見出し画像

基準年にはこだわるべきか?

目標を立てるとき、最初にすることと言えば、現状把握。

「まぁ、受けてみるか」という試験もあるでしょう。現状なんて把握してないぜ、という御仁もいらっしゃるかもしれません。

それでも、過去問をざっとでも目を通して、受けるか否かを判断しているのではないでしょうか。やはり、一応現状は把握しているわけです。一度受けてみれば、合格に対してどれくらい距離があるか確認できますので、さらに、何をしなければならないかが分かりますよね。

それは、現状把握の精度が向上したからです。

さて、CDPの回答やSBT認定申請に当たっては「目標」を立てますが、この場合も現状を把握します。普通は、昨年や一昨年のデータを元に排出量の算定を行いますよね。

初年度はこれでよいですが、翌年度以降に回答あるいは報告するとき悩むんです。この「基準年排出量」は変更したら駄目なのか?

  • より正確な、妥当な、適切な排出係数が見つかった

  • 使っていた排出係数がアップデートされた

  • 一次デーが得られたので、産業連関表を使わなくてよくなった

  • 算定対象のカテゴリーが増えた

  • 仕訳が正確にできるようになった

自社やサプライヤーが算定に対してスキルアップするから当然です。
初年度は、何よりもまず算定することが大前提で精度は二の次。
CDPの回答であれば、今年は7月27日が締切です。

ちなみに、日本時間の23:59です。また「submit」のボタンを押さないと駄目ですよ。「save」じゃなくて。提出後でも修正はできます。

閑話休題。
結論から言うと、「基準年」の変更はNGです。
ただ、最新のデータに基づいて再計算を実施し、「排出量」を変更するのはウェルカムです。

CDPもそれを求めています。
正確な算定ができるようになった結果、増えることもあるでしょう。
スコープ3は、数値化が目的ではなく、目標に向かって継続的な削減を行うことが狙いなのですから。

金融機関向けウェビナーシリーズ第3回(CDP)

確かに「一貫性」は求められます。バウンダリーも同様ですが、恣意的に変更することは許されません。しかし、より実際に近づくような変更であれば、積極的に行うべきです。変更の内容にも拠りますが、可能であれば、過去に遡って再計算したデータを載せると、同じ土俵で比較できるので、よりよい公表になりますね。なお、変更した理由は明確にしておきましょう。

金融機関向けウェビナーシリーズ第3回(CDP)

さて、CDPに関して言うと、算定ばかり時間をかけてはいられません。
回答の準備が必要です。マネジメントやリーダーシップに対する質問の回答は、並行して進めましょう。適宜ウェビナーが開催されますから、参加されることをお奨めします。なお、回答は日本語OKなので、ご安心を。

そうそう、SBTも申請が殺到していて、処理に時間がかかっているとのこと。増員したり、フローをストリームライン化したりして短縮に努めているようですが、取引先から期限を切られている場合などは、留意しておいた方がいいでしょう。(Commitment Letter提出だけならいつでもOK)

いずれにせよ、始めることが何よりも重要です。
やったことが報われるのが、この、排出量算定と削減活動。
必ず報われることは、請け負います。
さぁ、みんなで、ガンバロウ。


もしよろしければ、是非ともサポートをお願いします! 頂いたサポートは、継続的に皆さんに情報をお届けする活動費に使わせて頂きます。