幼稚園児のオンライン交流をやってみた
こんにちは、confeito37です。
私が暮らす街では、2月末から3週間+4月中旬から1ヶ月半、外出自粛要請と学校閉鎖が続きました。先日、5月26日をもって緊急事態宣言は日本全国で解かれたものの、まだ安心して暮らせるようになったわけではなく、何だかすっきりしませんね。
私には、この4月に幼稚園の年長組に進級した長男がいます。長男が通う幼稚園は小規模でフレンドリーな保護者が多く、社交性が皆無な私にも気の合うママ友が何人かできました。毎日ひたすらマイペースに過ごす長男にモヤーっとした不安を感じていた4月の月末、幼稚園ママ友からの提案があり、まずは仲の良いママ達に声をかけて、ビデオ会議アプリで子供たちが交流する場を作ってみよう!という話になりました。今日は、長男の同級生たちのオンライン交流会をママ友と二人三脚で企画・運営したことを、振り返ってみようと思います。
活動の内容
1. 活動期間と頻度
ゴールデンウイーク後から約3週間、オンライン交流会を行いました。第1週と第2週は週2回、第3週は週3回実施しました。
2. 参加人数
1回につき6人程度の同級生の他に、小学生・年少組・未就園児の兄弟も参加しました。
3. 所要時間
今回は、ZOOMの無料アカウントが複数人数とのミーティングで使用できる時間内(40分間)で交流会を行っていました。
4. 運営の方法
私に声をかけてくれたママ友のAさんが、参加者への連絡と当日のサポートを担当し、私は毎回ファシリテーターをしていました。(この役割分担は二人で話して決めたのではなく、自然な流れでそうなりました。)毎回事前にAさんと私とでLINEで話し合い、アクティビティの内容とやり方を打ち合わせていました。Aさんが開催日毎にグループLINEを作成し、日時・アクティビティ・事前に準備する物(クレヨン、画用紙、折り紙など)を告知していました。
5. アクティビティ
引っ越しで転入した直後に幼稚園閉鎖となってしまった同級生が参加していたので、初回は本人とママの自己紹介をし、幼稚園から配布された母の日用の工作を画面の前で一斉に作成し、できたものをみんなで見せ合いました。
その後は、週1回は絵画工作や口頭発表、もう1回はみんなと一緒にお弁当を食べるという取り組みをしました。5~6歳の集まりなので1つのことにずっと集中するのが難しく、様子を見ながら体を使うゲームやなぞなぞクイズ、折り紙などもやっていました。
6. 日程
週の前半に1回、週の後半に2回目(と3回目)を実施していました。時間帯は、第1週と第2週は昼1時から、第3週は幼稚園再開に向けたスケジュールでやろうということで、朝10時から始めました。
省察
「この状況下でも子供同士が交流できるとは、便利な時代になったもんだ」なんて最初は楽観視していたのですが、Aさんと私はすぐに難題に直面します。それは、どの家庭でもインターネット環境が整っているわけではない、ということ。今回声をかけた人の中に、Wi-Fiが自宅になかったり、あっても回線の調子が悪くてビデオチャットに耐えられない、という理由で参加を見送った人が数名いました。ネット環境は各家庭で異なる、ネットが便利だとしても誰もが同じように享受できるわけではない、ということを自分の事として学ぶ良い機会でした。
スマホでも使えて、機器操作に不慣れな人でも使いやすく、通信状態が安定していて、参加者全員が自由に相互交流ができる、という条件を満たすビデオ通話アプリの選定にも、かなり悩みました。ZOOMとLINEビデオ通話の2つを使い比べた結果、ZOOMが使いやすいという結論に落ち着きました。ビデオ通話アプリは数あれど、ZOOMは多人数でも比較的クリアに会話ができる、通信環境が通話に影響しにくい、個別にミュート設定することができるといった点が優れていると思いました。
今回のオンライン交流会の開始当初は、子供たちは恥ずかしくて無言だったり、ビデオチャットでの話し方がわからない(みんなが一斉に話す、誰かが話していても気づかずに自分の話を始める、状況に合わない話をするなど)といったことがありました。そこで、私がファシリテーターとして子供たちにわかりやすく話しかける(大きくて少し高めの声でゆっくりと話す、話してほしい子の名前をしっかりと呼ぶ、次に誰が話すかを全員に伝える)ことを心掛けたり、子供たちの発言を整理したり、ルール(話したい時は手を挙げる、他の子が話している時は静かにする)やルールが必要な理由(「ZOOMはみんなが一斉に話すと、インターネットの中で音が混ざって、誰が何を話しているかわからなくなる」)を説明しました。次第に子供たちはオンラインで同級生に会うということに慣れていき、第3週では子供たちが自発的に話題を提供したり、私が何も言わなくてもルールを守ったりすることができるようになりました。子供の適応力の高さに驚くことばかりでしたが、同時に、子供たちが複数人数でオンラインでの活動を行う場合には、ファシリテーターの役割とルールを明確に提示することが重要だと感じました。
今回のオンライン交流会には、兄弟も一緒に参加しました。未就園の子たちや年少組の子たちは、状況に合わせて自分の行動や欲求を抑えることができないという点で難しかったのですが、それでも小さい子たちも含めてみんなで会う、ということを全体で楽しむ雰囲気になったのは、見ていて嬉しかったです。一人、小学生のお兄さんが一緒に参加していたのですが、さすが小学生は発表の内容がしっかりしていて、絵もすごく上手で、子供たちはもちろん、母たちにも刺激になりました。長男の幼稚園は年齢別の保育なので、年上の子や年下の子とも同時に交流できたのは、価値が大きかったと思います。
先にも述べた通り、今回の取り組みは、ママ友のAさんの提案がきっかけでした。「子供同士でZOOMで交流できたら」というのは、私もずっと考えていたのですが、実際には段取りを考える時点で難しさを感じてしまい(ただのモノグサです)、実行には二の足を踏んでいました。Aさんは他のママ達とのコミュニケーションがとても上手で、LINEでの連絡も毎回わかりやすくなるように工夫し、私にも毎回いいタイミングで「次回はみんなで〇〇をやってみようと思うんだけど、どう思う?」と連絡が来ていました。Aさんの素晴らしい仕事ぶりに触発され、私は自分ができる役割(ファシリテーター)を担い、自然とAさんとの役割分担を行って、スムーズに企画・運営・進行ができたと思います。一人では決してできなかった。今回はこの一言に尽きます。
できる範囲で、一歩前へ
2月末から我が家ではほとんど外出することなく、長男と次男は喧嘩を頻繁に繰り返しながら動画を観たり、おもちゃで遊んだり、家の中を走ったり飛び跳ねたりと、本当に気ままに過ごしていました。息子たちは幼いけれど、既に他者との交流によって習得する事のほうが、親との関わりよりもずっと深みを持つようになっています。特に長男はとてもマイペースな性格なので、子供同士の交流がない生活を続けることが、私にはとても不安でした。そんな中、今回仲良し友人を中心にオンラインでの集まりを実現できて、私はこれからの生活に少し希望が持てるようになりました。実は、長男はマイペースが過ぎて、結局オンライン交流会にはまともに参加できていなかったのですが、それでも「友達に会える時間がある」ということは楽しみだったようで、「幼稚園に早く行きたい」「幼稚園は楽しいところ」と私に話すようになりました。それだけでも、長男には大きな収穫だったと思います。
普段の生活の場でも、複数の子供たちと同時に何かをするというのは、簡単なことではありません。子供たちが目の前にいない状態で一つの活動をするというのは、いろんな難しさがあるなと今回の交流会を通じて感じました。親として自主的にできる範囲で行ったことではあるけど、もっと良いものを作れるようになりたいと思いましたし、インターネットや機器を駆使して子供たちの教育サービスを提供する仕事をしている人たちへの敬意が、より一層深まりました。
最後に、私の友人を紹介したいと思います。
新岡唯さんという方で、札幌で子育てをしながら、同じように子育てをする人たちやその子供たちが困っている事に寄り添いたい、と活動をしている起業家です。2月末に学校閉鎖が決まった時、唯さんはものすごいスピードで「おうちdeまなび舎」という、幼稚園年長~小学校低学年向けのオンライン講座を提供する場を立ち上げました。講師は、教員免許保持者や教育経験がある人たちではなく、「子供たちにこれを伝えたい!」という熱い思いを持つ大人。宇宙、遠い外国の暮らし、理科の実験、体を使うアクティビティなど、多岐に渡る内容の講座を毎日無償で提供していました。4月~5月は唯さんが先生となり、朝と夕方に子供たちと交流するということを平日毎日行っていました。予約がすぐに埋まってしまうほど、毎日盛況でした。私が今回、子供たちとオンラインで交流するにあたり、唯さんの「おうちdeまなび舎」での取り組みがとても参考になりました。唯さん、本当にありがとう!
以下は、そんな唯さんが、「やることがない」と困っている家庭のためにまとめた、幼稚園年長~小学校低学年向けの教材のリンク集です。学校は再開したけど、学校で提供される教材以外にも取り組みたい場合や、幼稚園児でも知的欲求の高いお子さんがいる家庭に、とても役に立つ内容です。
長男もいよいよ明日から幼稚園へ登園します。これからの生活が、子供たちにとって平穏であることを、心から祈ります。
今回はなんだかとても長くなってしまいました。
それでは、また。Have a good one!