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つくる社内研修 Part.1──クライアントとの対話の模擬体験プログラム

みなさん、こんにちは。コンセントのコミュニケーションデザイナー、原木です。

「デザインでひらく、デザインをひらく」というコンセントのミッションのもと、コンセントデザインスクールという社内研修制度の企画・運営を担当しています。


営業活動は全員で

自社サービスの営業活動には各企業それぞれに独自のやり方がありますが、クライアントへの初回訪問については“営業を専門とするメンバーが行って話を聞いてくる”という方法が比較的一般的ではないかと思います。

コンセントでは、クライアントへの初回訪問のことを“初訪”と呼び、単に「依頼を聞きにいく場」ではなく「クライアントとの関係性をつくる信頼構築の場」という場として考えています。

「ウェブサイトのリニューアルがしたい」「新たなメディアを立ち上げたい」「リブランディングを一緒に考えてほしい」「デザイン思考に関する研修をしたい」……など、コンセントの公式サイトのお問い合わせフォームにはコンセントのソリューションに応じた多種多様な問い合わせがありますが、問い合わせの内容に合わせて、ウェブディレクター、デザイナー、エンジニアなど、実務を担う立場のメンバーが初回訪問に必ず同席するようにしています。
専門職種のメンバーだからこそできる、本質的な議論を初訪の場で実現するためです。

やり方を学ぶ機会が限られるという課題

しかし、初訪は言葉通り“一度きりのチャンス”です。本当に核心をつく話ができたのか、振る舞いはどうだったかなど、ミーティング内容に対しての客観的なフィードバックを受けたり、自分以外のコンセント社員が初訪でどんなやり取りをしているかを知る機会は限られます。
そのため、特に初訪の経験値の少ないメンバーからは「専門家として自分の役割が果たせたかわからない」「きちんと話を深掘りできていたか不安」などの声が聞こえることも。

事前に社内で初訪についての意見交換を行いました。「状況に応じて変化する会話の中で、その都度最適な質問を投げかけることができるだろうか…」というような受け答えについての不安が多くみられました。

クライアントとのせっかくの対面の機会により実りのある話ができるように、経験値を増やしたいけれど、なかなか実践的に取り組める機会がないという課題がありました。

ないのなら、作ってしまえ、その機会

初訪は大事な機会なのに、学ぶ機会がない……のであれば、模擬体験をする機会を研修制度のプログラムとして作っちゃおう! ということで、作っちゃいました!

題して「聞き出せ!情報 打ち砕け!不安 初訪RPG」

「初訪RPG」は、架空の問い合わせをもとにコンセント役とクライアント役の2チームに分かれて初訪シミュレーションを行うプログラム。2チームが同じお題に取り組み、結果を相互に共有することで、初訪に必要なヒアリングスキルや振る舞い方を学び、実践への知識と自信を養うのが目的です。

常日頃から研修の企画・運営に携わっている私たちは、オンラインでの研修や講座が定着した今だからこそ、改めて「実際に体験すること」が知識の定着に及ぼす影響を痛感しています。ゆえにこのプログラムは、「人」と「場」を直に感じることができる対面プログラムにしました。
プログラムを設計するにあたり、架空のクライアントからの問い合わせは具体的な依頼でないとリアリティがないため、「コーポレートサイトのリニューアル依頼」としました。

ただし、研修の都合上、本来の初訪のアサインとは異なり、参加者の専門分野を考慮しない形で同一のお題が提示されるため、達成目標のハードルを一段下げて「提案内容・メンバーを検討できるように必要な情報を持ち帰る」としました。
情報を持ち帰ることを前提にするのは良いことではありませんが、まずは初訪の雰囲気やリアルタイムのやりとりを直に体験してもらうことをこのプログラムの一番の目的に設定しました。

コンセント役、クライアント役それぞれが模擬初訪を始める前に見るボード。 コンセント役のボードには、このプログラムでやること/クライアント情報/ヒアリングのヒントなどが書いてあり、シミュレーションに入る前にコンセント役のメンバー同士でどのようにヒアリングを進めていくかを話し合う時間を設けます。 クライアント役のボードには、性格・役職などのプロフィール設定/開示する企業情報が書かれています

いざ、実践!

起案から準備を重ね、いよいよ本開催の日! 会社のオープンスペースに2チーム合計8名の参加者が集まり、2時間のプログラムを開催しました。
プログラムの中で参加者の疑問にすぐ答えられるよう、チームごとに運営メンバーがフォロー役に付きます。より密度の濃い体験を実現するための少人数開催です。

短い時間の中で、コンセント役は情報を最大限引き出すための話し方、聞き方を模索しながらクライアント役にヒアリングを進めていました

模擬初訪の体験時間は20分と短いながらも、その後の振り返りや共有の方に倍ほどの時間を確保しているのがこのプログラムの特徴。体験してみての参加者それぞれの気づきをみんなで意見交換することに重きを置いています。

模擬ならではのルール「タイム!」。クライアント役との会話が止まってしまった時など、コンセント役のふたりは「タイム」札を使い、2分間時を止めてふたりで相談できるというルールを設けました
事後の情報共有のためのボード。コンセント役はヒアリング内容を、クライアント役はコンセント役の対応についてフィードバックを行います

コンセント役感想

  • まだ初訪の経験が浅いので、早い段階でこの経験が出来たのはとてもよかったです。

  • 難しかったですが、すごい楽しかったです! 実際に体験することでわかることがたくさんあって、勉強になりました。

  • 実践を通して考え方が学べた+自分のできていないところが見つめ直せたのが良かったです。自分はこの辺が足りてないんだろうなぁ〜と思っていたことが、実感として足りてない! わかってないのだ! と自覚することができました。

クライアント役感想

  • クライアントは聞いて欲しいだけじゃなく、情報を得たい可能性も大いにあるよなと思いました。初訪=ヒアリングに留まらず、クライアントにとっても有益な情報を得られる場にできたらと心得ました。

  • いつもと立場が逆だからこそ、こういう聞き方されたいなとか、もっと会話したいなとか、クライアントが思っているかもしれないことが実感することができました。

さいごに

この記事の冒頭に書いたように、コンセントではクライアントとはじめて対面する場から、専門職のメンバーが参加することは、当たり前という考え方があります。
クライアントの課題を本質的に解決し、成果につながるような提案ができるためにヒアリング力・対話力を向上したい。そんな思いを持つメンバーの要望を受け、このプログラムは2024年5月から10月で4度開催されています。
クライアントの課題にしっかりと向き合い、最適な解決策を提案するために、組織や人材を育てていく。そのような取り組みの一つとして、今後も改良を加えながらこのプログラムを開催していきたいと思っています。


💡コンセントデザインスクールでは、社外の方にご参加いただけるプログラムもご用意しています。




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