出させて頂いただけです。

これからも、「サスティナブル」な未来を希求し、活動したいと思います。

引き続き「COPの歩き方」お付き合い下さいね。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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