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化粧品成分:ラノリンの保湿力とアレルギーリスク


ラノリンとは

ラノリンは羊毛から抽出された油が由来。
羊毛は、羊が自然に分泌する油で防水・防臭力を保っています。その油を羊毛が刈り取られる際に採取。精製されて、化粧品成分として使用されています。

黄色いロウのような物質で、高い保湿力があります。また、肌の水分が失われないようにするエモリエント効果にも優れています。肌にうるおいを閉じ込めるため、特に乾燥する秋冬には最適な成分です。

なお、羊および羊毛が由来なため、ヴィーガンコスメには配合されません。

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乾燥肌に効果的とされるラノリン

ひび割れ、肌荒れ、かさつき。乾燥肌にありがちな悩みにラノリンの高い保湿力は効果的とされています。その上、軽い使用感で皮膚バリアをサポート。肌に塗っても重たく感じないため、ベビー用スキンケアで配合されることもあります。

肌の上に油性のベールを作り、肌の水分を閉じ込めると同時に肌を柔らかくしてくれます。その効果を期待して、次のようなスキンケア製品で配合されています。

  • フェイスクリーム

  • リップクリーム

  • ハンドクリーム

  • ボディクリーム

  • ベビーローション・ベビーオイル

  • クレンジングオイル

唇や授乳中のママの乳首など、乾燥によるひび割れが起こりやすい場所に塗る製品にもよく配合されます。また、髪と頭皮に自然なうるおいを与えるため、ヘアケア製品に使われることも。

ラノリンのアレルギーリスク

高い保湿力とエモリエント効果が魅力的なラノリンですが、実は、アレルギーリスクが指摘されています。アメリカでは患者数が増加したとして「2023年のアレルギー成分」に選ばれたほど。

これまでラノリンはアレルギーリスクが低いとされてきました。そのため、日本でも多くの化粧品で配合されるように。
また、石油由来のワセリンやミネラルオイルに代わる「安全な」成分として宣伝されたことも、配合例が増えた理由と言えるでしょう。

しかし実は、ラノリンアレルギーは何十年も前から存在しています。

特に、発疹やかぶれ、アトピーなど何らかの皮膚疾患がある人には、ラノリンによる皮膚炎が現れやすい傾向にあります。また、健康な肌の持ち主であっても、ラノリンに触れたことが原因で肌トラブルが生じる人もいます。

アレルギー発症時の症状

ラノリンに対してアレルギー反応を示した場合、次のような症状が起こる可能性があります。

アレルギー性接触皮膚炎

ラノリンに触れてから48~72時間に生じる皮膚の過敏反応。それまでは問題なかったとしても、突然アレルギー反応が予期せず起こることがあります。
また、継続的な使用などにより皮膚感作すると、わずかな量を塗っただけで毎回アレルギー反応が出る可能性も。

刺激性接触皮膚炎

肌が刺激を感じる成分に触れた直後に生じます。原因となる物質が皮膚に刺激を与え、その刺激に皮膚が負けることとかぶれや赤み、かゆみが生じます。
皮膚感作の有無に関わらず、誰にでも発症する可能性があります。

アレルギー反応を避けるために注意すべき成分

ラノリンは単体で配合されるだけではありません。次のようなさまざまな形で化粧品成分として使われています。

  • ラノリン

  • ラノリンアルコール

  • 液状ラノリン

  • 水添ラノリン

  • ヒドロキシラノリン

  • 酢酸ラノリン

また、PEG-100ラノリンのようにPEG(ポリエチレングリコール)と結合した化粧品成分もあります。

ラノリンによるアレルギーや肌刺激を避けたい場合には、これらの成分が使われていないかを確認しましょう。

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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。