ガウディーノ「ばいやんで失敗した若手というレッテルから脱却したい」
—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)
ドイツ『シュポルト・ビルト』誌のインタビューで、かつてバイエルンで将来を嘱望されたタレント、ジャンルカ・ガウディーノ(24)が、ベルンの圧倒的な強さ、過去の挫折、自身の将来計画について語ってくれた。
ビルト:あなたが現在所属しているヤング・ボーイズ・ベルンは、あなたのユース時代に所属していたFCバイエルンがブンデスリーガを席巻していたように、スイスのトップリーグを席巻しています。シーズン終了まで残すところあと2試合ですが、ベルンは、2位との勝ち点差を28ポイントに広げ、リーグ4連覇を早々と達成しました。成功の秘訣は何でしょうか?
ガウディーノ:僕たちは、信じられないほどクオリティの高い、厚い選手層を持っているんだ。それが、特にミッドウィークのある週には非常に大きな効果を発揮した。加えて、チームスピリットも突出している。僕はこれまで複数のクラブでプレーしてきたが、これほど友情や一体感を感じられるクラブはなかった。それが成功のカギの一つさ。
他には、どういった要因がありますか?
事実、ここでは、ベンチに入っても誰一人として不貞腐れたりなどはしない。控えだからと、不平不満を言ったり、険悪なムードを作ったりするのではなく、トレーニングでのパフォーマンスを高めてほかの選手にプレッシャーをかけることが、自分やチームのためになると分かっているんだ。
あなたの場合は、それがレギュラー出場につながっていません。それはなぜだと思いますか?
これほど強力なメンバーが揃っていれば、監督は多くの選択肢に迷うことだろう。残念ながら、僕も今シーズンはうまく行かなかった一人だよ。しかし、それは、このビジネスに身を置くなら耐えなければならない話だ。だが、リーグ戦とヨーロッパリーグで合計32試合に出場できたことは、非常に成功したチームの中で、僕が重要な役割を果たしたことを示すものでもあると思う。僕は毎日努力してきたし、これからも大きな目標を達成するために、邁進していくつもりだ。最終的には、レギュラーの座をつかみたいね。
これまでのキャリアの中で、あなたはいくつかの困難な時期を経験されてきましたね。ヴェローナ(2017~2018年)では不本意な結果に終わり、半年間も無所属を経験し、鼠径部の手術を経た後、ようやくヤングボーイズでスタメンの座をつかむことができました。そして、2019年11月にも負傷に見舞われました。"靱帯断裂 "です。再び数ヶ月間もの離脱を強いられ、その後、90分間ピッチに立つ機会はほとんどなくなりました。どのように捉えていますか?
2019年末の怪我で、その当時は完全に挫折を感じたよ。衝撃的な診断結果を聞いた日の夜は、恐怖だった!僕は泣きながら家の中で座り込み、ひどく悲しんでいたんだ。すべてを立て直さなければならないと思ったので、ものすごく辛かったね。
ふさぎ込んでしまったということでしょうか?
いや。翌朝、僕は気持ちを切り替えることにした。どんな物事にも深い意味があるんだと、自分に言い聞かせたよ。僕はこの挫折を、自分のメンタルやフィジカルへの挑戦として受け止め、さらに強くなったと言える。
どういうことですか?
そこで僕は、現実と決断を受け入れ、日々の仕事に全力を注ぐことを学んだ。自分のいるチームトレーニングのレベルを向上させ、毎回、チームメイトの刺激になれれば、それもまた満足感につながるよ。
あなたは非常に才能のある選手だと考えられていました。ペップ・グアルディオラ監督は、あなたを17歳のときにFCバイエルンでブンデスリーガデビューをさせましたね。
多くの人は、僕がかつてバイエルンにいたことを知っている。しかし、その過去はもう僕に有利なものではない。なんとか、バイエルンの失敗タレントというレッテルから脱却したいと思っている。FCバイエルンは世界で最も偉大なクラブであり、そこで過ごすことができたことには非常に感謝している。しかし、今の僕は自分自身の道を歩んでいる。僕は、選手として、また人間として成長してきた。それも、バイエルン・ミュンヘンとは全く関係なく。
ある元バイエルンのスター選手は、今でもあなたに影響を与え続けていますね。
チアゴ(現リバプールFC所属)は、僕にとって絶対的なナンバーワンだ。彼は選手として、また人としても成長し、強烈な意志を示し、試合を牽引するときの優雅さも際立っている。チアゴは、あらゆるミッドフィルダーのお手本になるべき選手だよ。
あなたは、どのような中盤のリーダーになりたいですか?
自分のプレースタイルやカリスマ性でリーダーになりたいと思っている。プレーを落ち着かせたり、テンポを上げたりすることで、その時々にどのような試合をするのがベストなのかをチームに伝えることができる。僕は決してお喋りな方ではないので、説教や檄を飛ばしてリードするタイプではない。自分の試合をすることで、語るようにしているんだ。
ベルンとの契約は、この夏までです。ブンデスリーガへの復帰は考えられますか?
否定はしないが、そこを夢見ているわけではないね。今は、ヤングボーイズとの交渉が進んでいるところだ。シーズン終盤の数週間を利用して、新シーズンに向けて努力を重ね続け、自分自身をアピールしていきたいと思う。
ブンデスリーガのクラブが監督探しをするとなると、あなたのクラブの監督であるジェラルド・セオアネの名前が何度も挙がります。現在は、フランクフルトとレバークーゼンが興味を持っていると言われています。セオアネ監督の特徴とは?
強固な意志、どんな時でも成功に向かって燃える姿。もちろん、僕たち選手は、彼についての憶測がしばしば寄せられることを承知している。これは彼の監督としての功績であり、褒め言葉でもあるが、それはチームにも言えることだね。