スーパーの店員からライターをはじめるまで
こんにちは!Webライターのこんちゃです。私は今、企業のオウンドメディアの記事や導入事例の取材・ライティング、場合によっては編集などを行っています。といっても、私は出版社や編集プロダクションといったメディアに関わる仕事に就いたことがありません。新卒で入社したのはローカルスーパーで総菜コーナーのチーフをしていました。毎日から揚げやとんかつを揚げていた私がなぜWebライターをしているのでしょうか?今回は、私がWebライターをはじめるキッカケについてお話したいなと思います。
夢破れてスーパーの総菜屋
昔から書くことが好きで中学生の頃は童話やライトノベルもどきをノートに書いていました。高校生の頃、家庭科で将来の年表みたいなものを書かされた時に22歳で本出版だったか作家デビューとかいうようなことを書いた記憶があります。漠然と『文章を書く仕事をしたい』という思いを持っていました。
大学に入学したころから出版関係に興味があり、学内で開催されている講座に参加したり、新聞記者出身の方を直撃してお話を伺ったり、とアレコレ自分でも活動をしていました。おそらく行動だけは誰にも負けないくらいしていたと思いますが、すべて空回りの不発で終わります。
就活イベントも精力的に参加し、出版関係とマーケティング関係の仕事に興味をもち片っ端から試験を受けますが、片っ端から落ち全滅。そんな中、面接時から親切にしてくださり最初に内定をくれたローカルスーパーに恩義を感じ入社することにしました。生きていくには働かねばなりません。就活浪人もフリーターにもなれませんし、選ばれなかったのだから仕方ありません。
とはいえ、それでも諦めきれない私は第二新卒の採用試験を受験できるギリギリの年齢まで頑張りましたが結果はもちろん(笑)アルバイトから、もしくは契約社員から頑張る方もいますが、私は『正社員』であることが第一条件でしたのでその道は選びませんでした。その代わりというわけではありませんが、時々クラウドワークスで簡単な1000字程度のライティングや、体験談募集案件などをみつけて趣味のような執筆をしていました。
転職をキッカケに自分の好きを考えた
ある転機があり、まったく分野が違うIT企業へ転職することができました。「やる気があればなんでもできる」と言われる方もありますが、ジョブチェンジはそう簡単なことではありません。他人より秀でた能力もないごくごく一般人のジョブチェンジはかなり厳しいです。一度務めた職種を変えるって言うほど簡単じゃないですからね。しかもスーパーの総菜部のチーフですから、いろいろと厳しさを感じたこともあります。
IT企業はスーパーと違って家族のような温かさはありませんが、自分の仕事を淡々とこなしていくし、変なしがらみもなくサバサバしています。有休も申請すれば取得できますし、体調悪くて怒られることもなくむしろ心配してくれて優しい。戸惑うところもありましたが、私はこの会社が好きで毎日新しいことを覚えることでいっぱい。半年~1年くらいはライターのことはすっかり忘れていました。
充実した毎日を送りながらも、働いていればそれなりに思うことがでてきます。「もっと文章を書きたい」「私の方がうまく書けるのに」「やってみたい」とか。いま振り返ると傲慢だなぁと思いますが、私が書いた原稿の方がうまくまとめられていてよかったと今でも思っています。
なんで"良い"と思っていたのか。それは記事の書き方を知っていたからです。
キュレーションサイトが流行っていた頃、たくさんのライティング案件が転がっていました。私はクラウドワークスを使っていくつかの案件を請け負いました。
何のコネも経験もない私が始めるとしたら、「未経験者歓迎」「レギュレーション有」みたいなKWで見つけた量産型のコンテンツの執筆くらいしかありません。ライター経験もなく、自分のスキルがどのくらいなのかという検討もつかない当時、まずは業界マナーや書き方のルールを知ろうと思いいくつか複数の会社の仕事を1~2件ずつ受注しました。レギュレーションや書き方の指示があるので、それを見れば傾向がわかると考えたからです。その通り、違いはあれどある程度パターンは決まっていました。キュレーションサイトは集客(PV数)を稼ぐことが目的で、SEOを意識したガチガチの文章を書きます。(今のクローラーはもっと優秀なので、当時とは違います)KWの使い方、文章の何割くらい入れるとよいのかなど、案件をこなしながらパターンを覚えました。
ある程度パターンが見えてくると、違う記事を書きたくなります。キュレーションサイトの記事を卒業し、転職記事・恋愛記事など自分の近しい話題があるコラム系の記事に絞って同じように複数社から1~2件ずつ受注しました。
こんなことを続けて少しずつ経験(実績)を広げていきました。もちろん私の本業は会社員です。稼働時間は限られているのでたくさん受注することはできません。自分でもライターになれるのではないか、仕事ができるのではないか、自分のスキルをつけようと限られた時間の中で最大限に学べる方法を考えたのです。
私はずっと考えていました。私が記事をかける人だと分かれば、良い記事を書けば本職で記事を書く仕事を任せてもらえるのではないかと。ただ書きたかったそれだけで経験値を積みました。でもそんなものは夢物語みたいなものです。業務の采配は役職者次第です。実力主義、行動力次第なんていいつつも、気分や相性で決まることもゼロではありません。
たまたまですがある事件がありました。詳しく書くことはできませんが、初稿ができ取材先に内容の確認をしたところ、「インタビューしたときの内容と記載された原稿内容が全く違う」というクレームでした。担当者が取材先で聞いたことを原稿にする段階で、会社がよく見えるように装飾したりアピールしていくうちに元の言葉からどんどん遠ざかってしまった結果、まったく内容が異なる文章ができてしまったようです。担当者は「聞いた話以外のことは書かない(書けない)」という当たり前のことに気がつかなかったのです。いくら執筆取材経験がないとはいえ……と思わなかったわけではありませんが、そういったノウハウも方法も一切引継ぎなく行われているのですからこういった事件が起きてもおかしくはありません。
また外注した記事原稿がすべて盗用だったということもありました。それに気がついたのは担当でもない私でした。大手の企業であれば、おそらく掲載内容をチェックしリスク管理をきちんと行っているのかもしれませんが、中小企業であれば未経験者が、それも知識がないまま担当しているケースも少なくないと思います。まさにそのパターンで、『何が問題なのか』がわかっていなかったのです。
それでも私は記事の担当にはなれませんでした。それでも私は業務でもない剽窃チェックをし、原稿の直しは奪い取って担当し、自分の業務とは別に少しでも関わろうと書く仕事の割合を増やしていきました。
ブログで実績作り
どんなに意思表示をしても、原稿をまるっとリライトして読める形にしても、何をしても私はコンテンツ制作担当にしてもらえませんでした。その背景にはいろいろな要素があるのですが、それが悔しくて思います。
自分でブログを立ち上げて結果をだしてやると。
自分でサーバーを契約し、ワードプレスをインストールしブログを作ります。ただ、ブログを使った収益方法についての情報・知識・ノウハウなどが全然ありません。コンテンツ作りから必要ですよね。まずはあるコミュニティに入り、そこでブログ運営方法を学びながらブログを作成しました。副業始める方で多い、Google Adsenceです。
今みると、テーマがぶれたりちょっと甘いところもありますが、それでも結果として食費をねん出するくらいの収益がでました。そして、次にアフィリエイトブログをはじめます。ここはかなりトライ&エラーを繰り返して、何度もサイトを作り替えたりしています。それらの経験をもとに、テーマを絞ったブログを複数つくるのですが、だんだんと経験値やテーマやタイトルの決め方のテクニック的なことも見えてきて、狙い通りの記事を書けるようになってきました。
そうなると新しい仕事が生まれます。企業のオウンドメディア記事の執筆です。私が会社員経験があり、またマーケティング部のことを知っているのでだいたい求められていることがわかります。困っていることが分かりやすい。だから記事も書きやすい。1つ目の実績を作るまでは結構大変ですが、1つできるとそこから横にどんどん広がりました。
会社員の経験が専門スキルへとつながった
ある勉強会でこんな質問をしていた方がいました。
副業はプロとは違う
プロの定義は専業かそうでないかでしょうか?
違います。
お金をもらっているかいないか、ただそれだけです。
仕事を依頼するとき何を基準に依頼するかご存じですか?
欲しい記事のテーマに関する知識があるかないかを重要視します。
プロの定義は求めるものによって変化すると思います。その分野に秀でている方をさすこともあるでしょうし、インタビューの能力に秀でている方のことをさすこともあります。
ライターは専業じゃなきゃプロじゃない。と思っていたらいつまでたってもライター始められません。
私は会社員で得られた知識で仕事をしています。そうITです。システム導入事例やオウンドメディア記事、LPなどいろいろなコンテンツを作っています。作るだけならIT知識は必要ありませんし、おそらく知識なくても上手く書ける人はいます。(知識がなくても調べてうまく書ける人はそう多くはないのではないでしょうか)知識が必要というのは、依頼したかたの意図をくみ取れるかどうかという部分につながるのかな?と思います。
私は編集プロダクションやライターへ記事制作の発注もしますが、残念ながらこちらの求める内容の記事をかける方はそう多くはありません。IT系の記事をかけるライターさんはあまりいないんですよね……。だから、専門知識があると有利なのです。
ライターは人の数だけ得意分野も違います。プロのライターといっても、エンタメ系の軽い記事が得意な方もいれば、金融系の堅い記事が得意な方もいます。大衆向けの文章が得意な方もいれば、エグゼクティブ向けの文章が得意な方もいます。プロかどうかではなく、何が書けるのかが重要じゃないかと思います。
誰でもPCさえあればライターができます。未経験でも仕事を受注することは可能です。じゃあたくさんいるライターの中でどうやって自分の強みを作りましょうか?
私には輝かしい経験はありません。「脱サラして成功しました!」という方のようにいきなり飛び込むなんて考えもしませんし、しません。私は確実に自分の生活を確保しながら一歩ずつ進みたいと考えています。もちろんメリットデメリットはありますが、それが良かったか悪かったかは私が決めることです。
スポットでみると私は失敗も多かったですが、結果として今書く仕事もできているのは細々と自分ができることを続けてきた結果だと思います。
もしこれを読んでいるあなたがライターになりたいと考えていて、どうすればなれるのか?と思っているならまずはブログでいいのであなたの日常や考えを文章にする練習をおすすめします。
また、私はこのnoteを通して私がどうやってライターになったのか、そのためにした行動、学んだこと、失敗したことなどをまとめていきたいと思います。
毎週月曜日に更新予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
毎週月曜日は過去を振り返りながら私がライターになった話をまとめています。