Eugenの備忘録その46-10/14 カーチュン指揮日フィル東京定期
カーチュン・ウォン指揮日フィル東京定期演奏会(10/14,14時より、於サントリーホール大ホール)
マーラー:交響曲第3番
山下牧子(MS.)
harmonia ensemble(合唱指揮:福永一博)&東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)
マーラー3番の一本プロだが、初めて聴いたこの指揮者は大変几帳面だという印象を持った。端正な指揮ぶりで、強調したいパートやソロの方を逐一向いて息を通わせる。その几帳面さが時に仇になる部分もあるが、勢いで押し通さず丁寧に音楽を積み上げてゆくのが良い。しかし緩徐楽章のフィナーレでクライマックスに向け段々テンポが速くなると同時に音楽が重みを失っていってしまうきらいもあり(ラトルの癖によく似ている)、あと少しの粘り、腰の据わったところを聴きたい。合唱団は女声児童ともに少数ながら高水準。メゾ・ソプラノの山下牧子も第4楽章の陰影充分。オケは、カーチュンのタクトの下、より緻密かつ従来のパワーも(特に金管)活かし切り、最後まで集中力が高かった。日フィル新時代を感じさせた。
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