推しメンが増えました。
私は、小さい頃から指がよくまわる子でした。
何を弾いても、「指を速く動かす」ということに関しては、あまり苦労した記憶がありません。
それを、周りの大人の方々は「テクニックがある」と言いました。
でも、大きくなるにつれて、「指がまわる」というのはテクニックの中のたった1つの要素でしかない、と思い知っていくのでした。
ピアノを弾くには、言わずもがな、強弱、音色、レガートなどなど···たくさんのテクニックが必要です。
「指がまわる」だけではどうにもならない!
先日、亀井聖矢さんの演奏会に行ってきました。
クセがなく大げさでもない、でも細かいところまで繊細で豊かな表現!
私、めっちゃ好み!!
そして思いました。
「この子(大人だけどまだまだ若い)は、きっとただの天才じゃないぞ!」と。
たぶん、小さい頃から基礎をしっかり身につけて、その上であらゆるテクニックを習得し、そのテクニックを計算ずくで駆使して演奏してる。
そりゃぁもちろん才能があるに違いないけど、才能にあぐらをかくことなく、長〜い年月ハンパなく努力し続けた結果のように感じました。
世の中、クセを出したり大げさに弾いたりして、手っ取り早く表現力が上がったように勘違いしている人がいないでもない。
テクニック要らずで簡単。
というか、私も時々コレをやって手抜きさせてもらうことがありマス(-.-;)
(これはホントの表現力ではないと分かってやってます。すみません。)
オーソドックスだけど表現豊か、というのがどれ程難しいことか。
亀井さんは、それをやってのけていました。
ただの天才じゃないはず。
努力の賜物。
以前、「天才と凡人」という記事を書きました。
「凡人が凡人だと自覚すれば、普通の人ではなくなる」と。
彼は、(誤解を恐れずに言えば)凡人の最高到達点かもしれません。。
すごいなぁ。
若いけど感心しちゃうよ。。
演奏と関係ないけど、まだ初々しさが残る歩き方も、何でもないスーツだけどお辞儀するときはきちんと前ボタンを留めるあたりも、いいわぁ(^^)
推しが1人増えました(*^^*)
さて、彼の音楽人生はここからが勝負!
今、コンクールで名をはせた彼の前にはたくさんの道が用意されているはず。
どんな道を選び、どのような方向に進んでいくのか、応援したいと思います。
周りの大人の皆さん、せっかくの偉大なピアニストが傷ついたりすれたり潰れたりせず、自分の本当に望む道を歩めるよう、上手に導いてくださいませ。