バイオリンの理論 右手2
さて今回も右手について書いていきます。
前回は人差し指に焦点をあてて書いていきました。
でもね、右手の重要な問題って人差し指だけじゃないですよね。ボーイングという重要な問題というか論点もありますよね。
本当に右手は色々とクリアしなければいけないことが多くて大変だなと思います。
前回の最後に、
「弓に自分の右腕の重さをのせなさい。」
と言われた場合、どうすればいいの?というところで話が終わりました。
ここからは抽象的な話になってしまいますが、ヴァイオリンを弾くには、全身運動しなければなりません。
といってもピンとこないですよね。
どういうことかというと、例えばボーイングですが、腕だけを上下すればいいわけではありません。というか腕だけ動かすのはダメです。体全体使って結果として腕を上下させなければなりません。
これも分かりにくいですね。。。
要は背骨から腕を動かさないといけません。
もっと具体的に言えば、呼吸しながら腕を動かします。
ダウンのときは息を吐きながら腕を下げていく、アップのときは息を吸いながら腕を上げいきます。
そうすれば自然と全身運動、少なくとも腕だけの運動にはなりません。
なぜ腕だけの運動はいけないのでしょう。バレエを熱心に踊ってらっしゃる方に
「バレエは手とか腕だけ動かしたらだめなんです。」
といって、同じ振り付けで、腕だけを動かした場合と全身運動した場合で踊り分けてくれました。
そしたら結果は一目瞭然!!見た目が全然違いました!!
これは実は音にも言えます。
全身運動した方が音が響きます。音量ではなく響きです。
なのでボーイングは全身運動、すなわち呼吸しながら弾いたほうがいいわけです。
でも現実問題、いつも呼吸を意識して弾けるかというと、弾けないでしょう。というのも例えばオケや弦楽などのアンサンブルで演奏する場合、自分の演奏よりも周りの状況に気を配って弾かなければなりません。そんなときに呼吸なんてとても意識できないでしょう。
また、速いパッセージを弾く場合もいちいち呼吸なんて意識してられません。
そもそも呼吸というのは私たちの日常生活では無意識のうちにおこなわれているものです。なので本当は意識して呼吸するというのは不自然な話なのです。
でも全身運動を誘発するためにあえて呼吸を意識して弾くことをおすすめしているわけです。
ではどうすればいいかというと、普段の練習でゆっくりの開放弦でボーイング練習するときに、呼吸をしながら弾いていただき、腕と背骨が繋がっている感覚をまず感じでいただきたいと思います。
そしてだんだんとテンポを速くしてください。そうするとそのうち意識しながらだと弾けない速さになると思います。
こういう練習を続けていくと、無意識に全身つかった演奏ができるようになります。
弾けるようになってからも、ゆっくりの開放弦の練習はし続けることにより、自分の身体の感覚を鈍らせないようにしなければなりません。
今回は全身運動、呼吸を意識して弾くことについて書きました。
では呼吸を意識さえすればいい音が出るのでしょうか。もちろン今よりはいい音が出ます。
でももう一つ重要な要素があります。
それは姿勢です。
姿勢については、まだ言語化できるほど理論がまとまってないので、次回の更新まで少々お時間頂戴したいと思います。
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