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【ないから作る】 Plymouth Valiant 1971 (2025/2月号)
V8エンジンの制作
さて、先月ボディとシャーシーの仮組みが一通り終わったので、エンジン周りの制作に移りたいと思います。
エンジンは今までも何回かモデリングしてきましたが、一番大変なのが資料集め、特に寸法のわかる資料を探し出すことです。
毎度、役に立つのはYouTubeの車レストア動画ですが、構造理解の助けにはなるものの、寸法がわかりません。また、縮尺スケールの模型では、実車の正確なスケールダウンというわけにはいかない部分の皺寄せが内側に向かいがちで、エンジンルームに影響が出ます。正確な寸法がわかったからと言ってそのまま縮尺してもきちんと収まらないことはよくあります。
Triumphのエンジンを作った時にはシリンダーのサイズから全体の寸法を推測しましたが、今回はクラッチのベルハウジングの図面が見つかったので、こちらから逆算しました。
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1/25 というスケールは、インチで書かれた数値をそのままミリメートルスケールとしてつかうことで縮尺できます。1/25 という縮尺値の意味がそこにあるとはまさに目から鱗! アメプラの縮尺が 1/25 なのはそういうことなのです。
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モデリングするについては、1/25 であることを前提にディティールの取捨選択をします。正確な縮尺では小さくなりすぎるものや、複雑になりすぎるものはその都度全体のバランスを見ながら調整します。
また、目的が「3Dプリントする」ことなので、必要以上に綺麗なトポロジーのメッシュにこだわらないようにします。3Dモデルの目的によっては、全体がひとつながりでないと都合が悪かったり、多角形ポリゴンが無いようにしないといけなかったりする場合がありますが、こと3Dプリント用のデータについては、ブーリアン後のメッシュをクリーンアップしなくても問題ない場合も多いので、モデリングの手間がかかりすぎない程度に別部品として作ってしまってブーリアンでくっつけて出力します。
現状で30以上のパーツに分かれていますが、出力する時には半分程度にはなると思います。
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こちらの画像ではちゃんとエンジンルームにエンジンが収まっていますが、エンジンができた直後の状況では色々と干渉していました。これはシャーシーを作った時のエンジンサイズの見積もりが大雑把だったことに起因しますが、これはまあ想定内のことなので、粛々とぶつかっているところを直していきます。
ただ、結果的に修正が必要だったのはギアボックス付近のフレームのクロスメンバーと、エンジンマウント下のKフレームのみで済みました。思ったより少ない修正でエンジンはきちんと定位位置に収まりました。
このあとは
いよいよ制作したV8エンジンをプリントしたいと思います。また、改良したシャーシーとボディも出力して、エンジンを乗せ、塗装もしていきます。
それとバリエーションとしてスラント6と言われる直列6気筒エンジンがあるので、そちらも作っていきたいと思います。今度はエンジン周りの寸法がわかっているので進めやすいはずです。
では、また。