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Eugenの備忘録その48-10/30 ヴァンスカ指揮都響定期
オスモ・ヴァンスカ指揮都響定期(10/30,19時より、於東京文化会館)
シベリウス:交響曲第5、6、7番
シベリウスのスペシャリストによる垂涎の演奏会だったが、なるほどという感想だった。縦線を無理に合わせようとせずに揺さぶるところは揺さぶる。反面、終わり方が唐突な5番6番では特に終わりに見栄を切る事を控え、「えっ、終わりなのか」という終止の印象を際立たせる。しかしオケとはどうもハレーションが起きている感が否めず、加えて5番は管の立ち上がりの悪さもあって音楽としてはピンボケな印象を受けた。先々週まで大野小泉と勝手知ったる役職指揮者と組んだ後という事もあると思うが、熟れていない果実を口にするようなもどかしさがあった。しかしシベリウス7番の弦・金管のコラールの現実離れした音質や6番の両端楽章の弦合奏の純真さなどには感嘆。5番では第1楽章の動機の一貫性にコーダの鮮やかさ、フィナーレの第2主題の表情の変化も面白かった。
多少の疵はありつつもヴァンスカの意思を窺える演奏会だった。