眠り展:アートと生きること_じゃない方
眠り展:アートと生きること_じゃない方
近美の常設展は侮れない。前回のやったりやらなかったりのピータードイグ展の最終日。時間を作って行けた常設展で小原古邨の版画を拝見して会場係の方に思わず尋ねた。
「コレってもしかしての後期ですか? 前期の展示は別にありましたか?」
嫌な予感は当たって前期の展示は別にあったとのこと。
ピータードイグ展は始まってすぐにも来たのに、どうして見逃した、私?
だから、近美の常設展は侮れない。
企画展に惑わされる勿れ。
常設展は4階から、始まる。
そこに、しれっと掛けられたフジタの猫たちの絵。
やってくれるよね。
企画展でみたフジタの絵とのリンク。
山種でいつだったか拝見した川端龍子。
で、金山平三という画家の【菊】という絵。
その構図はアンリ・ファンタン=ラトゥールの静物画を思わせながらのタッチはアンリ・ファンタン=ラトゥールの人物群像を思わせる。
この画家、誰? 知らない。
そしてもっと知りたくなる。
それから、西内利夫という画家の【梅花遊禽】
白梅にとまる小さな五羽の鳥たち。体を膨らませ羽の中に空気を入れて寒さを凌いでいる。
暗い背景から浮かびあがる白梅の花、白い鳥たち。冷え切った空気の中で輝く命。それが見せる既成概念を捨て去らせる甘えのない強い美しさ。
この画家についての知識もないので、言い訳に聞こえても仕方ないが、ただ一枚で見せるその確かな力量に圧倒される。