【ないから作る】 Plymouth Valiant 1971 (2024/10月号)
まえがき
Triumph は引き続き作っていきますが、TR4が一応の完成をみたので、今回から新しいシリーズを始めます。少し前に『ないから作りたいカーモデルの棚卸し』として、キットが出ていないけれど作りたいカーモデルのリストを書き出しました。
その記事を書き終わってふと思ったのは、
「アメ車がない…」
でした。
コルベットやマスタングなど、好きな車がないわけではありませんが、キットのない車を作ってやろうという熱量に欠けていました。
なにかアメ車も作りたいなと思っていたところ、SNSで3Dモデルデータ販売サイトにあった Plymouth Valiant のデータ見た方が、「これをプリントできたらいいのに」と書き込まれているのを見かけました。
この Plymouth Valiant、かのスピルバーグの初期作品『Duel(激突)』で追いかけ回されていた車です。
お話を伺ったところ、似た車種の複数のキットを組み合わせて改造して作った方もいらっしゃるようですが、ズバリのキットは無いとのこと。
これは面白そうだなと思い、3Dモデルデータ販売サイトのデータを見てみましたが、大抵の3Dモデルデータがそうであるように、予想通り3Dプリントが可能なデータではありませんでした。これはデータが悪いわけではなく、レンダリングするなら十分なクオリティのデータで、3Dプリントという目的が要求する項目が非常に多いためです。
大きな点としては、すべての面に十分な厚みが必要ということと、レジンの3Dプリントの場合は内部に閉じた空間があってはいけないということです。
全体を一体でプリント出来るわけではないので、適切にパーツを分割する必要もありますし、パーツの強度を考えた設計も必要です。
結局、3Dモデルデータ販売サイトのデータは使わずに、いつもの写真とブループリント三面図からのスクラッチになりました。
Plymouth Valiant とは?
Plymouth (プリムス/プリマス)は、クライスラー社のブランドです。ダッジなどと同じクライスラー製の自動車となります。Valiant(バリアント)やDuster(ダスター)は1970年代に低迷していたPlymouthブランドを建て直した車種になります。
クライスラーの車は"MOPAR"と呼ばれるシャーシー規格で作られています。
“MOtor”と“PARts”による造語として1920年代より使われている名称です。のちに正式なブランド名として製品パッケージにも表示されるようになりました。
3Dデータを作る…
MOPARシャーシーにはいくつかのタイプがありますが、Valiant はAタイプと呼ばれるシャーシーになります。Dusterも同じAタイプですので、市販のキットの存在するDusterにボディだけ作って上に乗せるということもできそうですが、それはそれで楽かというと、そうとも言えません。
そんなわけで、三面図からボディとシャーシーフレームを作りました。
今回も大きな助けになったのはYouTubeで公開されているレストア動画です。
動画はDusterのレストア動画ですが、前記の通り、同じAタイプのMOPARシャーシーなので、フレームや足回りは同じで、非常に参考になります。
この手のレストア動画見るといつも思うのですが、よくこんなに錆だらけ穴だらけになった車を直そうと思ったなと…
フロントサスはトーションバー、リアサスはリーフスプリング形式です。サスペンションジオメトリを確認するためにざっくりと必要な要素を組み立ててみましたが、実写の写真と見比べても矛盾なく配置できているのでOKでしょう。
エンジンルームを構成する内部パネルと、インテリアのフロアパネルのあたりまで当たりをつけました。後部まで内部パネル類を作ったら、3Dプリント可能なパーツに再構成していく作業となります。
来月中にはプリント始められるといいですね。
あと、どなたか追いかける方のデカいトレーラーを作ってくださる方、もう作ったよという方がいらっしゃいましたらご一報ください(笑)
では、また。