先日、三宅島にある小学校で、 1 年生〜6年生の全学年向けに、法教育として、いじめをテーマにした出前授業を実施してきました。
これまで東京都の島嶼部としては、伊豆大島や八丈島へは行ったことがありましたが、三宅島は今回が初めて。
ご依頼いただいた内容も “いじめ”ということで、これまであまり経験のないテーマで、しかも、約 100 名の全校生徒全員(全学年)に届ける、という、いまだかつてない挑戦となりました。
いじめがテーマであっても、いじめはダメ、という一方的・机上的な話ではなく、現実に起こりうる自分ごとの問題として考えてもらいたい、という思いを込めて、タイトルは「みんなが楽しい学校にするには?」として、ワーク多めの授業に設計しました。
当日は、全学年を、低学年・ 中学年・高学年の3グループに分けて、1時限ずつ順番に体育館で授業を行いました。
冒頭では、数人の登場人物(低・中学年は登場動物)たちが、ちょっとしたトラブルから、いじめの原因にもなるシンキングエラー(まちがった思い込み)を重ねていってしまうオリジナルの物語を紹介し、数人のグループで、登場人物(動物)たちの気持ちを想像したり、シンキングエラーを見つけてみるワークを、ディスカッション形式で行ってもらいました。
中学年以上の授業では、刑法やいじめ防止対策推進法にも触れて、法律面からもいじめを捉えたり、誰にでも尊重される権利があるということを、”人権” という言葉や概念にも触れながらお話ししました。さらに高学年では、現代としては欠かせない、ネットいじめについても考えました。
最後には、つらいときには逃げても良いこと、身近にも制度としても相談できる大人や仕組みがあること、人は誰でも欠点や間違えることがあること、そしてだからこそ、自分の言動や相手の気持ちを気にかけることを大切にしてほしいこと、なども伝えて終了しました。
今回の授業は、学校公開日に合わせて行われたため、保護者の方々も見学に来ており、子どもたちも多少の緊張感ある時間だったかなと思いましたが、どの学年の子どもたちも集中力を切らさず、 一生懸命に考え、ディスカッションして、手を挙げて発表するなど、積極的に取り組んでくれました。
また、理解度や集中力、細かいところでは漢字が読めるかどうかなど、学年によってさまざまに差の大きい小学生の全学年に届ける、ということで、授業の概要や大きな流れは共通させつつも、講義内容やワークに変化をつけたり、表現を変えてみたり、すべての漢字の習う学年を調べて対応させたりと、工夫も必要で、準備もなかなかに大変ではありました。
それでも、学校の全生徒が同じテーマの授業を受け、共通認識や共通言語を持てることのメリットは大きいと思いましたし、そのような授業を担当させていただけたことは、本当にありがたかったです。
今回は、きっとこれからの教育現場では、ますます必要になってくるであろう ”人権” 教育についても、小さな一歩を進めることができた想いがあり、このような授業を行えるやりがいも改めて感じる機会になりました。これからも私自身、子どもたちと一緒に成⻑していきたいと思います!!!