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“できる”を追求し、新しい道を拓く中で生まれる可能性 -有限会社鶴田水道設備 鶴田大悟さん-
conneは南九州市の空き家と移住の総合案内所です。こちらのnote『conne channel』では南九州市内で事業を営む地域の人や移住者として新しい取組に挑戦する人などを紹介し、まち・ひと・想いの見える化を進めていこうと思います。
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南九州市川辺町の中心地に創業50年を超える『有限会社鶴田水道設備』は、新築住宅・リフォーム、浄化槽や水道本管など「水」に関する全てのサービスに携わり、まちの人たちの生活にとって不可欠な存在となっています。その3代目として5年前にUターンし、水道設備会社として新しい可能性を模索し続けているのが鶴田大悟さんです。そんな大悟さんから今までの変遷についてお話を聞きました。
インタビュー・執筆・撮影:上 泰寿(ケアの編集者)
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常にできる方法を探し、新たな道を拓く
高校卒業後、地元の川辺町を離れ、関西にある施工管理会社の現場監督として就職した大悟さん。身につけないといけないスキルが多く、社会人2年目は日中に学校へ通い、夜働くという日々を送っていたといいます。その後、4年程は規模の大きなプロジェクトを担当し、24歳で独立しました。
個人事業主の立場で繋がりのある職人のサポートに入り、現場監督の経験も活かしつつ、さらに実践を積んでいきます。
「建設現場の世界は決められた工期の中で作業を終わらせないといけません。だから“できません”“知りません”では多くの関係者に迷惑をかけてしまいます。無理だと思われるようなことも、できる・できないではなく、やるしかありませんでした。だからこそ、常にできる方法を探す思考になることができましたし、それが結果として新しい道を拓けたと感じています。その中での覚悟の決め方を勉強させてもらえました」
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26歳の時に結婚し、今後の子育てや暮らしを考えるうちに31歳で川辺へUターンを決意。家業の『有限会社鶴田水道設備』に合流することになります。社会人になってからは別業種で経験を積み、フィールドも人口の多い都市部だったこともあり、わからないことばかり。まずは、ひたすら日々の事業に励むことに専念したそうです。
「事業を通して感じた課題の一つが若手人材の育成です。若手がどのようにしたら10年後20年後の未来を担う力ある人材へ育ってくれるのか。そこをきちんと考えないといけない。だからこそ、新しいチャレンジを試みて仕事の幅も広げる必要性も感じました。ここ数年では、毎年一人は雇用し、共に事業実績を上げるために日々奮闘しています。」
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土と風の間といった存在だからできること
Uターン後、商工会青年部のメンバーとして地域活動をしつつ、定期的に県外にも足を運び、学びを深めながら新たな繋がりも増やしているそうです。どうして、そのような動きを続けているのか。その根源を辿ると、大悟さんが影響を受けた3人の存在が大きかったといいます。
「一人目は前職の先輩で仕事に対する学びを深める姿勢を教えてもらいました。二人目はいろんな事業をされていてお金ではなく、幸福度をいかに高めていくか追求している人でした。三人目は川辺町のとある先輩で、常に茨の道を歩み、自分の想いを実現している人です。三者三様ですが、そんな人たちに出会えたことはとてもありがたいと思っています。」
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2018年に川辺町にUターンし5年。地域活動以外にも、移住者との繋がりもつくり、ご飯やお酒を共にする仲間を増えてきたのだとか。職種も様々で、そのような仲間の思考やバイタリティに触れることでエネルギーをもらえるといいます。
「僕は地元出身ですが、いろんな移住者とも交流があるからこそ、どちらの視点に立って物事を見ることができます。皆さん、僕が持っていない素敵なスキルをたくさん持っているので困ったら助けを求めますし、逆だったら僕ができることで助けられるようなフラットな関係性でありたいです。」
「接しているうちに“この人とあの人は合うだろうな”と思う瞬間が出てきます。だから、合うと感じる人たちを集めたクレイジーな会という場をたまに開催しています(笑)。」
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挑戦し続けられる土壌を醸成するために
働いてくれる社員が幸せであることが僕の夢を実現するための前提で、自社としての武器を増やし、やりたいことにチャレンジできる環境を整えていきたいと考える大悟さん。
水道設備の会社だからこそ、他社にはない唯一無二の可能性を感じているといいます。そのための投資や種まきは常に欠かさないのだとか。それらが功を奏し、事業の手応えを感じることを増えてきたそうです。
「以前、依頼してくださったお客様から周り巡って新しいご相談をいただいたり、町外でもご依頼いただく機会もあり、これから水道設備会社だからこそつくれる新しい世界があるのではないかと思っています。」
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地域に根付き事業を展開する中で大事にしているのは“自分たちが何をできるのか知ってもらうこと”。さらにいえば、自分たちが自立し、挑戦し続けられる土壌をつくることが地方に住む価値を上げるのではと考えているそうです。
「元々あった武器も大事にしつつ、違った視点で勝負をするのも幸福度の高さに繋がると思います。それが結果として新しい雇用や関係性、信頼を生み、対価として何かが返ってくると考えています。」
「もちろん、新しいことに挑戦している間はきついです。でも、どうやったらできるかを突き詰めていくことで、いつかはきっと報われます。僕らが何かを成すことで、次の世代も可能性を感じてくれます。地方で暮らすことをネガティブではなく、楽しく感じてもらえるような雰囲気を醸していくのも僕たちの役割なんだと思います。」
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できることを常に考える。それは簡単なようで簡単ではありません。どうしても、人は“できない”ことがあるとマイナス思考になってしまいます。
大悟さんの生き様からは、それを払拭するヒントが散りばめられていました。多くの人との出会いや対話をする舞台に飛び込みこと。そして、関わりのある人たちと一緒に思い描く未来を大事にしていること。そうすることで一人ではなく、誰かと新しい道を拓いています。
まちで暮らしていく上でも同じです。みんなそれぞれ“できる”“できない”があって、それを補い合って生きている。だからこそ、日常の営みが生まれている。そんな営みの積み重ねが挑戦しやすい土壌づくりにも繋がっていくのではないか。今回の取材を通して、そのように感じました。
<基本情報>
事業者名:有限会社鶴田水道設備
HP: https://tsuruda-suido.jp
住所:鹿児島県南九州市川辺町平山6613
TEL:0993-56-4152
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