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アルムナイ調査レポート:梯子会(ビズリーチ・アルムナイ)

活発に活動し、価値を創出している企業アルムナイの運営者に、成り立ち、活動や運営の概要、運営の工夫などを詳しく掘り下げ、他のアルムナイ運営者の参考にする取り組み。

今回は、ビズリーチのアルムナイ「梯子会」です。
調査日:2024/01/09

基本情報

名称:梯子会(はしごかい)
企業:ビズリーチ
設立:2018年5月25日に、発起人がFacebookに投稿
発起人:東野さん
代表:額賀さん(2019年9月に東野さんから引き継ぎ。2代目)
参加資格:ビズリーチ/ビジョナルグループの卒業生
登録者数(概数)
1)Facebookグループ:350人
2)Slack:200人
目的:卒業生同士が互いのビジネスを助け合う
主な活動:年2回の交流会など
運営タイプ:4. 野良型(主催:卒業生/運営:卒業生、会社連携:なし)
組織成熟度:Lv.2)運営チームはあるが、代表に依存する部分がまだ多い
収支:卒業生の自立採算、固定収支無し

立ち上げ

きっかけ

  • 発起人の東野さんが「オフラインで会いましょう!」とFacebookに投稿

  • 反応が良かったので、Facebookグループを立ち上げ、飲み会を実施

合意形成

  • 卒業生:飲み会で盛り上がり、自然に立ち上がった

  • 会社:特に承認を得ることはしなかった

準備

  • 参加者のニーズ調査やのベンチマークの類はしていない

  • 趣意書、企画書、ガイドラインなどは特段作成していない

当初の活動

  • Facebookグループを立ち上げ、人づてで勧誘して登録者を増やした

  • 定期的なオフラインイベントで人を巻き込む

運営チームの組成

  • 額賀さんが、在籍時のHubになっていたメンバーに個別に声がけ

立ち上がった前提要因

  • 企業文化:辞めても仲間、助け合う、というカルチャー

    • 「辞めた後も一緒に仕事をしたい仲間」という感覚

    • 「辞めても助け合おう」という文化

    • 「歴史を作ろう」というビズリーチの価値観

  • 行動習慣:カジュアルに繋がる習慣

    • 会社でピザパーティを毎月やっていた(オフィスで宅配ピザを取り、採用で狙っている人など社外の人や、新しく入った人を繋げる交流会)

  • 人的要因:自発的に活動をリードする幹事がいた

活動

趣旨

  • 卒業生同士で一緒にビジネスを行う、互いのビジネスを助け合う

    • 営利方針:双方にとって良いビジネスマッチングは歓迎

  • 明文化:Code of conduct的なものはSlackに投稿したことあるが、無料プランの期限切れで消えている
    →作る必要は感じている

1)プラットフォーム

  1. Facebookグループ:全体アナウンスに活用

    • 「裏半期総会」などのイベント告知

    • ビズリーチ関連のハッピーニュース(発起人がシェア)

  2. Slack:個別相談やテーマ別の交流

    • 事業部別(相談や交流)

    • 職種別:採用、人事、マーケなど

    • テーマ別:資金調達

    • 趣味別

  3. Notion:メンバーリスト的な使い方

    • 氏名、現職、在籍時の経歴

    • どんなスキルがあるか・どう支援できるか、相談可能か

2)マッチング

  • 裏半期総会でライトニングトークで促進

  • Slack上で誰かが相談を投稿したら、代表の額賀など管理人が、できそうな人にメンションをつけて、巻き込む

  • Notionの参加者名簿に「どんなスキルがあるか・どう支援できるか、相談可能か」を入れることで、自主的なマッチングを促進

  • 代表に依頼が来たら、個別にマッチングする

3)イベント

  • 当初は3ヶ月に1回、卒業生が所属する企業のオフィスを借りて、ピザパーティのような、軽い懇親会から始めた

  • その後、2月と8月の第1金曜に開催されるビズリーチの半期総会と同じ日に「裏半期総会」を実施するように

  • オンラインイベント:特に実施していない

<裏半期総会の進行>
・乾杯
・卒業生の近況報告LT(2分/人)
 →何してる/手伝える/困っている
・梯子会の年間活動報告(3分)
・協賛があれば、頑張った人を表彰し、プレゼント

4)コンテンツ

  • 特に記事や動画などは制作していない

<ベネフィットのマッチング>
【◯】PR(会社/個人活動)
【    】販売↔調達
【    】学び↔登壇
【◯】転職↔採用 →採用に熱量が高い人が多い
【    】起業↔共同創業
【◯】出資↔投資

拡大と活性化

登録者を増やす

  • 知っている卒業生にDM

  • SNSの退職投稿にコメント

  • 辞める知り合いに、同時期に辞める人の勧誘を依頼

  • 結果:額賀さんが引き継いだ時100人→今350

投稿の活性化

投稿が少ないと熱量が下がるので、額賀さんが投稿を増やす後押し

  • 卒業生の個人アカウントで、梯子会にも投げると良さそうな投稿を見つけたら、梯子会にも投稿してもらうよう打診

  • 会社のニュースを投稿

参加者

年代

  • 平均年齢は30半ばくらい(比較的若い会社であるため)

属性イメージ

  • シリーズC以下のスタートアップのCxOレイヤー:10-15%

  • 創業社長10%

  • フリーランス10%

  • 他、メガベンチャーや大企業

  • より小さい会社の人事部長クラス(但し、人材業界は案外少ない)

収支

基本方針

卒業生による自主採算。
イベントは単体で採算を合わせる。

固定収支

  • 収入:参加者からの年会費:なし

  • 収入:会社からの委託費、他:なし

  • 費用:人件費/委託費:なし(卒業生ボランティアで運営)

  • 費用:ツール、設備:なし(無償ツールで運営)

スポット収支

  • 人件費:ボランティアで運営

  • 会場費:OBがいる人材系企業の部屋を無償で借りる
    (会社からの会場提供:なし)

  • 飲食代など:参加費で賄う

運営

区分

タイプ

【    】会社主催型(経営:会社/運営:会社)
【    】運営委任型(経営:会社/運営:卒業生)
【    】会社後援型(経営:卒業生/運営:卒業生→会社連携:あり)
【◯】野良型(経営:卒業生/運営:卒業生→会社連携:なし)

役割分担

・責任主体:会社/◯ 卒業生
・意思決定:会社/◯ 卒業生
・参加承認:会社/◯ 卒業生
・活動企画:会社/◯ 卒業生
・オペレーション:会社/◯ 卒業生

組織成熟度

【    】Lv.1)代表1人にほぼ依存している
【◯】Lv.2)運営チームはあるが、代表に依存する部分がまだ多い
【    】Lv.3)運営チームが自発的に役割分担し、活動を前に進める
【    】Lv.4)一般参加者による、分科会などの自主活動が生まれる
【    】Lv.5)代表交代が可能なレベルまで、運営がシステム化

代表

  • 額賀さん:30代・卒業生、自身で会社を経営

  • 発起人は東野さん。自身の起業で忙しくなるため、立ち上げ1年ほど後に額賀さんに引き継ぎ

  • 額賀さんが引受け動機:会社が好きで恩返ししたかった、仲間への価値提供のため

体制

卒業生4名(ボランティア)

  1. 代表

  2. イベント企画

  3. 司会進行

  4. フレキシブルなサポート

代表への依存度は依然として高め。
なお、Facebookグループの管理人は6名。

会議体

  • 定例:なし

  • 半期総会のタイミングで運営メンバーの Facebookグループを作成

    • 額賀さんがタスクを切り分けてメンバーに依頼

    • 当初はSlsckでやったが、レスが遅い人がいるのでFacebookになった

  • 記録:Googleドキュメントで議事録を作成

運営ルール

  • メンバーの任期/選出/任免、運営などに関するルール:無し

システム

1)活動用途(対 参加者)

コミュニケーション(フロー)
・Facebookグループ:主に幅広な告知
・Slack:属性別、テーマ別のマッチング

情報共有(ストック):
・Notion(メンバーリスト的に利用)
・Googleスライド

外部発信
・HP:なし
・note:なし
・Youtube:なし
・SNS(Facebook、X、Instagramなど):なし

その他
・カレンダー(参加者用):なし
・イベント管理:Peatix、Google forms
・オンラインイベント:なし

2)運営用途

・記録:Googleスライド/ドキュメント
・会員リスト:Notion
・収支管理:なし
・タスク管理:議事録ベース(Googleドキュメント)
・カレンダー(運営用):なし
・オンライン会議:Google Meet

補足

  • ビズリーチで使っていて、使い慣れているものを利用(主にGoogle)

  • Slackは3年ほど前に、メンバーから「もうちょっと個々の相談がしたい」という要望があり立ち上げた

  • Notionは、誰が何しているのかを可視化したいという要望をもらい作成

  • ツールは全て無料版、管理者は代表の額賀さん

参加承認

登録資格

  • 定義:株式会社ビズリーチorビジョナルグループの卒業生

<詳細指定>
・グループ会社:OK
・現役社員:NG
・雇用形態:明確な規定はなし
・その他要件(定年や無職者、年齢など):明確な規定はなし

手順

  • プラットフォーム:Facebookグループ(承認制)

  • 在籍確認の方法

    • 検索不可=登録者からの招待でないと入れない

    • グループ内に共通の知り合いがいる

    • 共通の知り合いがいない場合、個別に質問して確認

  • 承認者:運営メンバー(4名)

  • タイミング:随時

  • 記録:別途のログは残していない

  • オンボードなど:新規参加者を紹介する程度(自動機能)

会社との関係

概要

  • 立ち上げ時、特に相談はしていない

  • 今は、経営陣も存在は認識

  • アルムナイの独自ロゴは、会社に承認されている

コミュニケーション

  • 定例会議:無し。必要なことがあれば、双方都度連絡

  • 窓口:公式にはないが、社長室や人事トップとのやり取りが多い

  • 今後の希望:退職者への会社からのアルムナイ案内、運営支援などしてほしいとは思っている

支援

  • 設備:なし(会場提供などもなし)

  • 資金:なし

  • 人員:なし

社友会

  • 社友会の有無:なし(若い会社なので)

  • すみ分け:なし

<社友会情報>
・名称:--
・担当部署:--
・設立:--

会社側の期待成果

  • 現状、特になし

<期待効果の区分>
【    】採用:カムバック、リファラル、ブランディング
【    】キャリア:シニアのロールモデル
【    】共創:事業提携、複業人材活用
【    】投資:協業先への出資
【    】取引:発注先、仕入先
【    】PR、ブランディング
【    】情報収集

課題と目指す姿

今の課題

  • 参加者の偏りが生まれてきた

  • 2020年以降に入社した卒業メンバーとの繋がりがなく、新規登録者が増えにくくなってきた

目指す姿

  • 卒業後もつながり続けるベネフィットの根拠となるマッチング事例を増やしていく

  • 困った時に、梯子会のメンバーに相談できる仕組みをつくる

  • 特に、起業や事業拡大の支援を、梯子会のリソースでできるようなコラボレーションを実現したい

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