「ひとりアドベントカレンダー」活用法
12月1日から25日まで、毎日1本ブログを公開する近年の風習「アドベントカレンダー」。一般的には複数の人で分担するものを、今年も1人で25本やることにした。
友達がいないからではない。暇ではない。頭がおかしいわけでもない。マゾヒスティックな取り組みだが、そういう性癖も、多分ない。
ではなぜ、そんなことをするのか。
今日から始めるにあたり、なぜ、何のためにやるか、どういう効果があるかを、お伝えしておこうと思う。
頭の中から出し切りたいネタが出てきた
今なぜこのタイミングでやるのかというと、自分の頭の中から出し切りたいネタが出てきたからだ。
去年もやった。2019年に200本のセミナーやイベントをつくり、セミナーづくりをやり切った感があったので、その知見を頭の中から出し切って整理するため、2020年はセミナーのつくり方を50本くらいnoteに書き、新型コロナによるオンライン移行の流れに乗じて著書も出版した。
方法論を考えながら実践の量稽古を重ねれば、自分の体に染みついたやり方を、人に伝わる詳細な言葉として体系化できるようになる。それを実際に記事にすべく、言葉に落とし込み構造化すれば、頭の中も整理されるし、考えを巡らせる過程でも脳は刺激されるし、搾り出された文章を見ることでまた新たな着想を得られることもある。まあ、これは文章を書くことが性に合っている自分の頭の特性かもしれないが。
また、やりきったことを出し切ることで、次に進むように気持ちの切り替えにもなる。また、経験上、惜しげなくノウハウを出し切って発信すると、結果として認知を獲得して、仕事を頼まれることにもなることも感じている。
今回も、そんなネタの機が熟してきた、ということだ。
ぐうたらな人間は、自分を動かす仕掛けを持つ必要がある
そもそも人はぐうたらな生き物だ。私は平均よりも怠惰な自信もある。「頑張ろう」という精神論で頑張れる人間などほとんどいない。何かしらタガを嵌めなければ、無駄に時間を過ごすことになるだろう。
私のように、一人親方的な仕事をしている人間にとって、お客さん以外の、自分で自分を律する仕掛けを外部に持つことは、案外重要だ。
毎日記事を書いて公開するということを宣言して、誰からも見えるようにすることは、少し先のキャリアシフトに向けて、時間を投資するために、タガを嵌めることになる。
その目的のために、自分を腹落ちさせて動かす口実として、少なからぬ人がやっている、年末のこの風習を使っている。
基本は自分との約束
もちろん、ペナルティがあるわけでもない。よほどの有名人か嫌われ者でもない限り、人に見られている訳でもない。「やるよ」というのは誰でもできるが、やらない人も少なくない。実際、私もやるといってはみたものの、やらなかったということも多い。
形だけやったふりをするのも簡単だ。100文字くらい書いて公開したって、一本公開したと言い張れる。中身のない文章をだらだら3,000字書いてお茶を濁したところで、誰にも指摘はされないだろう。
ただ、自分だけは誤魔化せない。この程度でいいやと思うなら、むしろ潔くやめればいい。
自分の中の自分と、本気で約束できる状態になっているかが、宣言の後の成否を分ける。こんな面倒なこと、本当はやりたくないのだが、やらずにはいられないため、宣言でもして自分を追い込むしかないなぁ、と、ついつい公言してしまう、くらいの方が、実態には近いかもしれない。
自分の「機が熟す」要素
自分のような人間でも「やらねば」と思うときはどんな条件が揃った時か。
自らを省みると、以下のようなものではないかと思う。
上記に則って今回の考えを整理すると、例えば今回は、やり切った知見をアウトプットして自分の中でも次に進む区切りにして、できれば書籍にしたい、という目的や動機がある。
それに向けて、これまで、数人で非公開グループで内々で数万字のアウトプットをしてきたし、直接伝える講座も仕事として取ってきた。出版企画も何人かに相談して練り始めている。
そういった「お膳立て」を自分に対してすることで、徐々に自分の中の機運を盛り上げてきた。
あと、年末や年度末といった区切りは、特に何の科学的な根拠もないと思うが、締め切りとして設定するにはちょうどいいタイミングだ。
人が自分らしく自立することを支援することは、私にとっては、学びの場づくりやコミュニティづくりの実践者を増やすことと並んで、自然と取り組めて、いろいろなところで実績も出せており、自分の使命と感じられるくらいにはなっている。
書くことも、自分の性に合っているのだろう。2020年は121本のnoteを書き、自分で書いた本も出版した。今年は商業メディアに20本ほど、noteにも60本くらいは記事を書いている。アドベントカレンダーで25本書けば100本にはなるだろう。私の場合、得意なアウトプットは「書く」だが、それぞれの人が自分に合ったことをすればいい。
クラスを持つことや、企画などを一緒につくる相手を持つことも、自分を支える力となる。先んじて、そういった状況をつくっておく動き方もするといい。まあこれも、自分の中のぼんやりとした本気が生じれば、少し先からざっくり逆算して、予め仕込んでいるのだとも考えられるが。
1人で続けるやり方
さて、前置きが長くなったが、実際のやり方を説明しよう。
まずはツールに登録し、Facebookなどで「今年もやる」と公言する。
毎日23:59までにnoteを公開するなど、期限を決める。時間をかけたくないので、書き出す時間を自分の中で決める。去年は22時半以降に書き始めるようにして、なるべく1時間程度で終わらせるようにした。
品質は、自分での納得の問題ではあるが、量として3,000字を目安として、一定の内容を、きちんと構造化して説明した文章、くらいに考えている。1時間程度で書くので、てにをはレベルを超えた、構造をいじるような推敲は難しい。
メディアに出す記事ではなく、あくまで目的は頭の中にあるものを強制的に出し切り、それによって言語化・構造化を進めるものなのだから、そこは割り切るしかない。
テーマも決めておく
自分の頭の中で、もともと整理されているネタじゃないと、5分10分で構造を考え、迷いなく書くなんてことはできない。そもそも頭の中に出したいテーマも決まっているので、大まかなテーマは決めている。
今回は「自分の知見をコンテンツにして生業にする」方法論だ。
全体の大まかな構成を考えておくのもいい。3,000字で25日というと、7.5万字で、今時はちょっとした本の分量なので、出版企画を考えるつもりで、5章程度に分けて考えてもいいだろう。今回は以下のように仮置きしてみた。
全体像さえ決めておけば、あとはその日に思いついたものをランダムに書けばいい。連載ではないので、いいものが書けそうなところから書けばいい。まずは出し切ることが主眼だ。
書き始めは22時過ぎとしても、毎日ちょっとした隙間時間に今日は何をかくか、どんな構成にするか、考えるともなく考えているようになるものだ。ちょっと手元で書き留めておいてもいい。
もちろん、25日もあれば、時にはなんだかネタが出てこないこともある。去年はそんな日には、大学時代の旅に絡めたコラムをかいた。余談だが、それが1年以上経って、ある証券会社の顧客広報誌に記事掲載を頼まれるきっかけとなるのだから、ご縁とは不思議なものである。
別のアウトプットの機会もつくってみる
書くテーマに関する「問い」を、他の人からもらう場を仕込んでおくのも有効である。
私は今回は、ある会社から、このテーマで、2ヶ月間・全6回の研修の仕事を請け、講座の設計、資料作成、ファシリテーションまで、全てを担っている。また、ちょっと分野は違うが、自由大学というスクールでも、コミュニティのつくり方を伝える2ヶ月・5回の実践ゼミを、ほぼ同じタイミングで開講している。
同じネタをスライドでもつくり、人に伝えるという、より直接的プレッシャーに晒される機会があるので、頭の中から否が応でも知見を絞り出すことができる。
伝えたことの反応を洞察し、問いをもらうことで、自分が気づけていなかった暗黙知も言語化でき、コンテンツをさらに人の伝わるようにできる。
25日間のアウトプットをより効果的にするために、怠惰な自分でもできる、互いに「1粒で2度美味しい」取り組みが何かないか、考えて仕掛けていくと相乗効果も見込めるし、そのアクション自体が自分の本気度を試し、強めることにもなる。
というわけで、これから毎日書きます。
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