Where have all the flowers gone?
突然ですが、上記のタイトルをあなたは何と訳しますか?
このタイトルは世界で一番有名な反戦歌として、世界中で歌われている一曲の名です。私がこの歌を知ったきっかけはとあるラジオでした。学生時代に京都大学の安保闘争に参加していたある大学教授がこの歌を聴いて自身の持っていた価値観や争いの無意味さを考えさせられたという内容でした。正直この頃の学生闘争でかなりの反戦歌と称されるフォークソングは知っていた。『私たちの望むものは』『アカシアの雨が止むとき』『戦争を知らない子供たち』…とどの歌も歌詞にインパクトがあったが、当時を知らない私からしたらどれもいい歌どまりで終わっていた。況して上記の歌は洋楽だし訳さないと意味が分からない。しかしこの歌に刺激を受けたのは、とある出来事が大きく影響していた。
月日は流れ、高校生の時に私はイギリスのオックスフォード大学に留学していた際に中国思想を研究していた教授にお世話になったのだが、授業中に洋楽の思い出を各々生徒が語る中、私はふと思い出したラジオの話をした際に、その教授は突然大泣きしてしまい、困惑しているとこの歌を歌って下さった。すると周囲の大学生も大合唱でこの歌を歌ったのである。この歌は1955年にリリースされた曲で、学生にとっては懐メロに思える歌かと思われたのだが、当たり前のように歌えるその光景は歌の持つ力、そして色あせることの無い輝きというものを目の当たりにした。日本は昨年ヒットした歌ですらすっかり懐メロになってしまう。況してや10年前の歌なんて忘れ去れていく歌ばかり。そんな中でも残っていく歌、残されていく歌はいつでも忘れることがない多くの人々の脳裏に焼き付いていく歌なのだとこの歌にとても感化された絶大なインパクトが与えられたのであった。
歌は楽しむものだけではない。伝え切れないメッセージ性を含んでいる伝達方法でもあるのだ。反戦歌や軍歌なんて今のご時世歌われることはめっきり減った。歌われない方が良いのだが、戦争は滅んだのか?武器を使った争いだけが戦争なのか?人間対人間が戦争なのか?今病気対人間という目に見えない命を懸けた戦争が行われている。この争いはいつになれば終わるのか?そしてどうすれば人々は幸せに戻るのか?本当の意味での平和とはなんなのか?平和になるには人々は何をすべきなのか?
冒頭に挙げた質問の答えですが、しばしば「花はどこへ行った?」と訳されます。花はどこへ行った?という問いに少女が摘んでいったという問答形式で歌は進められていきます。そして少女は戦争に行ってそのまま戦死した男の墓に多くの花を手向ける。そして最後に聞く。
「Where have all the flowers gone?」